マンション共用廊下の電球交換は誰の責任?費用負担と交換時の注意点を解説

マンションの共用廊下

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目次

共用廊下の電球は、組合の責任で替える

共用廊下や階段の電球が切れたとき、「自分で替えてよいか」「費用は誰が出すか」で迷う区分所有者は少なくありません。分譲マンションでは、専有と共用の境界、管理費の使途、管理委託契約の業務範囲を分けて読む必要があります。

  • 責任。共用廊下の照明は共用部分です。区分所有法第18条では共用部分の管理は集会の決議が原則で、標準管理規約(単棟型)第21条では敷地及び共用部分等の管理は管理組合の責任と負担です。
  • 費用。交換に要する費用は、区分所有者が納める管理費から支出します。管理会社の自腹ではありません。
  • 実務。誰が手を動かすかは、結んでいる管理委託契約書の別表(管理員業務)で決まります。
  • 玄関灯。住戸玄関まわりの照明は専有寄りに扱われる例が多く、廊下灯と混同しないことが大切です。最終判断は各マンションの管理規約と別表です。
共用廊下の電球は、組合の責任で替える

この記事は2026年10月時点の説明です。※本記事は株式会社MIJによる情報提供であり、自社サービスの紹介を含みます。

共用と専有を、条文と規約で分ける

電球の話の前に、廊下と住戸のどちら側の設備かを確定します。ここを誤ると、費用負担と交換の担当がすべてずれます。

共用と専有を、条文と規約で分ける
  • 共用部分。区分所有法第2条第4項の共用部分に、廊下、階段、エントランスなどの共用照明が属します。管理は第18条に従い、集会の決議で決めるのが原則です。ただし書の保存行為は各共有者ができますが、標準管理規約第21条第3項では、原則として理事長の承認なく区分所有者が共用部分の保存行為を行うことはできません。
  • 組合の責任。標準管理規約第21条第1項は、敷地及び共用部分等の管理について、管理組合がその責任と負担において行うと定めます。共用廊下の電球切れは、この日常の維持管理に含まれます。
  • 専有部分。同法第2条第3項の専有部分(居室など)の設備は、各区分所有者の責任です。標準管理規約第7条では、玄関扉は錠及び内部塗装部分を専有部分とする例が示されています。
  • 玄関灯。住戸玄関前の小型照明は、専用使用部分や専有側の設備として扱われる例が多いです。管理費から支出できるかは、規約の別表(専有・共用の範囲)と使用細則を確認してください。廊下灯と同じ扱いだと決めつけないことが重要です。

規約の文言が標準管理規約と異なるマンションもあります。議論の前に、いま有効な管理規約と別表を机に置いてください。

費用は管理費から。委託費ではない

共用廊下の管球交換の原資は、毎月の管理費です。管理会社へ払う管理委託費と混同しないようにします。

費用は管理費から。委託費ではない
  • 管理費の使途。標準管理規約第27条は、管理費を通常の管理に要する経費に充当すると定め、共用設備の保守維持費及び運転費、備品費、経常的な補修費などを列挙します。共用廊下の管球類は、この通常管理の範囲で処理するのが一般的です。
  • 管理会社負担ではない。管理会社は、組合から委託を受けて実務を代行します。電球代を会社が無償で負担する建付けではありません。請求や出金の記録は、組合の会計に残ります。
  • 金額の相場は書かない。管球の単価、LED化の工事費、高所作業の外注費は物件と仕様で大きく異なります。未確認の円額や全国一律の相場は使いません。見積もりと予算書で確認してください。
  • 修繕積立金との違い。第28条の修繕積立金は、計画修繕や特別の管理に充てる積立です。日常の管球交換を積立金から崩すのは、通常は想定されていません。

理事会では、「切れた管球の交換」と「共用部のLED一斉更新」を分けて議題にすると議論が整理されます。後者は仕様変更や費用規模により、総会の議案になることがあります。

