2026年マンション窓サッシ交換補助金完全ガイド:上限半減の変更点と5ステップ申請方法

施工業者からマンション管理組合の会計担当者に、補助金が還元され、書類と共に手渡されるイメージ。あるいは、会計担当者がPCで補助金入金の明細を確認し、安堵の表情を見せる。読者が補助金受領後の具体的なメリットを想像できるようにする。

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

目次

マンションの窓サッシ交換を検討中の管理組合役員の皆様へ

2026年度に利用できる国の補助金制度「先進的窓リノベ2026事業」の実施が正式に決定しました。断熱性能の高い窓へのリフォームは、光熱費の削減や快適性の向上に繋がり、マンションの資産価値維持に不可欠です。

しかし、2025年度の制度から補助上限額が半減するなど、知っておくべき重要な変更点もあります。

この記事は、一般情報提供を目的としており、宅地建物取引士資格保有者の一般知見に基づくものです。環境省などの一次情報を基に「先進的窓リノベ2026事業」の概要、対象条件、管理組合特有の申請ステップ、そして失敗しないための業者選定のコツまで、網羅的に解説します。補助金を活用した賢い大規模修繕計画の第一歩として、ぜひ最後までご一読ください。個別相談は専門家へお勧めします。

導入:2026年度の窓リフォーム補助金は「先進的窓リノベ2026事業」に決定

すでにご存知の方も多いかもしれませんが、結論からお伝えします。2026年度にマンションの窓サッシ交換で利用できる国の補助金は、「先進V的窓リノベ2026事業」として実施が確定しています。「来年度の制度はまだ未定」という古い情報も散見されますが、すでに予算が確保され、事業の継続が決まっていますのでご安心ください。

根拠は2025年11月閣議決定の補正予算

本事業の実施が確定した根拠は、2025年11월 28日に閣議決定された政府の補正予算です(出典:環境省)。この予算において、住宅の省エネ化を推進するため、先進的窓リノベ事業に1,125億円の予算が計上されました。これにより、2026年度も引き続き補助金制度が活用できることになります。

主導は「環境省・国土交通省・経済産業省の3省連携」

ここで整理しておきたいのが、制度の実施主体です。住宅関連の補助金には国土交通省が主導するものも多いですが、「先進的窓リノベ2026事業」は環境省・国土交通省・経済産業省の3省が連携して実施する制度です。事務局運営は環境省が担当します。公式サイトや問い合わせ先を間違えないよう注意しましょう。この制度を正しく理解し活用することで、管理組合は修繕費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。

背景知識:【2025年度からの主な変更点】上限額の半減と対象製品に注意

2026年度の制度は前年度の枠組みを概ね引き継いでいますが、いくつか重要な変更点があります。特に補助上限額の変更は、資金計画に大きく影響するため、必ず押さえておきましょう。

最も大きな変更点は、1戸あたりの補助上限額が200万円から100万円に半減したことです。計画策定時にはこの新しい上限額を前提に試算しましょう。

項目 2025年度事業 2026年度事業 備考
1戸あたりの補助上限額 200万円 100万円 半減
予算規模 1,350億円 1,125億円 減額
対象製品グレード SS, S, A SS, S 一部グレードが対象外に
工事着手可能日 2023年11月2日~ 2025年11月28日~ 閣議決定後から
2025年度と2026年度の「先進的窓リノベ事業」の主な変更点比較
(出典:環境省の各年度事業概要資料より作成)
※表が表示されない場合: 1戸あたりの補助上限額 2025年度: 200万円 / 2026年度: 100万円; 予算規模 2025年度: 1,350億円 / 2026年度: 1,125億円; 対象製品グレード 2025年度: SS, S, A / 2026年度: SS, S; 工事着手可能日 2025年度: 2023年11月2日~ / 2026年度: 2025年11月28日~。詳細は出典確認。

