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大規模修繕の費用を、1戸あたりの全国相場だけで決めません。確認するのは自棟の見積もりです。長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)の記載例と、標準管理規約第28条の取崩し、総会の定数を先に見ます。金額は、自組合の計画と、同じ仕様の見積もりです。
- 周期。外壁塗装・屋上防水などの大規模修繕は、記載例で12年から15年です。義務ではありません。令和3年度調査で12年から15年周期が約7割、という数字は、屋上の寿命ではありません。
- 計画。30年以上で、大規模修繕を2回以上含みます。見直しは5年程度です。作成費用の国の単価はありません。
- 取崩し。計画的な修繕は第28条第1項第1号です。管理費とは区分して経理します。
- 総会。取崩しは第48条第10号です。形状または効用の著しい変更でなければ、第47条第2項の普通決議です。
- 見積もり。同じ仕様で2社から3社です。1戸あたりの金額は、見積書で確認します。
屋上防水の民間単価や、円毎平方メートルのベンチマークは、本記事には持ち込みません。建設工事費のデフレーターの率は、公表資料で確認します。見直しの年に、見積もりで行を直します。行が空欄のまま、残高の円だけで足りる足りないとは判断しません。この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

大規模修繕の資金|ガイドライン記載例は周期の目安
長期修繕計画の記載例は、材質と工法が違う棟へ、そのまま年数を当てるものではありません。行が空欄の計画は、先に行を足してから工事の承認へ進みます。
- 外壁塗装・屋上防水など大規模修繕。12年から15年。
- 鉄部塗装。5年から7年。
- 屋内共用給水管。更生19年から23年、取替30年から40年。
- 排水管。更生19年から23年、取替30年から40年。
- 受水槽。補修取替12年から16年。給水ポンプは補修5年から8年、取替14年から18年。
- 専有部分配管取替。28年から32年(共用と同時に限る)。ガス管も28年から32年。
段階増額を使っている組合は、初期額が均等額の0.6倍以上、最終額が1.1倍以内か、計画の表で確認します。均等積立でも、5年程度の見直しで必要額が増える前提があります。増額は第48条第6号の総会です。計画に書いてあるだけでは、月額は変わりません。
鉄部だけを先に塗る年と、外壁と屋上を同じ足場で行う年は、計画上は別項目です。足場の金額を、外壁の項目へ足した合計を、外壁塗装費とは呼びません。同時にやる理由は、足場の日を重ねるためです。周期が一つになるためではありません。
給水管の更生と取替は、外壁の大規模修繕と同じ議案に混ぜません。ガイドラインの記載例でも行が別です。更生か取替か、メーターまでか枝管を含むかを、見積もりの項目に書きます。
修繕積立金の全国平均(駐車場等を除く)は、令和5年度マンション総合調査で1戸月額13,054円です。単棟13,041円、団地12,923円です。含むと13,378円です。この平均を、大規模修繕の1戸あたり工事費だとは使いません。区分経理は90.1パーセントです。

取崩しは第28条、借入れは第63条

- 第1号。一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕。外壁と屋上の本工事は、ここです。
- 第2号。不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕。漏水の応急は、こちらの候補です。本工事と混ぜて承認しません。
- 第3号。敷地および共用部分等の改良または変更。
- 第4号から第6号。再生等の調査、積立金の管理運用、その他特別に必要な管理。
- 第3項。第1項の経費に充てるための借入れの償還は、積立金から出せます。
- 第4項。管理費とは区分して経理します。管理費の経常補修から、本工事の全部を出す建付けではありません。
借入れは第63条です。第28条第1項の業務を行うため必要な範囲です。総会は第48条第10号です。住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資は、管理計画認定で年0.2パーセントの引下げがあります。すまい・る債0.2パーセント、耐震・浸水・省エネ0.2パーセント、下限0.1パーセントです。節約額は、証券と見積もりの差額で確認します。
一時金を予定する計画もあります。ガイドラインの記載例では、大規模修繕の予定年度に残高が工事費を下回るとき、その年度に一時金または借入れ等の対応が必要、と書いています。一時金の額も第48条第6号です。一時金の金額は、総会資料の見積もりで確認します。
大規模修繕の総会|定数と通知事項

