マンション給水管の更新|メーターまでの共用と総会

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

給水管の更新に、全国共通の1戸あたり費用はありません。平成28年の事例調査の幅や民間サイトの金額は、自棟の見積もり判定には使いません。確認するのは今回の見積書です。金額は、同じ四行の見積もりです。

  • 更新は、管の取替えです。
  • 更生は、管内を洗浄して被覆する工事です。取替えではありません。
  • 境界は、標準管理規約の別表第2です。自組合の別表が先です。
  • 負担は、共用の管が管理組合、メーターより先の枝管が、原則その区分所有者です。

単棟型標準管理規約は、令和7年10月17日改正です。団地型には令和7年12月10日の一部修正があります。この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

給水管更新費用は見積もりで見る図

目次

給水管の更新|別表第2で共用と専有の境界

  • 給水管は、本管から各住戸のメーターを含む部分が、共用部分の附属物です。メーターより先は、この別表では共用部分に入っていません。
  • 雑排水管と汚水管は、継手と立て管が共用です。給水の行と排水の行を、一つの工事費にまとめません。
  • 室内だからすべて専有、パイプスペースだからすべて共用、とは分けません。

共用部分の管理は、標準管理規約第21条第1項で管理組合の責任と負担です。専有の枝管を組合の工事に含めるときは、第21条第2項の総会決議と、各区分所有者の実費負担の記載が要ります。この条は、枝管を規約共用部分に変える条項ではありません。記載が無い見積もりの合計を、組合の工事費としては承認しません。

給水管の別表境界と更新更生のアイコン図

周期は、ガイドラインの記載例

長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)の記載例では、給水設備の周期がこう置かれています。すべてのマンションがこの年に工事する義務ではありません。

  • 屋内共用給水管の更生は、19年から23年です。
  • 屋内共用給水管と屋外共用給水管の取替は、30年から40年です。
  • 専有部分の給水管・雑排水管・汚水管の取替の記載例は、28年から32年で、共用の給排水管の取替と同時に行う工事に限る、と注があります。
  • 計画の見直しの作業上の置き方は、5年程度です。漏水が続いた年が早ければ、その年です。

亜鉛めっき鋼管の年数を、ステンレス管や樹脂管へそのまま当てません。計画の材質欄を見ます。更生は延命の被覆であり、取替の代わりに二度すれば必ず安い、という計算は置きません。生涯費用の円は、二つの見積もりを同じ範囲で並べたときだけです。

給水管更新を修繕積立金で払える範囲

給水管更新の積立金と総会の要点

  • 共用の給水管の計画的な修繕は、標準管理規約第28条第1号の取崩しです。不測の漏水の修繕は、第2号です。
  • 保険料の値上げや、管理委託費は、第28条の取崩しではありません。給水管の工事費と、委託費を同じ行にしません。
  • 専有の枝管を積立金から出すには、規約と長期修繕計画に、その一体工事と実費の扱いが書いてある必要があります。第21条第2項の決議が無い合計を、積立金の工事だとは承認しません。
  • 区分所有法第9条は、他人に損害が出たときの瑕疵が共用部分にあると推定する条です。損害がまだ無い取替を、第9条だけを根拠に組合の負担とはしません。

負担の割合は、規約に別段の定めが無ければ持分です。標準管理規約第25条第2項は、管理費等を共有持分で負担します。給水管だけを、階で別の割合にするには、規約の定めが要ります。

給水管更新の見積もりで比べる4項目

給水管見積もりの四行と社数

  • 立て管。共用の給水管。経路、材質、更生か取替か。
  • 枝管。メーターより先。戸数が分かる行。一戸の金額を、全国の相場とは呼びません。
  • 復旧。専有部分の壁、床、天井を戻す範囲。露出にするか、隠すかも、この行です。
  • 調査。内視鏡や抜管。調査費を、工事費の一式へ混ぜません。