変更点①:1戸あたりの補助上限額が200万円から100万円に

最大の変更点は、1戸あたりの補助上限額です。2025年度の200万円から、2026年度は100万円へと半減されました。補助率は工事費用の1/2相当が目安ですが、実際には窓の性能やサイズごとに定められた定額が交付されるため、この上限額の変更は大規模な改修を計画するマンションにとって非常に重要です。

変更点②:一部の性能グレード(内窓Aグレード等)が対象外に

2025年度事業では補助対象だった「内窓のAグレード」製品が、2026年度事業では対象外となりました。より高い断熱性能を持つ製品(SSグレード、Sグレード)への誘導を促すための変更と考えられます。業者から提案を受ける際は、提案された製品が2026年度事業の対象グレードを満たしているか、必ず確認するようにしましょう。

変更点③:工事着手対象期間の明確化(2025年11月28日〜)

2026年度事業の対象となるのは、2025年11月28日以降に工事請負契約を締結し、工事に着手する案件です。この日付より前に契約・着工した工事は対象外となるため、注意が必要です。交付申請期間は2025年12月末までに公表が予定されていますが、工事の着手自体はすでに可能です(出典:環境省)。

手続・対応ステップ:補助対象となる工事・製品・建物の条件

補助金を利用するには、ご自身のマンションの改修計画が制度の定める条件を満たしている必要があります。本事業の対象となるのは、建築後1年以上経過した既存住宅(マンション含む)における窓の高断熱化リフォームです。「工事内容」「製品の性能」「建物の種類」の3つの観点から、対象となる条件を確認していきましょう。

対象となる工事内容(内窓設置、外窓交換など)

マンションで実施可能な主な対象工事は以下の通りです。

  • 内窓設置(二重窓): 既存の窓の内側にもう一つ窓を追加する工法。
  • 外窓交換(カバー工法): 既存の窓枠を残し、その上から新しい窓を被せる工法。壁を壊さないため、工事が比較的短期間で済みます。
  • 外窓交換(はつり工法): 既存の窓枠ごと壁から撤去し、新しい窓を設置する工法。
  • ガラス交換: 既存サッシのガラスのみを、高断熱仕様の複層ガラス等に交換する工法。
工事内容 補助額(1箇所あたり)※
外窓交換(カバー工法) 58,000円~266,000円
外窓交換(はつり工法) 46,000円~266,000円
内窓設置 12,000円~106,000円
ガラス交換 10,000円~83,000円
※補助額は窓の性能(SS/S)とサイズ(大/中/小/極小)の組み合わせで決まります。テラス窓などの特大サイズは高額補助の追加対象です。
(出典:環境省 先進的窓リノベ2026事業 公式資料)
※表が表示されない場合: 外窓交換(カバー工法)58,000円~266,000円; 外窓交換(はつり工法)46,000円~266,000円; 内窓設置12,000円~106,000円; ガラス交換10,000円~83,000円。詳細は出典確認。

【重要】対象外となる工事・製品

以下のケースは補助対象にならないため、注意が必要です:

  • 外気に面していない窓・ドアの交換
    (共有廊下側等の内部サッシは対象外)
  • ドア交換のみを補助対象とする工事
    (玄関ドアは窓改修と同一契約に限定)
  • 中古品を用いた工事、施主支給による工事
  • メーカーが保証しない方法で取り付けられた工事

補助対象者は「登録事業者」による施工が条件です。詳細は環境省公式サイトで確認し、見積段階で業者に確認してください。

対象となる製品の性能基準(熱貫流率 Uw1.9以下)

補助対象となるには、交換・設置する窓やガラスが一定以上の断熱性能を持つ製品でなければなりません。性能基準は「熱貫流率(Uw値)」という指標で定められており、この値が小さいほど高性能です。具体的には、熱貫流率(Uw)が1.9以下など、性能グレード(SSまたはS)の基準を満たす製品が対象となります(出典:環境省)。この基準は、製品カタログやメーカーのウェブサイトで確認できます。

