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管理会社を外しても、管理組合は残る
東京都内の20戸から40戸程度で、委託費の値上げや受託の辞退をきっかけに自主管理を検討する組合があります。自主管理は、管理会社との委託契約を終え、組合が事務と発注を自分で回す状態です。区分所有法第3条の団体は、会社を外しても残ります。区分所有者2人以上で当然に存在し、合意だけでは解散できません。
- 残る仕事。会計、総会、法定点検、設備の発注、保険、名簿です。会社が担っていた四業務(事務管理、管理員、清掃、建物・設備管理)の手配先が、組合へ戻ります。
- 法人化。管理組合法人の設立は区分所有法第47条の別手続です。自主管理の条件ではありません。法人の名簿は第48条の2です。非法人の名簿は標準管理規約第31条の2です。
- 補助金。自主管理へ移る全国共通の補助金はありません。年度と自治体の要綱が先です。
- 小規模。戸数が少ないこと自体は、委託を終える決議の特別の定数にはなりません。
この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は株式会社MIJによる情報提供であり、自社サービスの紹介を含みます。
いまの契約を終える
標準管理委託契約書(令和5年9月11日改定)のモデルは、少なくとも三月前の書面による申入れです。条番号は書きません。結んでいる契約書が先です。短い通知は争いになり得ます。当然無効とは書きません。
- 総会。標準管理規約第48条第17号は、管理委託契約の締結を決議事項とします。解約も同じ号の対象として扱います。普通決議は第47条です。規約に別段が無いときは区分所有法第39条です。
- 招集。規約第43条は2週間前です。区分所有法第35条は少なくとも1週間前で、規約は伸長できます。第37条は通知した事項のみ決議できます。
- 四業務の引継ぎ。鍵、通帳の名義、印鑑の保管、点検の契約、管理員の雇用、を一覧にします。管理会社が通帳と印鑑を両方持っていたときは、組合の保管へ移す日を議事録に残します。
- 保証。分別管理の保証には上限があります。解約の日までに、保証の対象期間を契約書で確認します。
新しい業者と結ぶときだけ、適正化法第72条の重要事項説明が要ります。自主管理のまま業者を入れないときは、第72条の説明会は開きません。会計や点検を別会社へ部分的に出すときは、その契約が管理受託に当たるかを、書面の業務範囲で見ます。基幹事務の一括再委託は第74条で禁じられています。自主管理の組合が、事務の全部を一つの会社へ再び預けるときは、委託へ戻る決議です。
東京の届出と、認定は別
東京都のマンション管理状況届出は、昭和58年12月31日以前に新築され、居住用の独立部分が6以上あるマンションの管理組合が届け出ます。管理会社の評価表ではありません。届出の名義は組合です。自主管理へ移ったあとで、届出の窓口と担当を理事会の名簿に残します。
- 管理計画認定。管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に申請します。認定は5年ごとに更新します。条番号は書きません。自主管理でも申請できます。管理会社の順位ではありません。
- 新宿区。認定の手続支援の例として名前だけ出します。移行そのものの補助金ではありません。
- 融資。住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資は、認定で年0.2%の引下げがあります。自主管理への移行祝い金ではありません。
- 最賃。管理員や清掃を組合が直接雇うときは、2026年9月時点の東京都最低賃金1,226円が時給の下限です。
区分所有法第25条は、管理者の選任と解任を集会の決議とします。規約で別段を置けます。第34条は、管理者が少なくとも毎年1回集会を招集します。自主管理でも、この招集は残ります。理事長は、標準管理規約第38条第2項で区分所有法の管理者です。役員は第35条第2項で組合員から選任します。
会計と分別は、会社を外したあとも残る
標準管理規約第25条は管理費と修繕積立金、第2項は共有持分で負担です。第27条は管理費の使途、第28条は積立金の取崩し、第4項は管理費との区分経理です。令和5年度調査で区分経理は90.1%です。自主管理でも、同じ区分は残します。
- 口座。収納後に組合保管口座へ移す、積立金は組合口座へ直接、組合名義の一口座、の三つの型を、解約前の口座から選び直します。
- 印鑑。通帳と印鑑を同じ理事が持たないことが原則です。適正化法第76条と施行規則第87条は、業者の分別管理です。自主管理でも、同じ考え方で保管を分けます。
- 報告。第77条は、管理者がいるとき業者が定期に管理事務を報告する規定です。自主管理では、理事長が総会へ会計を報告します。規約の監事(第41条)が業務と財産を監査します。
- 保険。規約第24条は共用部分の損害保険を組合が結ぶことを区分所有者が承認します。第24条の2は請求と受領を理事長が代理します。区分所有法第18条第6項は、共用部分の損害保険契約を管理とみなします。
長期修繕計画は30年以上で、大規模修繕を2回以上含みます。見直しは5年程度です。作成費用の国の単価はありません。計画の作成を外部へ出すことと、管理委託を再開することは別契約です。
部分的に会社を残すとき
会計だけ、清掃だけ、設備点検だけを外部へ出す組合があります。見積もりは四業務のどの行を出すかを仕様に書きます。一式は空欄です。同じ仕様で2〜3社です。20戸から40戸程度で5社、6社へ同時に出すと辞退が増える傾向があります。現地の回数を約束する数字は書きません。
- 第72条。新規の管理受託契約は説明会、1週間前までの書面、主任者証、主任者の記名です。同一条件の更新は書面交付で足りることがあります。
- 第73条。成立後の書面は管理者等へ渡します。業者が管理者、または管理者がいないときは区分所有者全員へです。
