小規模マンションの管理費が高い理由|総合調査の読み方と見積もりの3ステップ

小規模マンションの管理費が高い理由とは?適正化の3ステップと最新統計【2026年版】

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

目次

高いのは管理費の統計、比べるのは委託費の仕様

戸数が少ないマンションで「管理費が高い」と感じるとき、先に分けるのは二つの科目です。区分所有者が組合へ払う管理費と、組合が管理会社へ払う管理委託費です。令和5年度マンション総合調査(令和6年6月21日公表)の戸数規模別の数字は、管理費です。委託費の相場ではありません。

  • 含む管理費。駐車場使用料等を含む1戸月額は、全国17,103円、20戸以下22,131円、21〜30戸19,538円、31〜50戸17,147円です。単棟は17,214円、団地は14,925円です。
  • 含まない管理費。全国11,503円(単棟11,580円、団地10,394円)です。規模別の比較は、駐車場使用料等を含む額を使います。
  • 要約しない。30戸以下を50戸以上の約1.5倍とは書きません。東京だけの平均も置きません。
  • 3ステップ。四つの業務で仕様を揃える、同じ仕様で2〜3社へ出す、総会の普通決議で契約を決める、です。金額が必ず下がる保証ではありません。
小規模マンションの管理費統計と委託費の違い

この記事は2026年9月時点の説明です。使う規約と、いまの会計報告が先です。2026年の新しい管理費の統計はありません。※本記事は株式会社MIJによる情報提供であり、自社サービスの紹介を含みます。

管理費の使途と、積立金は別の科目

標準管理規約第25条第2項は、管理費と修繕積立金を共有持分で負担すると定めています。第27条の管理費の使途には、共用部分の光熱費、損害保険料、管理委託費などが入ります。自治会費は含みません。

管理費の使途と修繕積立金の区分経理
  • 管理費。日常の管理に使う科目です。委託費はその一部です。管理費全体を、委託費の高さの証拠にはしません。
  • 修繕積立金。第28条第1項は、計画修繕、不測の修繕、改良・変更、再生等の調査、積立金の管理運用、その他特別に必要な管理に限り取り崩せます。第4項で管理費と区分経理します。総合調査の区分経理は90.1%です。
  • 積立金の額。駐車場等を除く修繕積立金は13,054円(単棟13,041円、団地12,923円)、含むと13,378円です。管理費の高さを、積立金の不足の証拠には使いません。
  • 第26条。特定承継人へも請求できます。未収が残ると、残った戸数の負担感は厚く見えます。督促の範囲は、委託の事務管理の行です。

第27条の11項目は、管理員人件費、公租公課、共用設備の保守維持費及び運転費、備品費・通信費その他の事務費、火災・地震等の損害保険料、経常的な補修費、清掃費・消毒費・ごみ処理費、委託業務費、専門的知識を有する者の活用に要する費用、管理組合の運営に要する費用、その他第32条の業務に要する費用(第28条の経費を除く)です。委託業務費は第8号の一行です。保険料や光熱に当たる行を、委託費の高さへ足し込みません。

投資用の収益代行(PM)は、分譲の管理組合の会計とは目的が違います。管理費の話に、PMの利回りの言葉を持ち込まないほうが混乱しません。

戸数が減っても、固定の行は残る

標準管理委託契約書(令和5年9月11日改定)は、事務管理、管理員、清掃、建物設備管理の四つです。エレベーターと消防設備の点検は、戸数が20でも法令の頻度は同じです。1戸あたりの管理費が厚く見える理由の一つは、この固定の行です。

小規模でも残る固定費の四つの業務
  • 事務管理。会計、出納、修繕の企画または実施の調整(適正化法の基幹事務)、理事会・総会の支援です。基幹事務の一括再委託は第74条で禁止です。
  • 管理員と清掃。時間と回数を削れば金額は下がります。減った仕様を理事会が把握しているかが先です。
  • 建物設備管理。法定点検の頻度は法令、それ以外は仕様です。清掃、消防設備点検、エレベーター点検は基幹事務そのものではありません。
  • 人件費の下限。東京都の最低賃金は、2026年9月時点で有効な額が1,226円(2025年10月3日発効)です。管理員や清掃の下限の一例です。委託費の相場ではありません。

