管理会社変更のタイミングと手続き|契約書・総会・引継ぎの確認点

管理会社変更のタイミングは?2026年最新法令に基づく手続きと5つの注意点

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目次

解約は契約書、新契約は総会、空白を作らない

管理会社を変えるときに、先に決めるのは「いつ総会を開くか」ではありません。いまの契約がいつ終わるか、新しい契約をいつ結ぶか、そのあいだに会計と点検が途切れないか、の三つです。

  • 解約。標準管理委託契約書のモデルは、少なくとも三月前の書面による申入れです。優先するのは、結んでいる契約書の条項です。
  • 新契約。標準管理規約第48条第17号で、組合管理部分に関する管理委託契約の締結は総会の決議事項です。普通決議が原則です。
  • 説明。新しい業者との契約には、マンション管理適正化法第72条の重要事項説明が入ります。
  • 引継ぎ。口座、帳票、鍵、設備の点検記録が途切れないよう、予告期間から逆算します。
管理会社変更は契約書・総会・説明会・引継ぎの順

この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は株式会社MIJによる情報提供であり、自社サービスの紹介を含みます。

先に開く三つの書類

変更の話を業者へ出す前に、組合の机の上に置くのは次の三つです。見積もりの依頼文より先です。

管理会社変更の前に開く契約書・規約・会計年度
  • いまの管理委託契約書。解約の申入れ期間、書面の宛先、違約金の有無、更新の定めを読みます。モデルは三月前ですが、六月前と書いてある契約もあります。短い通知は争いになり得るので、条項を先に確認します。
  • 管理規約。標準管理規約第47条第1項と第2項は、議決権総数の過半数の出席と、出席組合員の議決権の過半数です。第48条第17号に管理委託契約の締結があります。規約で定数を上げていれば、その定めです。
  • 会計年度と通常総会の日程。区分所有法第34条は、管理者が少なくとも毎年1回集会を招集すると定めています。年度の切り替わりに合わせて新契約を始めると、決算と事務報告が途切れにくいです。臨時総会でも法律上は決議できます。
  • 名簿。第72条の書面は、区分所有者等と管理者等へ届けます。標準管理規約第31条の2の区分所有者名簿と、国内管理人の届出(第31条の3)を揃えておきます。

総会の招集通知は、区分所有法第35条では少なくとも1週間前、標準管理規約第43条では2週間前です。規約で伸ばすことはできます。通知した事項のみ決議できるのが第37条の原則で、法律が特別の定数を定める事項は除きます。管理委託契約の締結は、通知に議案として載せます。

決議は普通決議が原則

管理会社の変更は、建替えや規約変更ではありません。区分所有法第62条の5分の4は使いません。

管理委託契約の締結は普通決議が原則
  • 区分所有法第39条。規約に別段の定めがなければ、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決します。書面または代理人による議決権行使は、第2項で出席として扱います。
  • 標準管理規約第47条。第1項で議決権総数の過半数の出席、第2項で出席組合員の議決権の過半数です。第7項で書面・代理・電磁的方法は出席扱いです。
  • 第48条第17号。組合管理部分に関する管理委託契約の締結が、総会の決議事項です。解約と新契約を同じ総会に載せるときは、議案を分けて書きます。
  • 規約の別段。自組合の規約が特別決議にしているときは、その定数です。標準管理規約のままなら普通決議です。

管理者の選任・解任は区分所有法第25条で、集会の決議(規約で別段)です。標準管理規約第38条第2項では、理事長が区分所有法の管理者です。管理会社を変えても、理事長が管理者であることは、そのままです。管理会社は委託先であり、管理者そのものではありません。

