マンションの専有部分と共用部分|規約第7条と別表第2の境界

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専有部分と共用部分の線は、感覚の「自分の部屋」では決まりません。区分所有法の定義と、標準管理規約第7条・別表第2の範囲です。自組合の規約が標準と違えば、その規約が先です。

  • 専有部分。区分所有法第2条第3項は、区分所有権の目的たる建物の部分です。標準管理規約第7条第1項は、住戸番号を付した住戸とします。
  • 共用部分。同条第4項は、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない附属物、規約で共用とした附属の建物です。
  • 第7条第2項。天井・床・壁は躯体を除く部分が専有、玄関扉は錠と内部塗装が専有、窓枠と窓ガラスは専有に含まれません。
  • 別表第2。給水管は本管からメーターまでが共用です。枝管は、この別表では共用ではありません。

この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

専有共用の境界は法律と規約を両方開く

目次

専有部分と共用部分|法律の定義と規約で広げる範囲

区分所有法第4条第1項は、数個の専有部分に通ずる廊下または階段室その他、構造上区分所有者の全員または一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならない、と定めています。これが法定の共用部分です。

  • 法定共用。廊下、階段、エレベーター、屋上、外壁、支柱など、構造上共用に供される部分です。
  • 規約共用。第4条第2項は、第1条の建物の部分と附属の建物を、規約により共用部分にできる、と定めています。第三者に対抗するには、その旨の登記が要ります。
  • 標準管理規約第8条。共用部分の範囲は別表第2です。第9条は、敷地及び共用部分等を区分所有者の共有とします。第11条は、分割請求と、専有部分と共有持分の分離処分を禁じます。

宅地建物取引士の重要事項説明は、売買や賃貸の契約の話です。境界の決定権者ではありません。管理受託契約の説明と記名は、管理業務主任者です。マンション管理士は名称独占の資格で、境界を裁定する権限はありません。

法定共用と規約共用の分け方

第7条は、躯体、扉、窓、設備の四つ

規約第7条の躯体扉窓設備

リフォームで触ってよいかは、第7条第2項の4項目で当たります。上塗り説・壁芯説という二つの学説を並べて選ぶ条項ではありません。

  • 第一号。天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とします。コンクリートの躯体は共用側です。クロスやフローリングなどの仕上げは、この定めでは専有です。
  • 第二号。玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とします。扉の外側は、この定めでは専有に入りません。
  • 第三号。窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれません。コメントは、雨戸または網戸があるときはこの号に追加する、と置いています。
  • 第3項。専有部分の専用に供される設備のうち、共用部分内にある部分以外のものは専有部分です。コメントは、専用に供されるかは設備機能に着目して決める、としています。

第10条関係のコメントは、共有持分の割合の基準となる面積を壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分)による、と説明しています。これは持分の面積の話です。第7条の躯体を除く、という境界を壁心に置き換える定めではありません。

コメントは、外観を構成する部分の加工など外観を変える行為を禁止し、主要構造部の構造的変更を禁止する趣旨、とも書いています。区分所有法第6条第1項との関係で、主要構造部に影響を及ぼす行為は区分所有者が実施できない、と第17条関係のコメントも置いています。

専用使用権は、自分だけが使っても共用

専用使用権は使っても共用になりうる

バルコニーや玄関扉を日常的に使うことと、所有の範囲は別です。標準管理規約第14条は、バルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭、屋上テラスに専用使用権を認めています。

  • 第13条。敷地及び共用部分等は、それぞれの通常の用法に従って使います。避難の経路を塞ぐ物置は、用法から外れます。
  • 通常の保存。第21条は、バルコニー等の保存行為のうち通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担で行う、と置いています。掃き掃除や日常の手入れです。大規模修繕の防水は、組合の管理です。
  • 穴あけと取付け。手すりや床への穴、室外機の増設は、共用部分に影響する修繕等です。第17条第1項の申請と、理事会の書面による承認が要ります。
  • 専用使用料。第14条第2項は、一階に面する庭の専用使用料を、別に定めるところにより管理組合へ納入する、と置いています。額は規約と総会です。

