マンション大規模修繕の周期と決議|ガイドラインの目安と総会の確認点

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大規模修繕で先に置くのは、1戸あたりの万円ではありません。長期修繕計画の記載例の周期と、その工事が「管理」か「著しい変更」かです。私的な金額相場では判断しません。確認するのは見積書です。

  • 12〜15年。長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)の記載例で、外壁塗装・屋上防水など大規模修繕の目安です。義務ではありません。
  • 計画期間。30年以上で、大規模修繕を2回以上含みます。見直しの作業上の置き方は5年程度です。
  • 普通決議。形状または効用の著しい変更を伴わない修繕は、区分所有法第18条の管理と、第39条の普通決議です。
  • 特別決議。著しい変更は第17条です。区分所有者及び議決権の各4分の3、規約で区分所有者の定数のみ過半数まで減らせます。

この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

大規模修繕の周期目安と決議の分け方

目次

長期修繕の周期|ガイドラインの記載例は目安

ガイドラインの周期は、建物ごとの調査の代わりではありません。令和3年度の調査では、12〜15年周期が約7割でした。屋上の寿命そのものではありません。

  • 外壁塗装・屋上防水など大規模修繕。12〜15年目安です。
  • 鉄部塗装。5〜7年です。6〜8年という数字は、このガイドラインの記載例ではありません。
  • 屋内共用給水管。更生19〜23年、取替30〜40年です。
  • 排水管。更生19〜23年、取替30〜40年です。
  • 受水槽。補修取替12〜16年です。給水ポンプは補修5〜8年、取替14〜18年です。
  • 専有部分の配管取替。28〜32年で、共用と同時に限ると置いています。ガス管も28〜32年です。

見直しは5年程度です。劣化が早ければ、その年に計画を直します。作成費用の国の単価はありません。段階増額積立の目安は、初期額を均等額の0.6倍以上、最終額を1.1倍以内です。円/㎡のベンチマークは使いません。

令和5年度マンション総合調査の修繕積立金(駐車場等を除く)は1戸月額13,054円、含む13,378円です。区分経理は90.1%です。13,054円を、工事費の不足の証拠には使いません。

大規模修繕周期はガイドライン記載例

決議は、管理と著しい変更で分ける

大規模修繕決議の管理と著しい変更

外壁塗装や同じ経路の防水のやり替えは、多くの場合、形状または効用の著しい変更ではありません。バルコニーの一体化や、用途を変える改良は、第17条の検討に入ります。

  • 第18条。共用部分の管理に関する事項は集会の決議です。保存行為は各共有者ができます。規約で別段を定められます。第6項は、共用部分の損害保険契約を管理とみなします。
  • 第39条。規約に別段がなければ、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数です。書面または代理人は出席扱いです。
  • 第17条。共用部分の形状または効用の著しい変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3です。規約で、区分所有者の定数のみ過半数まで減らせます。議決権の4分の3は、この減額の対象ではありません。区分所有者および議決権の各過半数の出席を満たしたうえで、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上です。規約で定足数を引き上げることはできる。4分の3を下げることはできない。
  • 標準管理規約第47条。第1項と第2項が普通決議です。第3項は規約変更と共用部分の著しい変更などで、組合員総数と議決権総数の各4分の3、出席は各過半数です。第4項は瑕疵除去、バリアフリー等で各3分の2です。

標準管理規約第48条第10号は、第28条の特別の管理を総会の決議事項にしています。第6号の管理費等の額、第17号の管理委託契約の締結とは、議案を分けます。招集は第35条で少なくとも1週間前、規約第43条で2週間前です。再生等は2か月前です。第37条は通知した事項のみ決議が原則です。