- 第75条。業者は帳簿を備えます。組合側は、受け取った報告書の保管場所を議事録に残します。
- 第74条。基幹事務の一括再委託は禁じられています。清掃、消防、エレベーター点検は、基幹事務そのものではありません。
管理費の全国平均17,103円(駐車場等を含む)は、委託費の目安ではありません。自主管理へ移ったあとの1戸あたりの負担は、管理員の時間、清掃の回数、点検の契約で変わります。公式の削減率はありません。
総会のあと、最初の一年で残す記録
解約の総会が終わっても、三月前の書面の到達、鍵の返却、口座の名義変更、点検契約の承継が残ります。区分所有法第42条は、紙の議事録に議長と出席した区分所有者2人が署名します。規約第49条は、議長と議長が指名した出席組合員2人です。解約の議案の議事録は、次の業者や銀行が開く最初の書類です。
- 招集の記録。規約第43条の2週間前に出した通知、届出住所、国内管理人、掲示の写真を残します。第36条の全員同意で手続を省略したときは、同意の書面を残します。
- 出納。管理費と積立金の残高、未収、保証の対象期間を、解約日の前後で一覧にします。第26条の特定承継人への請求は、自主管理でも残ります。
- 設備。エレベーター、消防、受水槽の契約名義を、組合へ移す日を書きます。法定点検の対象かは、建築基準法の特定建築物かどうかで分かれます。該当しない建物へ、第12条の定期報告を一般論としては書きません。
- 保険。証券の契約者と、事故時の連絡先を、理事長の名前へ直します。参考純率の改定(住宅総合保険の全国平均プラス13.0%、2023年6月21日届出)は保険料そのものではありません。水災の5区分を、高台だから外す根拠にはしません。
標準管理規約第35条第2項は、役員を組合員から選任します。外部の専門家を理事に入れる定めが規約に無いとき、自主管理の事務をその人へ丸投げする肩書は、理事長代行や外部管理者とは別です。この記事では、外部管理者の制度名を使いません。事務の委任は、総会の資料に業務の範囲と報酬の行を書きます。
区分所有法第34条は、管理者が少なくとも毎年1回集会を招集します。自主管理の初年度に、この招集を飛ばす条項はありません。第25条の管理者の選任・解任は集会の決議です。理事長が辞めたときは、規約第35条と第36条の任期、次の選任を先に見ます。監事は、法人では区分所有法第50条で必置、理事と兼任できません。非法人の標準管理規約でも第41条の監事が監査します。
長期修繕計画は30年以上で大規模修繕を2回以上含みます。見直しは5年程度です。外壁や屋上防水の記載例は12〜15年、鉄部塗装は5〜7年です。義務ではありません。計画の作成を設計事務所へ出すことと、管理委託を再開することは、別の契約です。同じ仕様で2〜3社です。
所在等不明者を決議から除く第38条の2の裁判と、第46条の2の所有者不明専有部分管理命令は、自主管理へ移るための近道ではありません。返事が無い区分所有者には、名簿、登記、国内管理人の届出を当たった記録を残します。
よくある質問
Q. 自主管理にすると組合を解散できますか。
A. 区分所有法第3条の団体は、会社を外しても残ります。合意だけでは解散できません。
Q. 解約予告は何日前ですか。
A. モデルは少なくとも三月前の書面です。結んでいる契約書が先です。
Q. 東京の全マンションが届出の対象ですか。
A. 昭和58年12月31日以前新築で、居住用の独立部分が6以上の管理組合です。
Q. 移行の公式補助金はありますか。
A. 全国共通の額はありません。認定の手続支援は、移行祝い金ではありません。
Q. 会計だけ外部に出せば、第72条は不要ですか。
A. その契約が管理受託に当たるかは、書面の業務範囲です。当たるときは第72条の説明が要ります。清掃や点検だけの請負は、基幹事務そのものではありません。
解約の申入れは、到達の日を記録します。書面の宛名は、契約書の相手方の欄です。メールだけの到着を、三月前の書面の代わりにはしません。契約書が電磁的方法を認めているときだけ、その方法を使います。到達の前に、次の総会の招集通知を出すと、予告期間の計算が議案の説明と食い違うことがあります。三月前の到達と、第43条の2週間前の通知を、カレンダーに別の行で書きます。
自主管理の初年度は、管理員の欠員、清掃の曜日、点検の月を、理事会の年間予定に落とします。予定が空欄のまま、委託費が減ったことだけを総会の成果にはしません。四業務のどの行を組合が担い、どの行を外部へ出したかを、決算の注記に残します。注記がある決算は、次の理事への引継ぎの最初の紙です。
銀行の口座名義を組合へ移すときは、総会議事録、規約、理事長の本人確認を求められます。法人化していない組合は、権利能力なき社団としての扱いです。口座が開けないときは、管理会社を外す日程を延ばす判断もあります。日程を延ばすことも、第48条第17号の議案です。三月前の書面の到達日を、口座の開設日より前に置かないよう、カレンダーを組みます。印鑑カードと通帳は、理事長と会計担当で分けて保管します。同じ人が両方を持ったまま、解約日を迎えません。到達証明書の写しを、口座の届出書類と一緒に綴じます。
まとめ
- 自主管理は委託を終えることであり、管理組合の消滅ではありません。
- 解約のモデルは少なくとも三月前の書面です。総会は規約第48条第17号と第47条です。
- 東京の届出対象は、昭和58年12月31日以前新築で居住用独立部分6以上です。
- 会計の区分経理と、通帳と印鑑の分離は残します。
- 再び管理受託を結ぶときは適正化法第72条です。移行の全国共通補助金はありません。
免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。自主管理への移行は、その管理規約、契約書、見積もりで確認してください。
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