一式の行は空欄です。金額が無い行をゼロ円として合計しません。同じ四行で2〜3社です。直接工事費、共通仮設、現場管理費という内訳は、四行の中に分けます。内訳の名前だけでは、共用と専有の境界は分かりません。管理会社の委託見積もりで使う社数の話を、工事会社の辞退の統計だとは扱いません。現地確認の回数は、各社の見積条件で確認します。

断水の時間と、水を使える時間は、工程表です。工事の日数や時間帯は、見積書と工程表で確認します。居住者への説明は、その工程表を総会の資料に付けます。

給水管更新を総会で決めるとき

同じ経路の取替や更生を、最初から共用部分の著しい変更だとは扱いません。形状または効用の著しい変更になるときは、標準管理規約第47条第3項です。組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数の出席と、出席組合員およびその議決権の各4分の3以上です。そうでなければ、第47条第1項の出席と、第2項の議決権の過半数です。

  • 規約に定めが無いときの普通決議は、区分所有法第39条です。出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)およびその議決権の各過半数です。
  • 著しい変更の法律は、第17条です。規約が第47条第3項を置いている組合は、その規約です。
  • 標準管理規約第48条の修繕の実施は、総会の決議事項に入ります。給水管の工事を、管理委託契約の締結(第17号)と同じ議案にはしません。
  • 通知は、法律の第35条で少なくとも1週間前、標準管理規約第43条で2週間前です。第37条は、通知した事項以外は決議できません。四行の金額と、更生か取替かを、通知に書きます。

給水管の工事の決議は、管理会社を替える決議ではありません。解約の予告は、結んでいる委託契約の話です。工事の見積もりを、会社変更の費用からは引きません。

全国共通の給水管工事費の助成はありません。自治体の助成は、その年の要綱です。要綱に工事費と書いてあるときだけ、その要綱の範囲です。調査費の助成を、工事費の値引きだとは扱いません。住宅金融支援機構の融資は、給水管の工事費そのものの補助金ではありません。使うときは、その融資のページを見ます。金利や助成の優遇額は、当該制度の要領で確認します。

パイプスペースの点検口が専有部分の中にあるときは、開ける範囲を、標準管理規約第23条の立入りの請求に書きます。被害の住戸の人が、合鍵で隣の部屋へ入る条項ではありません。開けた箇所は、第5項で原状に復します。

給水管・水槽・ポンプは見積もりで分ける

給水管と水槽ポンプを分けたアイコン図

同じガイドラインの記載例で、給水管の隣に水槽とポンプがあります。給水管の見積もりへ、水槽の取替を混ぜません。

  • 受水槽と高置水槽は、補修・取替が12年から16年、取替が26年から30年目、という記載例です。
  • 揚水ポンプ、加圧給水ポンプ、直結増圧ポンプ、弁類は、補修が5年から8年、取替が14年から18年、という記載例です。
  • 直結増圧に変える工事は、水槽をやめる変更です。給水管の同じ経路の取替と、同じ議案にはしません。形状や効用の著しい変更になるかは、図面で見ます。

長期修繕計画は、30年以上、かつ大規模修繕が2回以上入る期間で作ります。見直しは5年程度です。給水管の行が空欄の計画は、先にその行を足してから、工事の承認へ進みます。行が空欄のまま、積立金の残高だけを見て足りる、足りない、とは判断しません。残高の円は、その計画の収支です。修繕積立金の残高は、自組合の会計書類で確認します。

赤水、出水不良、メーターまわりの漏水は、調査のきっかけです。赤水だけで、メーターより先が原因だとは決まりません。立て管か、枝管か、水槽かは、調査の図ができるまで空欄です。図の前に、上の階や特定の戸へ工事費を請求しません。

見積もりを頼むときに渡すのは、別表第2、給水の系統図、長期修繕計画の給水の行、直近の漏水の位置、水槽とポンプを今回含めるかどうかです。系統図が無いときは、調査の行を先に発注します。調査の結果が無い取替の一式は、受理しません。