同じ経路の配管取替は、第17条の著しい変更ではない、と区分所有法の説明で置かれています。新規に経路を変え、効用を変える工事は、第17条の検討です。

積立金の取崩しと、見積もりの比べ方

大規模修繕の取崩しと見積の比べ方

工事費の私的な1戸あたり相場は使いません。見るのは、取崩しの事由と、同じ仕様の見積もりです。

  • 第28条第1項。計画修繕、不測の修繕、改良・変更、再生等の調査、積立金の管理運用、その他特別に必要な管理の6事由に限って取り崩せます。第3項は借入の償還、第4項は管理費との区分経理です。
  • 2〜3社。同じ仕様(数量、工法、仮設、保証)で依頼します。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増えます。実務上の傾向であり、公的な統計ではありません。
  • 一式は空欄。内訳の無い欄は空欄のまま比べます。金額が無い行を0円として合計しません。任意の提案は合計の外です。
  • 管理会社の変更。工事の見積もりと、管理委託の解約は別の契約です。管理会社から契約の終了を打診されたときは、いまの管理委託契約書の予告期間(モデルは少なくとも三月前の書面)と、規約の決議条項を見ます。

第21条第1項は、共用部分の管理を管理組合の責任と負担にしています。専有部分の配管でも、一体工事として組合が行うときは第21条第2項の総会決議です。枝管が共用に変わるわけではありません。費用は各戸の実費が原則です。記載が無い見積もりの合計を、組合の工事費としては承認しません。

配管は更生と取替、枝管は別表第2

大規模修繕の配管区分と議案文

管内を補修する工事と、管を取り替える工事は、周期も議案の書き方も違います。混同して「更新」の一行にしないでください。

  • 更生。管内の補修です。取替(更新)とは別の工法です。適用できるかは、管の状態の調査です。
  • 別表第2。給水管は本管から各住戸のメーターまでが共用です。メーターより先はこの別表では共用ではありません。雑排水管・汚水管は配管継手と立て管が共用で、枝管はこの別表では共用ではありません。
  • 一体工事。専有の枝管を同じ工事に含めるときは、第21条第2項の決議と、各戸実費の記載が要ります。
  • 長寿命化促進税制。令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了し、外壁塗装等と床防水と屋根防水を行い、築20年以上・10戸以上などの要件を満たすとき、翌年度の建物固定資産税のみ6分の1から2分の1(参酌3分の1、東京23区は2分の1)です。100㎡上限、都市計画税は減額なし、完了後3か月以内に申告します。
  • 補助。大規模修繕への全国共通の円はありません。東京都マンション改良工事助成は、工事の例として名前だけ出せます。千代田区や港区の率や上限は、当該区の要領で確認します。年度要綱が優先します。

融資は、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資があります。管理計画認定で年0.2%の引下げ(すまい・る債0.2%、耐震・浸水・省エネ0.2%、下限0.1%)です。節約額は、証券と見積もりの差額で確認します。認定は、管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に申請し、5年ごとに更新します。第48条第16号の総会決議です。

調査のあとに、議案の文を書く

周期の年が来たことだけでは、着工の決議には足りません。調査の結果と、工事の範囲と、取崩しの額を、通知に載せます。

  • 調査。外壁、屋上、鉄部、給排水の状態を、計画の見直しの材料にします。作成費用の国の単価はないので、調査の見積もりも同じ仕様で2〜3社です。
  • 保険。工事中の事故と、組合の共用部分の損害保険は別の証券です。支払われるかは約款です。
  • 立入り。専有部分へ入る必要があるときは、標準管理規約第23条の請求です。正当な理由なく拒否できません。災害や事故で緊急のときは、第4項で理事長が立ち入れます。
  • 履歴。第32条第六号は、修繕等の履歴情報の整理及び管理を組合の業務にしています。完了図は次の計画の出発点です。

第9条は、建物の設置または保存の瑕疵で他人に損害が出たとき、その瑕疵は共用部分にあるものと推定します。推定を、工事費の見積もりの宛名には使いません。瑕疵の除去で第47条第4項の各3分の2が要るかは、工事の性質と規約です。

