分譲と賃貸のマンション管理の違い|管理組合とオーナー

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

同じ集合住宅でも、分譲と賃貸では管理の主体が違います。分譲は区分所有法第3条の団体(管理組合)が共用部分を管理します。賃貸は、所有者であるオーナーが維持管理を判断します。入居者に総会の議決権はありません。本記事は分譲の管理組合向けです。費用の全国比較の金額は見積書で確認します。

  • 主体。分譲は区分所有者全員の団体です。賃貸はオーナーです。
  • 決議。分譲は集会(総会)です。賃貸はオーナーの判断です。
  • 費用。分譲は管理費と修繕積立金です。賃貸の入居者は賃料(共益費を含む契約が多い)であり、積立金の納入義務はありません。
  • 契約。分譲は管理受託契約です。賃貸は賃貸借契約と、オーナーが結ぶPM契約です。
  • 占有者。分譲の賃借人は、標準管理規約第5条第2項で、使用方法について区分所有者と同一の義務を負います。

費用の全国比較の円は、このあとの各見出しでも置きません。分譲の管理費と賃貸の賃料を、同じ表に並べません。この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

分譲と賃貸の管理主体の違い

目次

分譲マンション|区分所有法上の管理組合がある

第3条は、区分所有者が二人以上いれば、建物と敷地と附属施設の管理を行うための団体を当然に構成する、と定めています。合意で解散できません。管理会社でも、理事長代行でもありません。

  • 第19条。各共有者は、規約に別段がなければ、持分に応じて共用部分の負担に任じます。
  • 第25条。区分所有者は管理費と修繕積立金を組合へ納入します。第2項は共有持分で算出します。
  • 第28条。積立金の取崩しは6事由に限ります。管理費とは区分して経理します。
  • 第26条。管理費等の債権は、特定承継人へも行使できます。売却しても未納は次の所有者へ請求できます。返還は規約に定めがあるときだけです。第60条第7項の規約例では、納入した管理費等の返還請求はできません。
  • 第34条。集会は管理者が招集します。少なくとも毎年1回です。第35条の通知は少なくとも1週間前(規約で伸長のみ)。標準管理規約第43条は2週間前です。

本記事の主題は、分譲と賃貸の違いです。組合の法人化の決議要件は、区分所有法第47条で確認します。

第27条の管理費の使途に、自治会費は入りません。居住者が任意加入する自治会と、第3条の団体は別です。コメントは、自治会費を管理費等と一体で徴収しているときの留意を書いています。加入の強制にしない、希望しない人から徴収しない、区分経理する、代行徴収の負担を整理する、の四つです。

第30条は、組合員の資格を、区分所有者になったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失する、と定めています。入居の有無では消えません。空室の分譲住戸も、管理費と積立金の納入義務は残ります。賃貸の空室は、オーナーの賃料収入が途切れる話であり、組合の未納とは別です。

分譲は区分所有法の団体、賃貸はオーナー

賃貸は、オーナーの維持管理

賃貸マンションの所有者は、一人のオーナーか、共有のオーナーです。区分所有建物でない一棟貸しや、区分所有でもオーナーが一括して貸す型があります。入居者との関係は、賃貸借契約です。民法と借地借家法が規律します。本記事では、民法と借地借家法の条番号は手元の契約書で確認します。

  • 意思決定。いつ、どの業者に、どの範囲を頼むかは、オーナーの判断です。入居者の総会はありません。
  • 費用。入居者は賃料を払います。共益費を賃料と分けて定める契約もあります。分譲の修繕積立金の納入義務は、入居者にはありません。オーナーが将来の修繕費を、賃料収入の中から用意します。
  • PM。客付け、賃料回収、入居者対応をオーナーから受ける契約です。分譲の管理受託契約(第72条)とは、相手も中身も別です。
  • BM。清掃、設備点検、警備など、建物の維持です。分譲でも賃貸でも、現場の作業としては似た行が出ます。契約の相手が組合かオーナーかが違います。

分譲の一室を賃貸している区分所有者は、分譲の組合員です。賃借人は第5条第2項の占有者です。第19条で、貸与するときは規約と使用細則を第三者に遵守させ、誓約書を組合へ提出させます。第3項で、借用した旨の届出も提出させます。賃料の決め方は、組合の総会の議案ではありません。