第72条と第73条を日程に入れる

新しい業者との契約は、総会の決議だけでは足りません。適正化法の説明と書面が、日程に入ります。

新しい管理委託契約の第72条説明会と第73条の書面
  • 第72条。新規の管理受託契約では、管理業者が説明会を開きます。説明会の1週間前までに、重要事項と日時場所を書いた書面を、区分所有者等と管理者等の全員へ交付します。管理業務主任者が主任者証を提示して説明し、書面には主任者が記名します。
  • 同一条件の更新。第72条第2項では、従前と同一条件の更新は区分所有者等全員への書面交付で足ります。管理者等が置かれているときは、第3項で管理者等に対して主任者が書面を交付して説明します。業者を変える契約は、更新ではありません。
  • 第73条。契約が成立したあと、管理事務の内容と実施方法(第76条の財産管理の方法を含む)、費用と支払時期、再委託の定め、契約期間、更新と解除の定めなどを書いた書面を、遅滞なく管理者等へ交付します。管理者がいないとき、または業者自身が管理者のときは、区分所有者全員へ交付します。
  • 第77条。管理者がいる組合では、管理業者は定期に、管理業務主任者をして管理事務の報告をさせます。引継ぎのあとも、この報告は続きます。

説明会の日程は、総会の招集通知より前に置くと、区分所有者が議案を読む材料が揃います。総会の当日に初めて重要事項説明書を配る形は、第72条の1週間前の交付に合いません。

見積もりは同じ仕様で2〜3社

委託費の相場を円で示す全国の統計はありません。令和5年度マンション総合調査の管理費(駐車場使用料等を含む1戸月額17,103円)は、区分所有者が組合に払う額です。管理会社へ払う委託費の相場ではありません。

管理委託費は四つの業務に分け同じ仕様で2〜3社
  • 四つの業務。標準管理委託契約書の業務は、事務管理、管理員、清掃、建物設備管理です。見積書もこの四つで金額を分けてもらいます。
  • 同じ仕様。管理員の勤務日と時間、清掃の回数、設備点検の範囲、会計報告の頻度を揃えます。仕様が違う金額は、比べられません。
  • 2〜3社。同じ仕様で依頼します。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増えます。これは実務上の傾向であり、公的な統計ではありません。
  • 一式は空欄。内訳の無い行は空欄のまま比べます。0円とは書きません。任意の提案は合計の外に置きます。
  • 口座の型。第76条の分別管理は、収納後に組合保管口座へ移す型、積立金は組合口座へ直接・管理費は収納口座の型、組合名義の一口座の型があります。管理会社が通帳と印鑑を両方持たない、という点を重要事項説明書で確認します。保証には上限があります。

管理計画認定制度と、マンション管理業協会の管理適正評価は、管理会社の順位表ではありません。認定は、管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に申請し、5年ごとに更新します。見積もりの採点表に、認定の有無だけを点数として足す使い方はしません。

引継ぎで渡すものと、途切れさせない業務

解約の申入れと新契約の開始日のあいだに、管理事務が空白になると、収納、支払、法定点検の記録が途切れます。渡すものの一覧を、理事会の議事に残します。

  • 会計。管理費会計と修繕積立金会計の残高、未納者の一覧、帳票、通帳と印鑑の所在です。標準管理規約第28条第4項の区分経理は、引継ぎのあとも続けます。令和5年度マンション総合調査では、区分経理をしている組合は90.1%でした。
  • 契約と点検。エレベーター、消防用設備、清掃などの再委託先との契約、直近の点検記録、鍵と合鍵の本数です。第74条は基幹事務の一括再委託を禁じています。清掃、消防、エレベーター点検は基幹事務そのものではないので、専門業者への再委託はこの禁止の対象ではありません。
  • 総会と理事会の資料。直近の総会議事録、現年度の予算、長期修繕計画の写しです。議事録の署名は、区分所有法第42条では議長と出席した区分所有者2人、標準管理規約第49条では議長と議長が指名した出席組合員2人です。
  • 保険。区分所有法第18条第6項は、共用部分の損害保険契約を管理とみなします。証券の名義と満期を、引継ぎの表に載せます。

管理会社から契約の終了を打診されたときも、見る順は同じです。いまの契約書の予告期間、規約の決議条項、次の業者の第72条の日程です。管理会社変更そのものへの全国共通の補助金はありません。