窓枠と窓ガラスは第7条第2項第三号で専有に含まれず、第14条で専用使用です。ガラスの割れを誰が直すかは、通常の使用に伴う保存か、組合の修繕かで分かれます。細則があれば、その細則です。

管の境界は、別表第2で行を分ける

室内にある管が、すべて専有ではありません。パイプスペースにある管が、すべて共用でもありません。出発点は別表第2です。

  • 給水管。本管から各住戸のメーターを含む部分が、共用部分の附属物です。メーターより先は、この別表では共用ではありません。
  • 雑排水管と汚水管。配管継手と立て管が共用です。立て管へつなぐまでの枝管は、この別表では共用ではありません。
  • 第21条第1項。共用部分の管理は管理組合の責任と負担です。
  • 第21条第2項。専有部分の配管でも、一体工事として組合が行うときは総会決議です。枝管が共用に変わるわけではありません。費用は各戸の実費が原則です。

漏水のときに、直上の部屋と決めて入る条項はありません。第23条は、管理を行う者が、管理に必要な範囲で立入りまたは保存の実施を請求できる、と定めています。正当な理由なく拒否できません。災害や事故で緊急のときは、第4項で理事長が立ち入れます。第5項は原状回復です。区分所有法第6条第2項も請求であり、実力での入室ではありません。

共用部工事の承認と損害の推定

境界確認後の工事承認と損害

専有の内側でも、共用や他戸に影響する工事は、第17条の申請です。コメントは、床のフローリング、配線の枝線の取付け・取替え、間取りの変更を例に挙げています。

  • 第17条第2項。設計図、仕様書、工程表を付けて理事長へ出します。
  • 第3項。承認か不承認は理事会の決議です。管理会社の口頭了解では足りません。
  • 第6項。工事後に共用または他の専有へ影響が出たときは、発注した区分所有者の責任と負担です。
  • 第7項。承認が要らない修繕等でも、搬入や騒音を組合が把握する必要があるものは、あらかじめ届け出ます。
  • 区分所有法第9条。建物の設置または保存の瑕疵で他人に損害が出たとき、その瑕疵は共用部分にあるものと推定します。調査で専有の枝管が原因と分かれば、この推定は使えません。推定を、調査費の宛名には使いません。

形状または効用の著しい変更は、区分所有法第17条の集会決議です。区分所有者および議決権の各過半数の出席を満たしたうえで、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上です。規約で定足数を引き上げることはできる。4分の3を下げることはできない。第7条の内側の仕上げを替える工事が、直ちにこの特別決議になるわけではありません。外壁の新規貫通や、主要構造部の開口は、第17条と第6条第1項の検討に入ります。

規約そのものを変えて境界を動かすときは、標準管理規約第47条第3項の各4分の3(組合員総数と議決権総数)と、区分所有法第31条(区分所有者および議決権の各過半数の出席を満たしたうえで、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上。規約で定足数を引き上げることはできる。4分の3を下げることはできない)を両方開きます。法律と規約の定数が違うときは、両方を総会資料に載せます。

費用の負担は、持分と使途で見る

境界が決まっても、誰が払うかは別の条です。

  • 第19条(区分所有法)。共用部分の負担は持分(規約で別段)です。
  • 第25条第2項。管理費等の額は、共用部分の共有持分に応じて算出します。
  • 第27条。管理費の使途11項目です。専有の枝管の修理は、この11項目に入っていません。
  • 第28条。修繕積立金の取崩しは6事由に限ります。専有の内装は、計画修繕の項目に無いことが多いです。

管理会社の相見積もり(2〜3社)は、委託契約の話です。専有と共用の境界を決める手続ではありません。この記事では、境界の説明に委託費の社数を使いません。中央区などの工事助成の金額は、当該年度の要領で確認します。対象は年度要綱です。