誰が手を動かすかは、委託契約の別表

組合に責任があることと、管理員が交換することとは別問題です。実務の範囲は、結んでいる管理委託契約書で決まります。

  • 標準の別表。マンション標準管理委託契約書では、管理員の点検業務として「照明の点灯及び消灯並びに管球類等の点検、交換(高所等危険箇所は除く)」が例示されています。勤務日・勤務時間内の対応が前提です。
  • 高所・危険箇所。吹き抜け、階段上部、外部高所などは別表で除外されていることが多いです。その場合は外注手配となり、費用と承認の手続を理事会で決めます。
  • 契約が優先。モデル契約と、いま結んでいる契約書の別表が違うことがあります。常駐か巡回か、在庫管球の費用負担、LED化後の交換可否も条項次第です。未記入の「一式」表記があれば、範囲を文章で確認します。
  • 発見時の手順。居住者が切れを見つけたときは、管理事務室または管理会社の連絡先へ報告するのが正規の流れです。善意の自己交換は、転落、器具の不適合、保証や保険の問題を招き得ます。

管理員業務に含まれない箇所は、理事長経由で見積もりを取り、予算の範囲か総会決議が要るかを判断します。個人の裁量で共用部をいじらないことが安全です。

玄関灯と、独断交換を避ける理由

廊下灯と玄関灯を同じルールで扱うと、管理費の不正支出や近隣トラブルの原因になります。独断交換も避けます。

  • 玄関灯は規約確認。住戸玄関まわりの照明は、専用使用や専有側の扱いになる例が多く、原則として各区分所有者の負担で交換します。管理費からの支出は、規約上共用と明記されていない限り避けます。
  • 安全。脚立作業や高所は転落リスクがあります。別表でも危険箇所は除外されています。
  • 仕様。LED化後はワット数、色温度、調光、器具形状が揃っていないと不点灯や器具故障の原因になります。共用部は統一仕様が前提です。
  • 責任の所在。火災や漏電が起きたとき、誰が取り付けたかが不明だと、組合・会社・居住者の間で争いになります。報告と記録が残る手順を優先します。

不明点は、管理規約の別表、使用細則、管理委託契約書の別表の三つを並べ、理事長またはフロント担当へ文書で照会するのが確実です。

理事会で先にそろえる四つの書類

電球切れの苦情が続いたとき、感情で「すぐに替えろ」と指示する前に、机の上に置く書類は次の三つです。これで責任・費用・実務の担当が一度に決まります。

  • 管理規約と別表。共用廊下照明が共用部分であること、玄関灯やポーチ灯の帰属、専用使用の有無を別表で確認します。標準管理規約第7条・第8条の整理がそのまま入っている物件もあれば、分譲時の図面注記で例外がある物件もあります。
  • 管理委託契約書の別表第1(管理員業務)。管球類の点検・交換が管理員業務に入っているか、高所除外の文言、勤務日以外の対応、在庫管球の費用負担を読みます。モデルどおりでも、巡回管理で週2日しか来ない物件では「発見から交換まで数日空く」ことがあります。
  • 今年度の予算書と出納帳。消耗品費または共用設備の保守維持費の枠が残っているかを見ます。枠内なら理事会の執行、枠を大きく超えるLED一斉更新なら総会議案へ回す、という切り分けができます。
  • 連絡の記録。居住者からの報告、管理会社への指示、交換完了の報告をメールまたは業務日報に残します。同じ廊下が何度も切れる場合は、器具劣化や電圧の問題として設備管理の点検につなげます。

書類がそろわないまま口頭だけで進めると、「玄関灯まで管理費で替えた」「高所なのに管理員に無理をさせた」といった後からの指摘につながります。短い案件ほど、根拠を先に置く方が早いです。

LED化と一斉更新を分ける

「切れた一本を替える」話と、「廊下全体をLED器具に替える」話は、議題として分けます。後者は費用と仕様の決定が伴います。

  • 一本交換。既設器具に適合する管球・ランプの交換で、委託契約の管理員業務の範囲に入るなら、報告→交換→費用を管理費から執行、が基本です。
  • 器具ごと更新。天井埋め込み器具の交換、センサー付への変更、色温度の統一などは、工事と材料の見積もりが要ります。高所作業車や電気工事業者が入る場合、管理員の別表外です。
  • 合意形成。金額が予算の予備費で足りるか、それとも総会で事業計画に載せるかを理事会で判断します。決議の定数は、標準管理規約第47条(別段がなければ区分所有法第39条)の普通決議が原則です。
  • 仕様の統一。明るさや色が住戸ごとに違うと苦情の原因になります。共用部は統一仕様を決め、在庫と発注単位を管理会社と共有します。

