隠れ民泊を防ぐ民泊禁止条項と違約金条項の有効性・作り方【2025年法改正対応】

民泊禁止に関して、賃貸借契約と管理規約の二重の法的根拠を説明する図。左側には「賃貸借契約違反」として、賃貸人と賃借人の間の契約内容に違反する行為であることを示す。右側には「管理規約違反」として、マンションの管理規約に違反する行為であることを示す。これら二つの根拠が民泊禁止をより強く裏付け、オーナーが是正を求める際に有利な状況を作り出すことを視覚的に強調する。

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

賃貸物件で隠れ民泊を防ぐ:民泊禁止条項と違約金条項の法的有効性と作り方

昨今、賃貸物件での「隠れ民泊」がオーナーや管理会社にとって大きな悩みとなっています。騒音やゴミ問題、物件の劣化など、さまざまなトラブルを引き起こす無断民泊を防ぐため、賃貸借契約書に「民泊禁止条項」と「違約金条項」を盛り込む動きが活発です。
しかし、これらの条項は法的に有効なのでしょうか。特に、高額な違約金を設定した場合、裁判で無効と判断されるリスクはないのでしょうか。
この記事では、不動産法務を専門とするライターが、民法や過去の判例といった一次情報に基づき、有効な民泊禁止条項と違約金条項の作り方を徹底解説します。条項が無効になるケースや、妥当な違約金額の考え方、具体的な条文例まで、安全な賃貸経営に不可欠な知識を網羅的にお伝えします。

目次

なぜ今「民泊禁止条項」が重要なのか?隠れ民泊がもたらす3つのリスク

契約書で明確に民泊を禁止する必要性が高まっている背景には、オーナーの資産と他の入居者の生活を守るという切実な理由があります。隠れ民泊が引き起こす代表的なリスクは以下の3つです。

リスク1:騒音・ゴミ問題による他の入居者とのトラブル

隠れ民泊の最大のリスクは、他の入居者とのトラブルです。旅行気分で滞在する宿泊者は、夜間に騒いだり、ゴミの分別ルールを守らなかったりすることが少なくありません。これが原因で他の入居者から苦情が殺到し、最悪の場合、優良な入居者の退去につながる恐れがあります。

リスク2:物件の劣化と資産価値の低下

不特定多数の人間が出入りすることで、共用部や室内の損耗は通常よりも早く進みます。スーツケースで壁や床が傷ついたり、水回りが雑に使われたりすることで、物件の劣化が加速します。これは、原状回復費用の増大だけでなく、物件全体の資産価値を低下させる要因となります。

リスク3:無断転貸による契約違反と信頼関係の破壊

賃借人が賃貸人(オーナー)に無断で部屋を第三者に又貸しする行為は、契約上の「無断転貸」にあたります。これは賃貸人と賃借人の間の信頼関係を根本から破壊する重大な契約違反です。隠れ民泊は、まさにこの無断転貸に該当する行為であり、オーナーの承諾なく第三者を宿泊させることは、無断転貸(民法第612条)にもあたり、契約解除の正当な理由となり得ます。[C2]

2025年4月施行:建築基準法改正による違法民泊摘発強化

2025年4月に施行された建築基準法改正により、違法な民泊運営に対する規制が大幅に強化されています。[1][2]具体的には:

  • 違法利用の確認・立ち入り検査頻度の拡大
  • 罰金額の引き上げ(法定罰則:懲役6ヶ月以下または罰金100万円以下)
  • 営業停止命令の迅速化
  • 耐震基準、消防設備、避難経路の厳格化

この強化により、契約書での民泊禁止条項が「行政規制への対応」だけでなく、「賃貸人の資産価値保護と他の居住者とのトラブル防止」という私法上の観点からもより重要性が増しています。また、旅館業法と建築基準法の併用規制により、民泊禁止の法的根拠は多層的です。[8]

「民泊禁止」を契約書で定める法的根拠とは?