迷いやすい場所を規約・別表で当てる

廊下の一角、駐車場、パイプスペースの扉は、法定共用か、規約共用か、専用使用かで行が違います。図面の色分けより、規約と別表を先に開きます。

  • パイプスペース。立て管とメーターがある空間は、別表第2の共用の附属物がある場所です。扉の内側に洗濯機があるときは、第7条第3項の専用設備と、共用の管が重なります。工事の申請は、触る対象ごとに分けます。
  • 駐車場と駐輪場。敷地の一部で、規約と使用契約で使うことが多いです。第11条の分離処分の禁止は、住戸と共有持分を切り離す話です。区画の使用契約の解約とは別です。
  • 集会室と管理人室。第4条第2項の規約共用になりやすい部分です。第三者対抗は登記です。登記が無いことを、組合が使えない理由にはしませんが、対抗の話は残ります。
  • 一部共用。特定の住戸だけが使う廊下や階段は、第4条第1項の「一部の共用」です。費用の負担は、規約の別段と第19条(区分所有法)です。

第18条第2項は、共用部分の管理について規約で別段を定められる、と置いています。第7条と別表第2は、その別段の一つです。標準と違う境界を置くときは、規約変更の特別決議です。口頭の慣行では、次の売買の重要事項説明と食い違います。

履歴情報の整理は、標準管理規約第32条第六号の組合の業務です。承認した専有の工事の図面を残すと、次の漏水調査で管の当たりが早くなります。帳票類の保管と閲覧は第64条です。組合員や利害関係人は、理由を付した書面で請求します。閲覧の範囲は規約の定めです。

よくある質問

Q. 室内の壁紙を替えても申請が要りますか。
A. 躯体や他戸に影響しなければ、第17条第1項の対象外であることが多いです。防音の細則がある床材は、申請の対象になります。

Q. 玄関扉の外側の色を、自分で変えてよいですか。
A. 第7条第2項では外側は専有に入りません。第14条の専用使用でも、外観を変える加工はコメントの禁止の趣旨に当たります。細則と第17条を見ます。

Q. 窓ガラスが割れたら、組合が直しますか。
A. 窓枠と窓ガラスは専有に含まれません。通常の使用に伴う保存か、組合の修繕かは、第21条と細則です。

Q. 壁心で専有の広さが決まると、内側のコンクリートも自分のものですか。
A. 壁心は、第10条関係コメントの持分面積の計算です。第7条は躯体を除く部分を専有とします。

Q. 上の階の枝管から水が落ちました。組合の負担ですか。
A. 別表第2では枝管は共用ではありません。第9条の推定は、調査で原因が決まるまでの話です。直上と決めず、管の当たりを先にします。

Q. 宅建士の説明書に書いてあれば、規約より先ですか。
A. 売買の重要事項説明は契約の説明です。管理の境界は、区分所有法と自組合の規約です。

Q. 規約共用にした管理人室は、登記が無いと使えませんか。
A. 組合の内部では規約が効きます。第4条第2項の登記は、第三者への対抗です。

Q. 床のフローリングは、必ず特別決議ですか。
A. 第17条の理事会承認の例です。形状または効用の著しい変更に当たるかは、工法と規約です。直ちに第17条(区分所有法)の4分の3にはなりません。

まとめ

  • 専有部分は区分所有権の目的、共用部分はそれ以外と規約で共用にした部分です。
  • 標準管理規約第7条は、躯体を除く天井・床・壁、玄関扉の錠と内部塗装を専有とし、窓枠と窓ガラスは専有に含みません。
  • バルコニーと玄関扉は専用使用でも共用です。穴あけは第17条の申請です。
  • 給水はメーターまで、排水は継手と立て管が別表第2の共用です。枝管は一体工事でも共用に変わりません。
  • 壁心は持分面積の計算です。第7条の境界を置き換えません。宅建士は境界の決定権者ではありません。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。境界、申請の要否、負担の帰属はその管理規約、別表、使用細則で確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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