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マンション排水管(竪管)更新工事の「トイレ問題」と生活対策|補助金・業者選定の2026年最新ガイド
マンションの排水管更新工事と聞いて、多くの居住者が真っ先に抱くのは「工事中、トイレはどうなるのか」という切実な不安です。数日間から1週間に及ぶ排水制限や、自宅内への作業員の立ち入りは日常生活に大きな影響を及ぼします。
この記事では、宅地建物取引士・管理業務主任者の視点から、2026年7月現在の最新法規制(区分所有法等)や自治体助成制度を反映し、排水管更新工事における「トイレ・水回り問題」の具体的解決策を解説します。また、管理組合の理事会が直面する業者選定や補助金申請の秘訣、さらには管理会社の事業撤退に備える新常識まで、プロの知見を網羅しました。
排水管更新工事の基礎知識:なぜ専有部への立ち入りが必要か
排水管の更新(交換)工事は、単なる「排水管清掃」とは規模も影響も全く異なります。まずは基本構造を整理しましょう。
「竪管」と「横引き管」の区分

- 竪管(たてかん): 各階を垂直に貫く太い管。区分所有法上の「共用部分」に該当します。
- 横引き管: 住戸内の各設備から竪管へつなぐ枝管。一般的に「専有部分」とされます。
更新工事では、竪管と横引き管の「接続部分」を交換するため、共用部分の工事であっても専有部分(室内)への立ち入りと床・壁の一部解体が不可避となります。これが、居住者の協力が絶対条件となる理由です。
「更新(交換)」と「更生(補修)」の比較
| 比較項目 | 更新工事(交換) | 更生工事(補修・SRCT工法等) |
|---|---|---|
| 工法 | 既存管を撤去し新品に交換 | 内側を洗浄し樹脂コーティング |
| 耐用年数 | 30〜40年以上 | 約10〜15年 |
| 工期(1戸当り) | 数日間〜1週間程度 | 1日〜2日程度 |
| 排水制限 | 長い(日中は一切使用不可) | 比較的短い |
「更生」は安価で工期も短いですが、管の劣化が激しい場合は施工できません。長期修繕計画に基づき、抜本的な解決には「更新」が推奨されます。
最大の懸念「トイレ・水回り制限」の運用実態
工事期間中、特に排水禁止時間帯(一般的に9時〜17時頃)は、各住戸の排水口が塞がれるため、水の使用が一切できません。
仮設トイレの設置と防犯対策
原則として、マンション敷地内の共用部に「居住者用仮設トイレ」が設置されます。2026年現在の施工現場では、単なる簡易トイレではなく、施錠管理や人感センサー照明、高頻度の清掃がセットになった「防犯・衛生配慮型」の運用が標準的です。
要配慮世帯への対応(ポータブルトイレ)
高齢者や車椅子利用者など、屋外の仮設トイレ利用が困難な方には、室内で利用可能な使い捨て型のポータブルトイレが配布されるケースがあります。これらは管理組合と施工会社が事前に協議し、配布対象を決定します。
夜間の利用制限

夜間(作業時間外)は住戸内のトイレが使用可能になるのが一般的ですが、万が一の不具合に備え、夜間も仮設トイレの一部を解放し、緊急時用の鍵の受渡ルールを周知しておくことがトラブル防止につながります。
【FAQ】法務・実務上のよくある質問(2026年版)
Q. 専有部への立ち入りは拒否できますか?