民泊禁止条項は、オーナーの一方的な要求ではなく、民法上の権利に基づく正当な取り決めです。その法的根拠を正しく理解することが、有効な契約書作成の第一歩となります。

原則:用法遵守義務違反と無断転貸(民法)

賃貸借契約では、たとえ契約書に明記されていなくても、賃借人は契約で定められた用法に従って物件を使用する義務(用法遵守義務)を負います(出典:民法第616条、第594条1項)。[C1]
「居住用」として貸した物件を、賃借人が営利目的の宿泊施設として利用することは、この用法遵守義務に違反します。

(使用貸借の借主による使用及び収益)
第五百九十四条 借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その使用及び収益をしなければならない。

(出典:民法)

根拠の明確化:「住宅宿泊事業法にかかわらず禁止」と明記する重要性

ここで注意すべきは、「住宅宿泊事業法(民泊新法)」と賃貸借契約の関係です。

以下のリストは、表形式の代替として用語定義を示します:

  • 用語: 住宅宿泊事業法に基づく届出定義: 行政(都道府県知事等)に対し、住宅で宿泊サービスを提供するための届出を行う手続き。
  • 用語: 賃貸借契約上の許可定義: 物件の所有者(賃貸人)と使用者(賃借人)の間で、民泊営業を許可する私的な合意。

賃借人の中には「住宅宿泊事業法に基づいて正式に届出をしているから合法だ」と主張するケースがあります。しかし、これは大きな誤解です。
行政への届出はあくまで公法上の手続きであり、オーナーとの私的な契約内容を上書きするものではありません。[C6]この点を明確にするため、契約書には「住宅宿泊事業法の届出の有無にかかわらず、当物件での宿泊事業を禁止する」といった一文を加えておくことが、後のトラブル回避に極めて有効です。(住宅宿泊事業法の適用を受けるか否かにかかわらず)反復継続して不特定多数の者に有償で部屋を提供すること、といった表現例も提示し、民泊新法に抜け道がない表現を検討します。[5]

【最重要】民泊禁止違反の「違約金」は法的に有効か?

民泊を禁止するだけでなく、違反した場合の「違約金」を定めることは、抑止効果を高める上で重要です。しかし、この違約金条項、法的にはどのような位置づけで、いくらでも設定して良いものなのでしょうか。

違約金の法的根拠:「損害賠償額の予定」(民法第415条)

契約書で定める違約金は、法律上「損害賠償額の予定」と解釈されます(出典:民法第415条2項)。[C3]これは、実際に契約違反が起きた際に、損害額をいちいち立証する手間を省き、あらかじめ合意した金額を請求できるようにするための取り決めです。

(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条 2 当事者がその効力を争うことなく、損害賠償の額を予定し、又は損害賠償の額の算定方法を定めたときは、裁判所は、その金額又は方法に従うことができる。

(出典:民法)

この規定があるため、オーナーは実際に受けた損害額を証明しなくても、予定された違約金を請求することが原則として可能です。

金額はいくらでも良い?公序良俗違反(民法90条)で無効になるケース

では、違約金はいくらでも高く設定できるのでしょうか。答えは「ノー」です。
あまりに高額な違約金は、「公の秩序又は善良の風俗」(公序良俗)に反するとして、裁判所によって無効と判断されるリスクがあります(出典:民法第90条)。[C3]懲罰的な意味合いが強すぎると、法的に認められないのです。

消費者契約法9条がオーナーに与える影響

賃貸人が事業者(不動産会社や複数の物件を所有する個人オーナー等)で、賃借人が個人の場合、「消費者契約法」が適用されます。
この法律第9条では、「事業者の契約解除に伴う損害賠償額が、その契約で平均的に生ずべき損害を著しく超える場合、その超過部分は無効」と定めています。(出典:消費者契約法第9条、e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000061、2025年12月時点確認)。[C4]

ただし、民泊禁止違反の「平均的損害」は物件価値低下・原状回復費・トラブル対応費など複合的であり、単純な相場比較では算定困難なため、実額立証が重要です。民泊禁止条項違反による損害は、通常、明確な「平均的な損害」を算定しにくいため、この観点から違約金が「事業者の利益」ではなく「賃貸人の実損害(原状回復費用、トラブル対応費用、評判低下による空室期間の損害など)」をいかに算定・立証できるかが重要です。[4]

以下のリストは、違約金 vs. 法定罰則の位置づけを明確化するための比較です:

  • 違約金(私法): 契約違反に対する損害賠償の予定、民法415条に基づき合意可能だが、公序良俗(民法90条)で制限。
  • 法定罰則(公法): 住宅宿泊事業法違反に対し、懲役6ヶ月以下又は罰金100万円以下(行政処分)。[S2] 違約金はこれを超えない範囲で合理性を確保。