玄関ドアも同時契約なら対象になるケースも

本事業は主に窓の改修を対象としていますが、例外的に玄関ドアの交換も補助対象となる場合があります。ただし、それには「窓の改修と同一の工事請負契約内で、玄関ドアの改修も行う」という条件があります。玄関ドア単独の工事では補助金の対象になりませんのでご注意ください。

マンション管理組合向け!申請から補助金受領までの5ステップ

マンション全体で補助金を利用する場合、個人のリフォームとは異なる特有の手続き、特に「合意形成」が重要になります。ここでは、管理組合が取り組むべき5つのステップを時系列で解説します。

Step 1: 登録事業者(施工業者)の選定と相談

まず行うべきは、本事業の「登録事業者」となっている施工業者を探し、相談することです。この制度では、補助金の申請手続きは、管理組合に代わって登録事業者が行います(代理申請)。管理組合が直接事務局に申請することはできません。まずは登録事業者を探し、改修計画や見積もりについて相談しましょう。

  • 用語の整理:登録事業者とは?
    • 定義: 先進的窓リノベ事業の事務局に登録済みの施工業者や販売会社のこと。
    • 区別: 管理組合(補助を受ける人)とは異なり、申請手続きを代行する役割を担います。
    • メリット: 煩雑な申請書類の作成や提出をプロに任せられるため、管理組合の負担が軽減されます。

Step 2: 管理組合での合意形成と総会決議

業者から見積もりや改修計画案を取得したら、管理組合内で合意形成を進め、総会での決議を目指します。窓サッシは区分所有法上「共用部分」にあたるため、交換工事には総会決議が必須です。

共用部分の変更には総会決議が必須です。形状又は効用の著しい変更→第31条・特別決議(組合員数・議決権の4/3以上);その他の軽微な変更→第39条・普通決議。ただし、マンション標準管理規約に別段の定めがあれば、規約の定めが優先されます。工事の規模や内容、また管理規約の定めによっては、過半数で可決される普通決議ではなく、より要件の厳しい特別決議(区分所有者および議決権の各4分の3以上)が必要になる場合があります。ただし、区分所有法第31条の適用は、マンション標準管理規約に『別段の定めがある場合は規約が優先』されます。一部のマンションでは規約により普通決議(過半数)で可能な場合もあります。必ずご自身の管理規約を確認し、必要であればマンション管理士などの専門家へ相談しましょう。

(記載例)マンション標準管理規約(単棟型) 第21条
共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)については、総会において、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上の多数による決議で決する。
(別紙:マンション標準管理規約別表第1等参照、個別規約優先)

Step 3: 工事請負契約の締結と工事着工

総会で工事実施が承認されたら、正式に登録事業者と工事請負契約を締結します。契約後、工事に着手します。前述の通り、この契約日と着工日が補助金の対象期間内(2025年11月28日以降)であることが条件です。

Step 4: 【事業者による代理申請】交付申請の手続き

工事に着手したら、登録事業者が補助金の交付申請手続きを行います。必要な書類(工事請負契約書の写し、着工後の写真など)を準備し、事業者が事務局のシステムを通じて申請します。

Step 5: 工事完了・実績報告と補助金の還元

工事が完了したら、登録事業者は事務局へ完了実績報告を行います。報告内容が審査され、不備がなければ補助金額が確定し、まず登録事業者に支払われます。その後、事業者は、あらかじめ管理組合と取り決めた方法(工事代金との相殺など)で、補助金を管理組合へ還元します。

補助金は、登録事業者に交付された後、あらかじめ管理組合と取り決めた方法で還元されます。工事代金への充当、値引き等の方法を事前に契約書で明記してください。

実務ヒント:失敗しない業者選定と見積もりの進め方

補助金を活用した改修工事を成功させるには、信頼できる業者を選び、賢く見積もりを取ることが不可欠です。ここでは、特に管理組合が見落としがちな現実的なポイントを解説します。本記事は特定業者を推奨するものではなく、一般的なアドバイスです。利害関係がある場合は開示を。

なぜ相見積もりは2〜3社に絞るべきなのか?