補助金や助成金の額は自治体・年度で変わるため、本記事では円額を示しません。工事を伴う更新を検討する場合は、その時点の自治体要綱と、組合の長期修繕計画の位置づけを別途確認してください。

居住者が取ってよい行動、取ってはいけない行動

善意の行動が、かえって組合のリスクになることがあります。現場では次の線引きが実務的です。

  • よい行動。切れやちらつきを見つけたら、場所(何階のどの灯)を写真付きで管理室または管理会社へ連絡する。暗い場所があることを理事会の議題に上げる。玄関灯など自分側の設備なら、規約を確認したうえで自己負担で交換する。
  • 避ける行動。共用廊下の器具を脚立で自行交換する。色や明るさの違うランプを試しに付ける。高所のカバーを外す。管理費会計に無断で私物の領収書を回す。
  • グレーに見えるが確認が要る行動。「昔から住人が替えていた」という慣習。慣習があっても、現行規約と委託契約が優先します。事故が起きたときの説明責任は組合に残ります。
  • 記録。同じ場所が短期間に何度も切れる場合は、単なる消耗ではなく器具や配線の劣化を疑います。管理員の目視点検と、必要なら設備管理の点検につなげてください。

区分所有者は建物の共有者ですが、共用部分を自由に工事する権限までは持っていません。報告と決議(または契約に基づく執行)のルートを守ることが、結果としていちばん早く明るさを戻します。

よくある質問

Q. 共用廊下が暗いので、自分でLEDに替えてよいですか。
A. 原則として避けてください。標準管理規約第21条第3項では、承認なく区分所有者が共用部分の保存行為を行うことはできません。管理会社へ連絡し、委託契約の範囲で対応してもらうか、範囲外なら理事会で手配します。

Q. 玄関灯の電気代や電球代は管理費から出せますか。
A. 玄関灯が専有寄りまたは専用使用として扱われる場合、管理費からの支出は原則できません。規約の別表を確認してください。

Q. 管理員が来ない日に切れたらどうしますか。
A. 緊急連絡先へ報告します。高所でなければ翌勤務日の交換、危険箇所なら外注の手配、という流れが一般的です。契約書の別表と勤務形態を確認してください。夜間の防犯上どうしても必要な場合は、理事長が管理会社へ臨時対応を依頼し、費用の扱いを事後に理事会へ報告します。

Q. 管理会社が「在庫がない」と言った場合は。
A. 発注と納品の日程を文書で確認し、それまでの応急(近隣の明るさ確保、注意掲示)を決めます。常に在庫を置く義務が契約にあるかは別表と特約次第です。繰り返し欠品するなら、消耗品の発注ルールを理事会で決め直します。

Q. LED一斉交換の費用は総会が必要ですか。
A. 金額と工事の内容によります。日常の管球交換と、共用部全体の器具更新は別物です。予算の範囲を超える場合や仕様変更を伴う場合は、総会の議案として整理します。定数は規約第47条(別段がなければ区分所有法第39条)を確認してください。

まとめ

  • 共用廊下の電球は、区分所有法第18条・標準管理規約第21条に基づき管理組合の責任です。
  • 費用は管理費(規約第27条の通常管理)から支出し、管理会社の負担ではありません。
  • 交換の実務範囲は、管理委託契約書の別表(管球類の点検・交換、高所除外)で確認します。
  • 玄関灯は専有寄りに扱われる例が多く、廊下灯と分けて規約を読みます。
  • 居住者の独断交換は安全・仕様・責任の面で避け、管理室へ報告します。

免責事項本記事は2026年10月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。専有と共用の境界、管理費の使途、管理員の業務範囲は、各マンションの管理規約、使用細則、管理委託契約書で確認してください。円額の相場は物件ごとに異なるため記載していません。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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