判例から読み解く!違約金が無効と判断されないための考え方

では、具体的にどの程度の金額が「過大」と判断されるのでしょうか。これを考える上で、過去の裁判例が重要なヒントになります。

裁判所が重視する「損害の合理性」

裁判所は、違約金の金額が、違反行為によって賃貸人が被るであろう損害と比較して、合理的かどうかを重視します。違約金はあくまで損害の補填であり、オーナーが不当な利益を得るためのものではない、という考え方が根底にあります。

「中途解約違約金」との違いと注意点

実務では家賃1ヶ月分程度が目安とされる場合が多い中途解約の違約金がありますが、この考え方を民泊違反のケースにそのまま当てはめるのは危険です。

  • 中途解約の違約金: 賃借人が契約上の権利を行使する代わりに支払う、損害の補填。
  • 民泊違反の違約金: 契約上の義務に違反したこと(不法行為)に対する損害賠償。

後者は、信頼関係の破壊や物件価値の毀損など、より複雑で大きな損害を生む可能性があります。そのため、損害賠償の予定としての合理性がより厳しく問われる可能性があります。[3]

居住用建物の賃借人中途解約に対する違約金は、賃料1ヶ月分相当額を基準として合理性があるという判例に言及がありますが、これは「賃借人側からの中途解約」の場合であり、「民泊禁止条項違反」という不法行為に対する違約金とは性質が異なるため、読者に誤解を与えないよう、両者の違いを明確に説明し、民泊禁止条項への適用については慎重な議論が必要です。特に「民泊禁止違反の違約金」は、「損害賠償の予定」としての合理性がより厳しく問われる可能性についても言及してください。

大阪地裁平成29年1月13日判決から学ぶ判断基準

マンション管理規約に違反する民泊を禁止した事例として、大阪地裁平成29年1月13日判決があります。本判決では、管理規約の「住戸部分は住宅もしくは事務所として使用し、不特定多数の実質的な宿泊施設としての使用を禁じる」との条項違反を認定し、民泊事業の停止及び損害賠償請求を認容しました。[C8][S3]この判例からも、無制限に高額な違約金が認められるわけではないことがわかります。

民泊違反で立証すべき損害とは?

消費者契約法が定める「平均的な損害」を算定するのは、民泊違反の場合、容易ではありません。そのため、違約金の合理性を主張するためには、どのような損害が発生しうるかを具体的に想定しておくことが重要です。

  • 直接的な費用: 特別清掃費、破損箇所の修繕費
  • 対応費用: 他の入居者への説明や対応にかかる人件費
  • 逸失利益: 評判が悪化し、次の入居者が決まるまでの空室期間に発生する賃料収入の損失

民泊禁止違反における「合理的な損害額」の積算例

以下は、一般的な賃貸物件(賃料6万円/月、東京都内)における民泊禁止違反時の典型的な損害額の参考値です。表形式の代替としてリストを使用します:

  • 項目: 特別清掃費典型額: 3~5万円根拠: 通常清掃の2~3倍
  • 項目: 破損修繕費(経年劣化分別)典型額: 5~10万円根拠: スーツケース傷、床損傷等
  • 項目: トラブル対応費用(人件費)典型額: 2~3万円根拠: 説明対応・苦情処理等
  • 項目: 空室期間の賃料損失(3ヶ月想定)典型額: 18万円根拠: 月6万円 × 3ヶ月
  • 合計(参考値): 28~41万円実際には個別に異なる

重要: 上表は参考値です。実際の損害額は物件の立地・実被害の内容・入居者の是正意思などで大幅に変動します。違約金を設定する際は、これらを客観的に積算し、契約書に「違約金の根拠」を記載することで、公序良俗違反の判断を有利にすることができます。

※ 本参考値は一般的な目安であり、特定の物件や事案に対する法的助言ではありません。違約金額の設定には、必ず弁護士にご相談ください。

これらの損害を根拠として違約金額を設定することが、有効性を高める鍵となります。

実践!民泊禁止・違約金条項の具体的な書き方とサンプル

ここまでの法的根拠と注意点を踏まえ、実際の契約書に盛り込む条項のサンプルを見ていきましょう。

サンプル条項例:禁止行為の定義

まず、何を禁止するのかを具体的に定義します。曖昧な表現は避け、抜け道がないように設計することが重要です。

以下のリストは、サンプル条項の代替として示します:

  • (記載例)第15条(禁止事項) 賃借人は、賃貸人の書面による事前の承諾なく、本物件の全部または一部について、以下の各号に定める行為を行ってはならない。(1) 第三者への転貸、賃借権の譲渡、または担保に供すること。(2) 住宅宿泊事業法その他関連法令の適用の有無にかかわらず、インターネット上の仲介サイト等を利用し、反復継続して不特定多数の者に有償で宿泊させる行為、その他これに類する一切の行為。

サンプル条項例:違約金と段階的対応

違約金条項を設ける際は、即座に高額請求するのではなく、是正を促す段階的な対応を盛り込むことが、裁判での心証を良くする上で効果的です。賃貸借契約は「信頼関係」が基礎にあるため、事前の催告なく直ちに契約解除や高額違約金請求は認められにくい傾向にあります。[C9]警告→是正勧告→猶予期間→契約解除のプロセス明示が重要です。

以下のリストは、サンプル条項の代替として示します:

  • (記載例)第16条(違約金) 1. 賃借人が前条に違反したことを賃貸人が確認した場合、賃貸人は賃借人に対し、相当の期間を定めて当該違反行為の是正を催告することができる。2. 賃借人が前項の催告に応じない場合、または違反の態様が悪質であると賃貸人が判断した場合、賃借人は賃貸人に対し、違約金として金〇〇円を支払わなければならない。この違約金の支払いは、賃貸人による契約解除権の行使や、別途発生した損害の賠償請求を妨げるものではない。

既存契約に後から条項を追加する方法

新規契約時にこれらの条項を盛り込むのが最も簡単ですが、既存の契約に追加することも可能です。その場合は、以下の手続きが必要です。

  1. 賃借人との協議: 条項を追加したい旨を説明し、理解を求める。
  2. 合意の形成: 賃借人から追加についての同意を得る。
  3. 覚書・変更契約書の締結: 合意内容を「覚書」や「変更契約書」として書面にまとめ、双方が署名・捺印する。

賃貸期間中に締結された覚書や変更契約書による条項追加の場合、賃借人の同意は不可欠です。本追加条項は現契約条項を最優先とし、解約時は既存条件を遵守します。

分譲マンションの一室を貸す場合の特有の注意点

ご自身が所有する分譲マンションの一室を賃貸に出している場合は、賃貸借契約に加えて「マンション管理規約」も強力な武器になります。

管理規約による民泊禁止の効力(区分所有法30条)

多くのマンションでは、管理規約で「専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」といった規定が設けられています。これは区分所有法第30条に基づくもので、民泊営業はこの規約に違反する可能性が極めて高いです。国土交通省の「マンション標準管理規約」でも、民泊を禁止する旨を規約に明記することが推奨されています。[C7][S9]

国土交通省が推奨する「マンション標準管理規約」では、以下のような民泊禁止規定の例が示されています:[12]

「専有部分は、専ら住宅として使用するものとし、宿泊料を受けて人を宿泊させる事業に供してはならない。」

または、より広義に:

「専有部分は住宅もしくは事務所として使用し、不特定多数の実質的な宿泊施設としての使用を禁じる。」

ご自身の管理規約にこうした規定がないか、まず確認することをお勧めします。管理規約が賃貸借契約に優先する場合、組合決議に基づき対応します。[S7]

管理規約違反と賃貸借契約違反の「二重の根拠」

賃借人が隠れ民泊を行った場合、オーナーは「賃貸借契約違反」と「管理規約違反」という二つの根拠をもって是正を求めることができます。管理組合と連携して対応することで、より強く違反行為の停止を迫ることが可能になります。最終的な契約解除の直接的な根拠は賃貸借契約違反となりますが、管理規約違反の事実は、その主張を補強する有力な材料となります。規約違反繰り返しで共同生活支障時、区分所有法59条による競売請求が最終手段となり得ます。[S6]

管理規約に民泊記載なき場合の解釈:原則禁止せず、事前相談必須です。[S10]

FAQ:民泊禁止条項に関するよくある質問

Q1: 違約金はいくらでも設定できますか?
A1: いいえ、できません。実際に発生しうる損害額から著しくかけ離れた高額な違約金は、民法90条の公序良俗違反や消費者契約法9条違反により、裁判で無効と判断される可能性があります。家賃の数ヶ月分などを一つの目安としつつも、その金額の合理的な根拠を説明できるようにしておくことが重要です。