A. 正当な理由なく協力を拒むことは望ましくありません。建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)第6条第2項に基づき、共用部分の管理に必要な範囲で専有部分への立ち入りが認められています。拒否によって工事が遅延し、他の居住者に損害を与えた場合、トラブルに発展する恐れがあります。具体的な立ち入り方法に争いがある場合は、管理規約を確認の上、専門家へ相談してください。
Q. 工事決議に必要な賛成数は?(令和7年改正反映)
A. 原則として「普通決議」ですが、規約や工事内容によります。通常の排水管更新は、共用部分の「保存」または「軽微な変更」として、区分所有者および議決権の各過半数の賛成(区分所有法第39条)で決議されるのが一般的です。ただし、配管ルートを大幅に変更するなどの重大な変更を伴う場合は、4分の3以上の賛成を要する「特別決議(区分所有法第17条)」が必要になる可能性があります。なお、いずれの場合も自マンションの「管理規約」に別段の定めがある場合は規約が優先されるため、必ず事前に規約を確認してください。
Q. 更新工事とSRCT工法などの更生工事、どちらが安い?
A. 初期費用は更生工事(補修)が約40%安くなる傾向にあります。更生工事は壁の解体範囲が小さいため、内装復旧費を抑えられるからです。ただし、既存管の腐食が進んでいる場合は施工できず、15年程度で再工事が必要になるため、トータルコストでは「更新」が有利になるケースも多いです。
管理組合が知るべき業者選定と費用の“新常識”
相見積もりは「2〜3社」が最適な理由

5〜6社への過度な見積依頼は、20〜40戸規模のマンションでは逆効果です。業者は見積作成のために3〜4回の現地調査や協力会社との調整を行い、多大な労力を費やします。受注確率が著しく低い案件は精度の高い提案を敬遠されやすいため、信頼できる2〜3社に絞るのが、質の高い提案を引き出す秘訣です。
見積書で「一式」表記を避ける
「排水管工事 一式 ◯◯円」という曖昧な項目はNGです。「仮設トイレ設置費(基数・単価)」「室内養生費(系統数・単価)」など、内訳が明確な見積りを確認してください。不透明な「一式」は、後の追加費用トラブルの元になります。
【2026年度版】補助金・助成金の活用

東京都では「マンション改良工事助成」制度が実施されています。令和8年度(2026年度)の募集期間例は以下の通りです。
- 第1期:令和8年5月13日〜9月30日
- 第2期:令和8年10月1日〜令和9年2月19日
(※予算状況により早期終了の可能性があります)
給排水管の更新も助成対象となり得ますが、助成率や上限額、築年数等の条件は自治体・年度ごとに異なります。多くの管理会社は申請手続きの煩雑さを理由に積極的な提案を避ける傾向にありますが、MIJでは管理組合の負担を軽減するため、これらの補助金申請代行を積極的に支援しています。
管理会社が事業撤退する場合のセーフティネット
修繕計画中に依頼先の管理会社が事業撤退を決定するケースが増えています。MIJでは「円滑な管理事業承継サポート」を提供しており、以下の解決策で組合を支援します。
- 撤退企業への支援: 撤退に伴うトラブルを回避するため、当面の人件費補助等を含めた経済的サポートを実施。
- 管理の継続性: 既存の清掃・点検業者を可能な限り継続し、排水管工事のような重要プロジェクトを中断させない体制を構築。
まとめ
排水管更新工事の成功には、居住者への丁寧な説明と、法規・助成金に基づいた賢い計画が不可欠です。本記事を参考に、管理規約を改めて確認し、最適なパートナー選びを進めてください。もし具体的な進め方や補助金活用でお悩みの場合は、ぜひ専門家へご相談ください。
免責事項・法的開示本記事はMIJによる情報提供を目的としており、当社が提供するマンション管理支援サービスの紹介(広告・PRコンテンツ)を含みます。記載内容は2026年7月31日現在の法令・制度に基づきますが、個別の事案に対する法的助言ではありません。決議要件や補助金の適用、管理委託契約の解約・承継条件については、必ず現契約および最新の管理規約、行政要綱を確認し、必要に応じて弁護士等の専門家にご相談ください。本情報の利用により生じたいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いません。
参考資料
- 東京都住宅政策本部「東京都マンション改良工事助成(令和8年度案内)」
- 法務省「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)第6条、第17条、第39条」
- 国土交通省「マンション標準管理規約(最終改正:令和7年10月17日改正)」
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