分譲の総会と、管理受託契約

分譲の総会と管理受託契約

  • 普通決議。区分所有法第39条は、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く)およびその議決権の各過半数です。標準管理規約第47条第1項と第2項は、議決権総数の過半数の出席と、出席組合員の議決権の過半数です。管理委託契約の締結は第48条第17号です。
  • 第17条。共用部分の形状または効用の著しい変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3です。規約で区分所有者の定数のみ、過半数まで減らせます。議決権の4分の3を下げる定めは、この項にはありません。保険の更新や同じ経路の配管取替は、著しい変更ではありません。
  • 第31条。規約の設定、変更または廃止は、出席が区分所有者の過半数かつ議決権の過半数(規約で引上げ可)、決議が出席者及びその議決権の各4分の3以上です。一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾が要ります。
  • 第72条。新しい業者と管理受託契約を結ぶときは、説明会と、1週間前までの書面交付です。主任者は主任者証を提示し、書面に記名します。賃貸のPM契約に、この条は掛かりません。

第37条は、通知した事項についてのみ決議できます。賃貸の入居者説明会を、分譲の総会だとは扱いません。第36条は全員の同意で招集手続を省略できます。通常の委託契約の締結を、この省略だけで進める必要はありません。

解約の予告期間は、いま結んでいる管理委託契約書です。モデルは少なくとも三月前の書面による申入れです。条番号は手元の契約書で確認します。賃貸の管理契約の解約は、オーナーとPM業者の契約です。

分譲と賃貸で違う見積もり・認定・用語

分譲賃貸での見積もり・認定・用語

  • 四つの業務。標準管理委託契約書(令和5年9月11日改定)は、事務管理、管理員、清掃、建物設備管理です。令和6年6月の改定だとする記載は使いません。「一式」は空欄のままです。
  • 社数。同じ仕様で2社から3社です。20戸から40戸程度では、同時に多く出すと辞退が増える傾向があります。統計ではありません。現地調査の回数は、各社の見積条件で確認します。
  • 管理計画認定。管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に申請します。認定は5年ごとに更新します。管理会社の格付けでも、賃貸物件の格付けでもありません。
  • 管理適正評価。組合の管理の状態を見る制度です。評価の段階の数は、協会の要領で確認します。

東京都マンション改良工事助成は、分譲の工事の例として名前だけ挙げます。金額も受付期間の日付も、当該年度の要領で確認します。申請者は管理組合です。年度の要綱が優先します。賃貸オーナー向けの制度と混ぜません。

令和5年度マンション総合調査の管理費(駐車場等を含む)全国1戸月額17,103円は、分譲の管理費です。賃貸の共益費の平均だとは使いません。修繕積立金(駐車場等を除く)13,054円も、分譲の数字です。

理事会が賃借人のいる棟で確認すること

賃借人のいる棟で理事会が確認すること

  • 第19条の届出。貸与の誓約書と、借用の届出が組合に届いているか。
  • 通知先。第43条第2項は、届出住所または国内管理人です。賃借人のポストだけに総会通知を入れても、区分所有者への通知にはなりません。
  • 第18条の使用細則。ペット、リフォーム、民泊の定めを、賃借人にも守らせます。
  • 専有の修繕。第17条の承認は、区分所有者が申請します。賃借人が業者を呼ぶときは、所有者を通します。
  • 管理費の滞納。請求の相手は区分所有者です。第26条で特定承継人へも行使できます。賃借人の賃料から直接、組合が管理費を取る条項は、標準にはありません。

国内に住所の無い区分所有者は、第6条の2の国内管理人です。標準管理規約第31条の3は、その届出の規約条文です。法律の条文として第31条の3を引きません。

相見積もりの依頼書に、賃貸PMの仕様を混ぜません。客付け業務は、分譲の四つの業務の外です。

第23条の立入りは、管理を行う者が保存行為を請求する条文です。賃貸のオーナーが自室へ入る話と、分譲の理事長が他の専有へ入る話は、根拠が違います。緊急のときは第23条第4項です。実力で入る権利ではありません。区分所有法第6条第2項の請求も、償金がある定めです。