- 第48条第10号。第28条第1項の特別の管理の実施と、それに充てる資金の借入れおよび修繕積立金の取崩し。
- 第48条第5号。長期修繕計画の作成または変更。工事の承認の前に、計画の項目が空欄なら、こちらの議案が先です。
- 普通決議。第47条第1項は議決権総数の過半数の出席、第2項は出席組合員の議決権の過半数です。区分所有法第18条の共用部分の管理、第39条の普通決議です。同じ経路の配管取替や、保険の更新は、第17条の著しい変更ではありません。
- 特別決議。共用部分の形状または効用の著しい変更は、第47条第3項の各4分の3です。区分所有法第17条は、区分所有者および議決権の各過半数の出席を満たしたうえで、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上です。規約で定足数を引き上げることはできる。4分の3を下げることはできない。外壁の色を大きく変える、形状を変える工法は、図面で分けます。
- 通知。第43条は少なくとも2週間前(再生等は2か月前)。区分所有法第35条は少なくとも1週間前(規約で伸長のみ)。第37条は、通知した事項についてのみ決議できます。金額欄が空欄の議案は、通知した事項として未完成です。
第21条第1項は、共用部分の管理を組合の責任と負担とします。第2項は、専有部分である設備のうち共用と構造上一体となった部分を、共用の管理と一体で行う必要があるとき、総会決議で組合が行えます。枝管が共用に変わるわけではありません。費用は各戸実費が原則です。一体工事にするかは、議案に書きます。
大規模修繕の見積もり項目と税制
- 分ける行。足場、外壁、屋上防水、床防水、シーリング、鉄部、その他。一式は空欄のままです。
- 社数。同じ仕様で2社から3社です。20戸から40戸程度では、同時に多く出すと辞退が増える傾向があります。統計ではありません。現地調査の回数は、各社の見積条件で確認します。
- 長寿命化促進税制。令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了し、外壁塗装等と床防水と屋根防水があり、築20年以上、10戸以上のとき、翌年度の建物の固定資産税のみ6分の1から2分の1(参酌3分の1、東京23区は2分の1)です。100平方メートル上限。都市計画税は減額なし。完了後3か月以内に申告します。節約額は、証券と見積もりの差額で確認します。
- 東京都マンション改良工事助成。工事の例として名前だけ挙げます。金額は見積書で確認します。申請者は管理組合です。年度の要綱が優先します。
損害保険料率算出機構の参考純率(2023年6月)は、住宅総合保険で全国平均プラス13.0パーセント、水災を市区町村で5区分です。参考純率は保険料そのものではありません。工事の見積もりへ、保険料の値上げを足した合計を、大規模修繕費だとは呼びません。
管理計画認定は、管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に申請します。認定は5年ごとに更新します。工事の業者を評価する順位表ではありません。第48条第16号の申請と、第10号の工事は、別の議案です。
理事会が今期確認する資金計画の項目

- 計画の期間。30年以上か。大規模修繕が2回入っているか。次の見直しの年。
- 残高と工事の年。積立金会計の残高と、記載例の12〜15年の周期が、同じ表にあるか。
- 区分経理。管理費から本工事を出していないか。90.1パーセントが区分経理しています。
- 規約の定数。著しい変更になる工法か。第47条第2項か第3項か。
- 見積もりの期限。総会通知の日まで有効か。
工事中の専有部分への立入りは、第23条の請求です。緊急のときは第4項で理事長が立ち入れます。本工事を、緊急の立入りだけで進める条項にはなっていません。第5項の原状回復の記録を、写真で残します。
第6条第2項は、保存または改良のため、他の専有部分の使用や保存の実施を請求できる、と定めています。実力で入る権利ではありません。損害があれば償金です。足場をバルコニーに置く範囲は、この請求と第23条の書面に住戸ごと書きます。国内に住所の無い区分所有者は、第6条の2の国内管理人です。標準管理規約第31条の3は、その届出の規約条文です。法律の条文として第31条の3を引きません。
第9条は、設置または保存の瑕疵で他人に損害が生じたとき、瑕疵は共用部分にあると推定します。外壁の剥落が隣地を傷めたときの話です。推定があるから工事費の円が決まる、という条文ではありません。
総会資料に付ける見積もりの4項目
通知に付ける見積もりは、次の四つが分かれているものを使います。一つにまとめた一式は、第37条の議案の要領として足りません。
- 対象。外壁、屋上、床防水、鉄部、シーリングのどれを今回やるか。
- 工法。塗装か、防水の種別か。色と形状を変えるか。
- 金額。足場とその他を分けた行。有効期限。
- 財源。第28条第1号の取崩しか、第63条の借入れか、一時金か。各戸実費の有無。
設計監理を別の会社に出すときは、工事の見積もりと監理の見積もりを分けます。同じ会社の一式に混ぜた数字は、監理の独立性の確認ができません。監理の報酬は、見積書で確認します。
工事のあと、長期修繕計画の実施した年と工法を直します。実施した年だけを消して、次の周期を空欄のままにしません。使った材質を、理事長が第64条の履歴として保管します。材質の記録が無いと、次の見直しで年数を選べません。第32条第五号の設計図書と、第六号の修繕等の履歴情報も、同じ保管の対象です。
よくある質問
Q. 1戸あたりの費用相場はいくらですか。
A. 本記事では、1戸あたりの円相場を使いません。金額は、自組合の長期修繕計画と、行に分けた見積もりです。
Q. 12年から15年で必ず工事しますか。
A. ガイドラインの記載例です。義務ではありません。令和3年度調査で12年から15年周期が約7割、という数字は、屋上の寿命ではありません。
Q. 積立金が足りないときは。
A. 第48条第6号の額の変更、第63条の借入れ、一時金は、いずれも総会です。不足額の全国平均ではなく、自組合の計画と会計で確認します。
Q. 専有の枝管も、積立金で直せますか。
A. 別表第2の標準では、メーターより先は共用ではありません。一体で行うときは第21条第2項と、各戸の実費の記載です。
Q. 建替えの決議と同じ定数ですか。
A. 建替えは区分所有法第62条で、全区分所有者(議決権を有しない者を除く)及び議決権の各5分の4です。大規模修繕の本工事に、この定数を使いません。
Q. 工事費の物価上昇を、何パーセント見込めばよいですか。
A. デフレーターの率も見込むパーセントも、公表資料と計画で確認します。見直しのたびに、見積もりで行を直します。
まとめ
- 1戸あたりの金額は、見積書で確認します。金額は自組合の計画と見積もりです。
- 記載例の大規模修繕は12年から15年です。計画は30年以上で、見直しは5年程度です。
- 取崩しは第28条第1項第1号、総会は第48条第10号です。
- 著しい変更でなければ普通決議、著しい変更なら各4分の3以上です。
- 見積もりは同じ仕様で2社から3社です。税制や融資の円の節約額は、本記事では置きません。
免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の工事の助言ではありません。周期、取崩し、定数、見積もりは、その管理規約、長期修繕計画、見積もりで確認してください。
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