口座は三つの型です。収納後に組合保管口座へ移す、積立金は組合口座へ直接入れ管理費は収納口座、組合名義の一口座です。管理会社が通帳と印鑑を両方持たない形にします。保証には上限があります。第76条は、修繕積立金などの財産を自己の財産や他の組合の財産と分別します。型が違う見積もりを、合計だけで並べません。変更のときに口座の型を変えるなら、総会資料の説明に同じ型を書きます。

長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)は、計画期間を30年以上、大規模修繕を2回以上含み、見直しは5年程度としています。作成費用の国の単価はありません。段階増額の目安は、初期額が均等額の0.6倍以上、最終額が1.1倍以内です。円/㎡のベンチマークは置きません。管理費の見直しと、積立金の見直しは、総会の議案を分けます。

見積もりの3ステップ

管理費を「適正化する」作業の中身は、委託費の仕様を揃えて比べることです。統計の平均へ必ず近づく、という手順ではありません。

管理費見直しの見積もり3ステップ
  • ステップ1 仕様。いまの契約書と業務報告書から、四つの業務の回数、時間、再委託先を書き出します。「一式」の行は空欄のまま根拠を聞きます。0円とは書きません。任意提案は合計の外です。
  • ステップ2 社数。同じ仕様で2〜3社です。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増えます。実務上の傾向であり、統計ではありません。現地確認の回数の目安は置きません。
  • ステップ3 資料。直近の収支決算、事業報告、長期修繕計画、点検記録、未収金の明細を、同じセットで渡します。資料が無い見積もりは、仮定の行が増えます。

契約の締結は、標準管理規約第48条第17号の総会決議事項です。区分所有法第39条第1項は、規約に別段がなければ、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数です。標準管理規約第47条は、第1項で議決権総数の過半数の出席、第2項で出席組合員の議決権の過半数です。書面・代理は出席扱いです。解約は、いまの契約書が優先です。標準管理委託契約書のモデルは、少なくとも三月前の書面です。

新しい業者との契約は、適正化法第72条第1項です。説明会を開き、説明会の1週間前までに重要事項と日時場所の書面を、区分所有者等と管理者等の全員へ交付します。管理業務主任者が説明し、主任者証を提示し、書面に記名します。同一条件の更新は第2項の書面交付で足ります。第73条は、成立後に管理者等へ書面を交付します。

統計の行を取り違えない

含む額と含まない額、管理費と委託費、認定と会社の順位を混ぜると、総会資料がずれます。

総合調査の管理費を委託費と取り違えない
  • 含むと含まない。駐車場使用料等を含む17,103円と、含まない11,503円は、同じ表の別の行です。規模別の22,131円(20戸以下)は含む額です。
  • 委託費ではない。総合調査の管理費を、見積もりの上限や下限には使いません。
  • 認定。管理計画認定は、適正化推進計画を持つ都道府県等の長への申請で、5年ごとに更新します。第48条第16号の総会決議事項です。管理適正評価(マンション管理業協会)とは別です。どちらも管理会社の順位表ではありません。
  • 手続支援の例。新宿区の管理計画認定の手続支援は、認定の手続の例です。管理費の値下げや、管理会社変更の全国共通の補助ではありません。年度の要綱が優先です。

管理会社から更新を断られたときは、いまの契約書の予告期間と、規約の総会の条項を先に見ます。建替え決議の各5分の4(区分所有法第62条)は使いません。変更費用が戻る全国共通の補助金はありません。

第77条は、管理者がいるとき、定期に管理業務主任者が管理事務を報告します。小規模でも、報告の周期を契約書で確認します。標準管理規約第41条第1項は、監事が業務の執行と財産の状況を監査し、総会に報告します。管理費の内訳と、委託費の比較表は、監事の監査の材料にも残します。