第9条は、設置または保存の瑕疵で他人に損害が生じたとき、瑕疵は共用部分にあると推定します。分譲の共用部分の話です。賃貸の一棟でオーナーが全部を所有している建物へ、この推定をそのまま移しません。

第72条の説明会は、管理組合から管理事務の委託を受ける契約です。オーナーがPM業者と結ぶ契約に、説明会の1週間前交付を求める条項にはなっていません。分譲の組合が新しい業者と結ぶときだけ、第1項を見ます。

一棟の中に分譲と賃貸が混ざるとき

店舗や賃貸住戸が同じ棟にある分譲マンションでは、管理の主体はなお第3条の団体です。賃貸部分のオーナーも、区分所有者として組合員です。

  • 議決権。標準管理規約第46条の議決権は、規約の定めです。店舗の持分が大きい棟は、負担と議決権の割合を規約で確認します。
  • 専用使用。第14条のバルコニー等に加え、店舗の看板やテラスを専用使用にしている規約があります。保存の負担は第21条第1項ただし書です。
  • 使用細則。営業時間、搬入、臭気を細則で定め、第19条で賃借人に遵守させます。
  • 見積もり。住居部分の管理員と、店舗部分の清掃を、同じ「一式」に混ぜません。行を分けます。

一棟全部を一人が所有して貸している建物は、区分所有建物ではありません。第3条の団体は、区分所有者が二人以上のときです。一人所有の賃貸一棟へ、総会の定数を当てません。二人以上の区分所有がある賃貸専用棟は、分譲と同じく第3条の団体があります。オーナーが複数いることと、入居者に議決権が無いことは、両立します。

第16条は、管理事務室や電気室を、管理事務を受託した者や供給事業者へ使わせる定めです。賃貸のPM業者が管理室を使う契約と、分譲の第16条は、条文が別です。使う規約を見ます。第三者に使わせるときは、第16条第2項で総会の決議が要る範囲があります。駐車場は第15条です。

よくある質問

Q. 賃貸で住んでいます。総会で投票できますか。
A. 議決権は区分所有者です。占有者は第5条第2項で使用方法の義務を負います。議決権は移りません。代理で行使するときは、所有者からの代理権が要ります。

Q. 分譲の一室を貸しています。管理費は借主が払いますか。
A. 第25条の納入義務は区分所有者です。賃料の中で精算するかは、賃貸借契約です。組合への納入義務は移りません。

Q. 第17条の4分の3は、規約で下げられませんか。
A. 区分所有者の定数のみ、過半数まで減らせます。議決権の4分の3を下げる定めは、この項にはありません。

Q. 管理計画認定は、管理会社の評価ですか。
A. 組合の管理の状態です。会社の格付けでも、賃貸物件の評価でもありません。

Q. 分譲と賃貸、どちらの管理費が安いですか。
A. 本記事では、両者の費用の全国比較金額は見積書で確認します。分譲の管理費と、賃貸の賃料は、科目が違います。

まとめ

  • 分譲は第3条の管理組合、賃貸はオーナーです。
  • 分譲の費用は管理費と積立金、賃貸の入居者は賃料です。
  • 分譲の委託契約は第48条第17号と第72条です。賃貸のPM契約とは別です。
  • 著しい変更の第17条は、所有者の定数のみ過半数まで減らせます。
  • 現地調査の回数、助成の受付日付、費用は、見積条件と当該年度の要領で確認します。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。主体、決議、費用、契約は、その管理規約、賃貸借契約、管理委託契約書で確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

建物管理に関するお悩みはお気軽にご相談下さい!
大手建物管理会社では対応が難しい自主管理物件や小規模マンションにも、当社は的確なサポートを提供します。
規模に関わらず、管理組合様のニーズに寄り添い、資産価値の維持・向上に貢献する最適な管理プランをご提案。
長期的な安定と快適な居住環境づくりを全力でサポートいたします。

マンション管理のこと、 どんな小さな疑問でも
大丈夫です!

どんな些細なことでも構いません。管理費の最適化や修繕計画、住民トラブルの対応まで、
少しでも気になることはMIJまでお気軽にご相談ください!

相談は無料です!マンション管理のことは
何でもご相談ください!

03-5333-0703 電話で相談する

営業時間:10:00~18:00
平日、土日も営業(年末年始・お盆を除く)