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マンション管理組合は解散できるのか?成立条件と手続きの法的ルール(2026年最新版)
マンション管理の負担軽減や自主管理への移行、あるいは建物の老朽化に伴い「管理組合を解散したい」と考えるケースがあります。しかし、分譲マンションにおいて管理組合を解消するには、法令に基づく極めて厳格な条件を満たさなければなりません。
本稿では、宅地建物取引士・管理業務主任者の視点から、区分所有法に基づく管理組合の解散条件と実務上の留意点を解説します。 ※本解説は法令に基づく一般論であり、個別の案件については弁護士やマンション管理士等の専門家へ相談してください。
マンション管理組合の解散に関する法的ルール
原則として「管理組合」は任意に解散できない
結論から述べると、建物が存在し、区分所有関係が継続している限り、話合いや「管理をやめたい」という理由だけで区分所有法第3条に基づく団体(管理組合)を解消することはできません。
- 法的根拠: 区分所有法第3条は、区分所有者が存する限り当然に団体(管理組合)が構成されると定めています。
- 実務上の注意: 埼玉県住宅供給公社の解説(2022年時点)等でも示されている通り、建物が存続する限り管理組合を解散する集会決議は無効と解されます。任意団体の解散を行っても、区分所有者としての管理義務や管理費の負担義務が消滅することはありません。
管理組合法人の「解散事由」と決議要件
法人格を持つ「管理組合法人」の場合、その解散事由は区分所有法第55条第1項により以下の3点に限定されています。
- 建物の全部の滅失
- 建物に専有部分がなくなったこと(一括売却など)
- 集会の決議
解散決議の要件と注意点
「3. 集会の決議」によって解散する場合、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による特別決議が必要です(区分所有法第55条第2項)。
- 重要: この定数は、区分所有法第39条第2項の「規約による別段の定め」が許容される範囲外であり、規約によって要件を緩和することはできません。
- 清算手続き: 法人は解散後も直ちに消滅せず、債務弁済等の清算目的の範囲内で存続するとみなされます(区分所有法第55条の4)。清算手続きは主たる事務所所在地を管轄する地方裁判所の監督下に置かれます(区分所有法第56条の2)。
実質的な「出口」となるケース
事実上、管理組合が消滅するのは、建物そのものを解体・建替え・売却する場合です。
- 建替え決議: 区分所有法第62条第1項に基づき、区分所有者および議決権の各5分の4以上(特定要件下では4分の3)の賛成が必要です。
- 建替組合の解散: マンションの再生等の円滑化に関する法律第38条に基づき、総会議決に加え、債権者の同意と都道府県知事等の認可が必要となります。
- 残余財産の帰属: 管理組合が消滅する際の残余財産は、規約に別段の定めがない限り、共用部分の共有持分割合に応じて各区分所有者に帰属します(標準管理規約(単棟型)第65条、区分所有法第56条)。
実務上の留意点とQ&A
管理会社変更(リプレイス)時の実務的留意点
「解散」と混同されやすいのが「管理会社の解約」です。適正な管理を維持するためには、解散ではなく管理体制の見直しが現実的です。ただし、見積もり取得には以下のリスクを伴います。
- 多社見積もりのリスク: 20戸〜40戸程度の小規模マンションで5〜6社以上の見積もりを依頼すると、管理会社側の調査コスト(現地調査や外注先調整)に見合わず、辞退されるケースがあります。実務上は2〜3社程度に絞るのが、管理会社が参加しやすい目安です。
- 見積もり形式: 「一式」という大まかな項目は避け、清掃・点検・会計など項目ごとに明示された見積もりを求めることが、適正な比較に繋がります。
- 補助金活用: マンション管理計画認定制度等の推進に伴い、自治体による補助金制度が存在しますが、2026年時点でも年度や地域(例:東京都千代田区など)により内容が変動します。最新情報を確認し、申請代行に積極的な会社へ相談することが推奨されます。
事業撤退を検討する管理事業者向け支援
人手不足やコスト増により、マンション管理事業からの撤退を検討する企業も存在します。その際の解決策として、事業者の撤退を支援するサービスも存在します。これらのサービスは「撤退時の住民トラブル回避」や「既存業者の業務継続」、さらには「撤退に伴う当面の人件費補助」など、事業者が直面する切実な課題をサポートするもので、円滑な事業承継を検討する際の選択肢となり得ます。
マンション管理に関するQ&A
Q:建物の配管更新において、SRCT工法と一般的な配管更新はどちらが安価ですか? A:工事の条件にもよりますが、SRCT工法の方が一般的な配管更新より安価になることがあります。理由は、壁や床を壊さずに配管内部を再生・補強するため、内装の復旧費用や仮設工事費が大幅に抑制されるからです。ただし、既存配管の劣化状況により適用可否が分かれるため、実地調査が不可欠です。
Q:管理組合を「自主管理」に変えるのは解散にあたりますか? A:いいえ。管理会社の契約解除はあくまで「管理体制の変更」であり、区分所有法上の「管理組合の解散」とは全く別個の手続きです。自主管理移行後も、区分所有法に基づく集会や管理義務は継続します。
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