第43条は、総会の通知を2週間前としています。区分所有法第35条は少なくとも1週間前で、規約で伸長できます。第37条は、通知した事項のみ決議できます。管理費等の額は、第48条第6号の総会決議事項です。委託先を変える議案と、管理費の額を変える議案は、通知の行を分けます。

引継ぎでは、規約、議事録、帳簿、鍵、口座、保険証券を一覧にし、管理費の残高と修繕積立金の残高を、旧会社の最終報告と新会社の開始残高で突合します。差額を口頭だけで閉じません。標準管理規約第49条の議事録は、紙なら議長と、議長が指名した出席組合員2人が署名します。区分所有法第42条は、紙のときは議長と出席した区分所有者2人です。

保険料の参考純率は、損害保険料率算出機構が2023年6月21日に届け出た住宅総合保険の全国平均+13.0%です。参考純率は保険料そのものではありません。水災は市区町村で5区分です。高台だから水災を外す、とは書きません。小規模だから保険料が安い、という全国の円もありません。第27条第五号の行は、証券の写しで確認します。

よくある質問

Q. 20戸以下の22,131円より高ければ、高いと言えますか。
A. その数字は、駐車場使用料等を含む管理費の平均です。自組合の管理費が含むか、駐車場の充当があるかで、比べる行が変わります。委託費の適否は、四つの業務の仕様です。

Q. 管理費を下げれば積立金の不足は解消しますか。
A. 解消を確約する数字はありません。管理費と積立金は区分経理です。委託費を削った額を、自動で積立金へ移す条項もありません。移すなら第48条第6号の総会です。

Q. 見積もりは5社に出せば安くなりますか。
A. 20〜40戸程度では、社数を増やすと辞退が増える傾向があります。仕様を揃えた2〜3社が目安です。

Q. 理事会だけで委託費を変えられますか。
A. 管理委託契約の締結は第48条第17号、管理費等の額は第6号です。どちらも総会の決議事項です。規約に別段があるときは、その定めです。

Q. コンサルタントへ頼めば必ず下がりますか。
A. 下がる円はありません。頼む範囲の契約です。見積もり作成料の有無は、各社への確認です。

Q. 管理会社が撤退すると言っています。定数は建替えと同じですか。
A. 同じではありません。建替え決議は区分所有法第62条の各5分の4です。新しい委託契約の締結は普通決議です。いまの契約書の予告期間を先に見ます。

まとめ

  • 総合調査の22,131円(20戸以下)と19,538円(21〜30戸)は、駐車場等を含む管理費です。委託費の相場ではありません。
  • 管理費の使途は第27条、積立金の取崩しは第28条です。区分経理は90.1%です。
  • エレベーターや消防の点検は、戸数が少なくても残ります。
  • 見直しは、仕様、2〜3社、資料の3ステップです。金額が必ず下がる保証はありません。
  • 契約の締結は普通決議です。新しい契約には第72条と第73条が付きます。
  • 認定と新宿区の手続支援は、管理費値下げの全国共通の補助ではありません。
  • 第27条第八号の委託業務費と、第五号の保険料、第三号の設備の運転費は、別の行です。合計だけを委託費の高さの証拠にしません。
  • 解約は、いまの契約書の予告期間が優先です。モデルは少なくとも三月前の書面です。

規模別の残りの含む管理費は、51〜75戸17,044円、76〜100戸15,500円、101〜150戸15,665円、151〜200戸13,932円、201〜300戸15,315円、301〜500戸14,680円、501以上21,513円です。501以上が再び厚くなる行があるため、戸数が少ないほど高い、と一直線には読みません。自組合の戸数の行と、含むか含まないかを、総会資料の注に書きます。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。管理費の額、委託費の内訳、決議の定数はその管理規約、会計報告、契約書、見積もりで確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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