工事中に専有部分へ入る範囲は、第23条の請求に書きます。緊急で、共用部分または他の専有部分に重大な影響を与えるおそれがあるときは、第4項で理事長が立ち入る、または委任した者に行わせることができます。更新の本工事を、その緊急の立入りだけで進める条項にはなっていません。本工事は総会です。

共用の給水管の元栓を閉めても、専有の枝管の中の水は残ることがあります。どちらを閉めたかを、工程表に分けて書きます。閉めた時刻と、開けた時刻を、理事長の記録に残します。断水のあいだの給水の方法(仮設の有無)も、見積もりの別行です。仮設が空欄なら、含まれていない候補です。金額が無い行をゼロ円として合計しません。

排水管を同じ足場や同じ期間で行うときは、ガイドラインの記載例でも行が別です。屋内共用の雑排水管の更生は19年から23年、雑排水管・汚水管・雨水管の取替は30年から40年です。給水の行へ、排水の金額を足した合計を、給水管の更新費とは呼びません。同時にやる理由は、断水と排水制限の日を重ねるためであり、境界が一つになるためではありません。

総会の通知に書くのは、更生か取替か、対象がメーターまでか枝管を含むか、四行の金額、積立金から出す号、各戸の実費の有無、断水の工程表の有無です。金額の行が空欄の議案は、第37条の通知した事項として未完成です。見積もりの期限が総会の前に切れるときは、同じ四行で延ばします。切れた数字は、通知に使いません。

工事のあと、長期修繕計画の給水の行を、実施した年と工法に合わせて直します。更生をした年を、取替が終わった年だとは扱いません。次の取替の起点は、記載例では更生のあとにも取替が残る置き方です。実施した年だけを消して、次の周期を空欄のままにしません。図面と、使った材質を、理事長が保管します。材質の記録が無いと、次の見直しで年数を選べません。

共用の給水管の工事費を、管理費の経常補修と積立金のどちらから出すかは、金額の大小だけでは決まりません。計画的な取替と更生は、第28条第1号です。漏水の応急の止水は、緊急の保存として管理費から出すことがあります。応急の範囲を、本工事の四行へ混ぜたまま承認しません。応急で開けた範囲の写真は、復旧の前に撮ります。写真が無い復旧は、開けた範囲が後から分かりません。第23条第5項の原状回復の記録にします。記録が無い箇所を、次の見積もりの復旧の行には入れません。口頭の「たぶん元どおり」は、復旧の確認欄の根拠にしません。理事長が写真で残します。

よくある質問

Q. 更生と更新は、どちらが安いですか。
A. 安い方は、同じ範囲の見積もりです。ガイドラインの記載例は、更生が19年から23年、共用の取替が30年から40年です。二度の更生が一度の取替より高い、という全国の計算は置きません。

Q. メーターより先も、積立金で直せますか。
A. 別表第2の標準では、メーターより先は共用部分に入っていません。一体で行うときは、第21条第2項の決議と、各戸の実費の記載です。記載が無ければ、組合の工事費の合計には入れません。

Q. 最初にどの書類を見ますか。
A. 別表第2、長期修繕計画の給水の行、第21条と第28条、第47条、四行に分かれた見積もりです。

まとめ

  • 給水管の1戸あたり費用は、見積書で確認します。金額は四行の見積もりです。
  • 標準の別表第2では、本管からメーターまでが共用です。メーターより先は、この別表では共用ではありません。
  • ガイドラインの記載例は、屋内共用の更生が19年から23年、共用の取替が30年から40年です。材質が違えば、年数をそのまま当てません。
  • 共用の計画修繕は第28条第1号です。専有を含めるのは第21条第2項と実費の記載です。
  • 同じ経路の取替は、まず普通決議です。形状か効用の著しい変更のときだけ、第47条第3項の各4分の3です。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の給水管工事の助言ではありません。境界、周期、負担、定数は、その管理規約、長期修繕計画、見積もりで確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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