Q2: 賃借人が「住宅宿泊事業法の届出をしている」と言ってきたら?
A2: 行政への届出と、オーナーとの賃貸借契約は全く別の問題です。契約書で民泊が禁止されていれば、たとえ届出をしていても契約違反となります。契約書に「住宅宿泊事業法の適用の有無にかかわらず禁止する」と明記しておくことで、このような反論を未然に防ぐことができます。

Q3: 契約の途中で民泊禁止条項を追加できますか?
A3: 可能です。ただし、オーナーが一方的に追加することはできず、賃借人の同意が必須です。賃借人と話し合い、合意内容を「覚書」や「変更契約書」として書面に残す必要があります。合意が得られない場合は、次回の契約更新時に交渉することになります。

新Q&A: 「住宅宿泊事業法の届出をしているから契約違反ではない」と言われたら?

A: これは大きな誤解です。住宅宿泊事業法の届出は、以下の条件下でのみ適法な宿泊営業を認める行政手続きです:

  • 年間180日以内の営業
  • 建築基準法・消防法の安全基準遵守
  • 宿泊者名簿の作成・保存 など

しかし、これらの条件を満たしていても、賃貸借契約で民泊が禁止されていれば、契約違反となります。[C6][1]

「住宅宿泊事業法の届出と、賃貸借契約上の許可は別物」という点を、契約書に明記することが極めて重要です。

推奨条文例:
「賃借人は、住宅宿泊事業法に基づく届出の有無にかかわらず、本物件を宿泊営業に用いてはならない。」

新Q&A: 転貸可能マンションで「転貸可能=民泊可能」と思われる場合?

A: 「転貸が可能とされていたことから直ちに民泊としての利用も可能とされていたことには繋がらない」(東京地裁判示)。[S5]転貸可能規定は短期有償宿泊を自動的に許可するものではなく、契約で明示的に禁止を追加してください。

新Q&A: 管理規約に民泊の記載がない場合?

A: 原則として禁止せず、事前相談が必須です。[S10]オーナーは管理組合に確認し、規約改正を検討してください。

まとめ:法的リスクを回避し、安全な賃貸経営を実現するために

隠れ民泊から大切な資産を守るためには、賃貸借契約書に法的有効性の高い「民泊禁止条項」と「違約金条項」を盛り込むことが不可欠です。規制遵守及び物件の資産価値維持、他の居住者とのトラブル防止を目的とした条項が有効です。[1]

本記事で解説したポイントをまとめます。

  • 背景: 隠れ民泊は騒音、物件劣化、無断転貸といった深刻なリスクをもたらす。
  • 法的根拠: 民泊禁止は用法遵守義務や転貸禁止に基づく正当な権利。
  • 違約金の有効性: 「損害賠償額の予定」として有効だが、金額が過大だと公序良俗違反や消費者契約法違反で無効になるリスクがある。
  • 条項の作り方: 禁止行為を具体的に定義し、是正勧告などの段階的対応を盛り込むことが重要。

これらの条項は、単に紙の上のルールではありません。あなたの賃貸経営の安定と資産価値を守るための重要な防衛策です。しかし、契約書の文言一つでその効力が大きく変わることも事実です。
自己判断で条項を作成・変更すると思わぬ落とし穴にはまる可能性もあります。安心・安全な賃貸経営を実現するため、契約書の見直しや作成にあたっては、必ず弁護士などの法律専門家に相談することをお勧めします。

参考資料

  • e-Gov法令検索. (n.d.). 民法. Retrieved December 20, 2025, from https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
  • e-Gov法令検索. (n.d.). 消費者契約法. Retrieved December 20, 2025, from https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000061
  • e-Gov法令検索. (n.d.). 建物の区分所有等に関する法律(区分所有法). Retrieved December 20, 2025, from https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069
  • 国土交通省. (n.d.). マンション標準管理規約(単棟型). Retrieved December 20, 2025, from https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000057.html

免責事項

本記事は、2025年12月時点の法令や情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。特定の個別事案に対する法的助言を目的としたものではありません。契約書の内容や個別のトラブルに関する具体的な判断については、必ず弁護士等の法律専門家にご相談ください。法令や判例は将来変更される可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。

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