仮設、居住者への説明、借入

工事本体の金額が揃っても、足場、搬入、居住者の協力が仕様から落ちている見積もりは、着工のあとに追加が出ます。比較の表に、仮設費の項目を先に置きます。

  • 仮設。足場、養生、現場事務所、搬入経路です。一式にまとめず、期間と範囲を書かせます。バルコニーの専用使用(第14条)に触れる作業は、第23条の立入りと、承認の条件に載せます。
  • 居住者への説明。総会の議案とは別に、工事期間、騒音、水の停止、駐車場の制限を文書で配ります。第37条の決議事項ではありませんが、着工後の苦情の多くは、この文書の欠落です。
  • 借入。第28条第3項は、借入の償還に積立金を充てる定めです。住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資は、管理計画認定で年0.2%の引下げがあります。利子補給の率や年数の私的な数字は使いません。
  • 設計と施工。設計監理と施工を同じ会社に一括するか、分けるかは組合の方針です。分けるときは、監理の見積もりと施工の見積もりを別の項目にします。

第6条第2項は、保存または改良のため必要な範囲で、他の専有部分の使用や保存の実施を請求できます。損害があれば償金です。外壁調査で室内側から確認するときも、請求であり、承諾のない実力での入室ではありません。第23条第5項は、立ち入った人に速やかな原状回復を求めています。開ける前と閉じたあとの写真を、理事長または指定を受けた者が残します。

標準管理規約第24条は、共用部分の損害保険を組合が締結することを区分所有者が承認すると置いています。第24条の2は、保険金の請求と受領を理事長が代理します。工事中の事故を組合の保険で必ず払えるとは限りません。約款で確認します。証券の約款と、施工者の賠償保険を別々に開きます。

よくある質問

Q. 築12年になったら、必ず大規模修繕をしますか。
A. 12〜15年は記載例です。令和3年度調査でその周期が約7割でした。実施は、調査の結果と総会の決議です。

Q. 1戸100万円が相場と聞きました。
A. 記事の一般論ではなく、自組合の規約と見積書で確認します。同じ仕様の見積もりと、第28条の取崩しの事由で見ます。

Q. 外壁塗装は特別決議ですか。
A. 形状または効用の著しい変更でなければ、第18条と第39条の普通決議です。著しい変更に当たる改良は第17条です。

Q. 4分の3は規約で下げられますか。
A. 第17条では、区分所有者の定数のみ過半数まで減らせます。議決権の4分の3は、この減額の対象ではありません。

Q. 専有の枝管も組合の工事に含められますか。
A. 第21条第2項の総会決議と、各戸実費の記載があるときです。枝管が共用に変わるわけではありません。

Q. 千代田区の助成はいくらですか。
A. 金額と率は、当該年度の要領で確認します。対象と上限は、その年度の要綱です。

Q. 管理会社が辞めたら、大規模修繕は止めますか。
A. 工事請負と管理委託は別の契約です。管理会社の予告期間を確認したうえで、設計者や施工者との窓口を誰が持つかを理事会で決めます。

Q. 段階増額の0.6倍と1.1倍は、工事費の上限ですか。
A. 修繕積立金の積み方の目安です。工事費の上限ではありません。均等額との比で見ます。

Q. 総会の当日に数量を変えた見積もりを出してよいですか。
A. 第37条は通知した事項のみ決議が原則です。数量と工法が通知と違う見積もりは、再通知を検討します。

まとめ

  • 大規模修繕の周期はガイドラインの記載例で12〜15年です。計画は30年以上、見直しは5年程度です。
  • 鉄部は5〜7年、給排水の更生は19〜23年、取替は30〜40年です。6〜8年や20〜30年の更新一括にはしません。
  • 著しくない修繕は第18条と普通決議、著しい変更は第17条です。定数のみ過半数まで減らせます。
  • 取崩しは第28条の6事由です。1戸あたりの万円相場は使いません。見積もりは同じ仕様で2〜3社です。
  • 全国共通の補助の円はありません。長寿命化税制は建物固定資産税のみで、都市計画税は減額なしです。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。周期、決議の定数、取崩しの事由はその管理規約、長期修繕計画、見積もりで確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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