日程は、予告期間から逆に置く

変更の話が理事会に上がった月から、新しい契約の開始日までを、カレンダーに書き出します。期間の目安を全国の統計として示す数字はありません。足りるかを決めるのは、契約書の予告期間と、総会と説明会の間隔です。

  • 予告の起算。申入れの書面を相手が受け取った日から数えます。発信日だけで足りるかは、結んでいる契約書の書き方です。配達の記録が残る方法で送ります。
  • 総会の前。標準管理規約第43条の2週間前通知に加え、第72条の説明会と、その1週間前の書面交付が入ります。説明会のあと、区分所有者が議案を読む日数も空けます。
  • 開始日。会計年度の初日に合わせると、旧業者の決算資料と新業者の月次報告がつながりやすいです。月の途中で切り替えるときは、収納口座の入金と、未払の委託費の精算日を契約書に書きます。
  • 再委託先。エレベーターや消防の点検契約が管理会社名義のとき、新業者への承継か、組合名義への切り替えかを、開始日までに決めます。点検の空白は、法定点検の記録が途切れる原因になります。

通常総会の議案に載せるときは、予算案と管理委託契約の議案を並べます。委託費が変われば、標準管理規約第48条第6号の管理費等の額にも影響します。委託費の増減と、区分所有者が払う管理費の増減は別の行です。委託費を下げても、管理費をすぐ下げられるとは限りません。修繕積立金との区分経理を崩さない範囲で、予算の科目を直します。

理事会で業者を絞る作業と、総会で契約を決める作業は分けます。理事会が聞いた説明会は、第72条の説明会の代わりにはなりません。第72条は、区分所有者等と管理者等への書面と説明です。監事は、標準管理規約第41条で業務の執行と財産の状況を監査します。候補の比較表と、いまの契約の解約条項を、総会資料に残すと監査の跡も追えます。

第75条は、管理業者が委託を受けた管理事務について帳簿を作成し保存する義務です。引継ぎのときに、どの帳簿をいつ渡すかを書面で決めます。データだけが旧業者のシステムに残る形は避けます。

よくある質問

Q. 臨時総会でも管理会社を変えられますか。
A. 変えられます。区分所有法は通常総会に限っていません。招集通知の期間と、第72条の説明会、いまの契約の予告期間が足りるかで日程を組みます。

Q. 解約は三月前なら必ず足りますか。
A. モデルはその文言です。結んでいる契約書が六月前などと書いていれば、その期間です。条番号は契約書ごとに違うことがあるので、契約書の解約の条を開きます。

Q. 管理費の平均額を、委託費の目安に使えますか。
A. 使えません。17,103円は区分所有者が組合に払う管理費(駐車場使用料等を含む全国平均)です。委託費は四つの業務に分けた見積もりで比べます。

Q. 理事長が管理者のままで、管理会社だけ変えられますか。
A. 変えられます。標準管理規約では理事長が区分所有法の管理者です。管理会社は委託先です。

Q. 理事会の決定だけで契約を結べますか。
A. 標準管理規約第48条第17号では、管理委託契約の締結は総会の決議事項です。理事会は仕様の整理と候補の絞り込みまでで、締結の決議は総会です。

Q. 管理計画認定を取っていると、変更の手続は省略できますか。
A. 省略できません。認定は管理計画の評価であり、第72条の説明と第48条第17号の決議の代わりにはなりません。認定の更新は5年ごとで、管理者等が申請します。

まとめ

  • 解約は、結んでいる契約書の予告期間が優先します。モデルは少なくとも三月前の書面です。
  • 新契約の締結は、標準管理規約第48条第17号の総会決議です。区分所有法第39条と規約第47条の普通決議が原則です。
  • 新しい業者には第72条の説明会と1週間前の書面、成立後は第73条の書面が要ります。
  • 見積もりは四つの業務を同じ仕様で2〜3社。管理費17,103円は委託費の相場ではありません。
  • 口座、帳票、点検記録、保険証券を引継ぎの表に載せ、空白期間を作りません。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。解約の予告期間、決議の定数、説明会の日程はその管理規約、管理委託契約書、見積もりで確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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