工事費を比較するために複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は基本です。しかし、やみくもに5社も6社も依頼するのは得策ではありません。特にマンション全体の工事では、管理会社に見積取得を依頼するケースが多いですが、管理会社にとって見積取得は多大な労力を要する業務です。管理会社は、管理委託内容の精査および、会計状況、そして1棟全体の管理費等の見積もり作成をするには3-4回ほど現地に足を運び、また清掃会社、EV点検、消防、警備など多岐にわたって外注先会社との打ち合わせを行ったうえで理事会数名との面談も数回こなすため労力がかかります。小規模なマンションの場合、あまりに多くの業者へ依頼をかけると、管理会社が対応を渋ったり、業者側も手間を嫌って参加を見送ったりする可能性があります。経験上、本気で検討してくれる業者を2〜3社に絞って、丁寧に見積もりを依頼するのが、円滑に計画を進めるコツです。組合側の要望が強すぎると、管理会社から敬遠される恐れがあるため、事前の相談が重要です。

管理会社との良好な関係を築くためのポイント

管理会社は、修繕計画を推進する上で最も重要なパートナーです。業者選定のプロセスにおいても、理事会だけで進めるのではなく、必ず管理会社の担当者(フロント)と相談しながら進めましょう。「こういう条件で2社から見積もりを取りたいが可能か」など、事前に相談することで、協力的な関係を築くことができます。

「一式見積もり」はNG!詳細な内訳の取得が必須

業者から提出される見積書は、必ず「詳細な内訳」があるものをもらいましょう。「窓サッシ交換工事一式 〇〇円」といった大まかな見積もりでは、どの工事にいくらかかっているのか不明確で、他社との正確な比較ができません。最低でも「製品代」「工事費」「既存建具撤去費」「運搬費」「諸経費」などの項目に分かれた見積書を依頼し、不明な点は必ず質問するようにしてください。

よくある質問(Q&A)

最後に、マンション管理組合の役員の方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 申請期間はいつからいつまで?

A1. 2026年度事業の交付申請開始日は、2025年12月20日時点で環境省が正式発表していません。過去の先進的窓リノベ2025事業では3月下旬開始でしたが、2026年度の正確な日程は環境省の公式サイトでの確認が必須です。2025年12月末までに公表予定のため、定期的に公式ページをご確認ください。工事の着手はすでに可能です。

Q2. 予算がなくなったら早期終了する?

A2. はい、その可能性があります。 この補助金は1,125億円という予算の上限が定められています。申請額が予算上限に達し次第、受付は締め切られます。利用を決定したら速やかに申請手続きを進めることが重要です。

Q3. 申請は管理組合が直接できる?

A3. いいえ、できません。 本事業の申請は、事務局に登録された「登録事業者」(施工業者など)が、管理組合に代わって行う「代理申請」が必須となります。まずは登録事業者を探して相談することから始めてください。

Q4. 賃貸に出している部屋も対象になる?

A4. はい、対象になります。 補助金の対象は建物の所有者であるため、管理組合が主体となって行う共用部分(窓サッシ)の改修工事であれば、その住戸を賃貸に出している場合でも対象に含まれます。

まとめ:2026年度補助金を活用し、計画的な窓リフォームを

本記事では、マンションの窓サッシ交換で利用できる「先進的窓リノベ2026事業」について解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。

  • 実施は確定済み: 2026年度の事業は1,125億円の予算で実施が決定しています。
  • 上限額は100万円: 1戸あたりの補助上限額は、前年度の200万円から100万円に半減しました。
  • 申請は事業者経由で: 申請は管理組合が直接行うのではなく、「登録事業者」が代理で行います。
  • 総会決議が不可欠: 窓は共用部分のため、工事実施には管理組合総会での決議が必要です。管理規約を必ず確認しましょう。
  • 早期の行動が鍵: 予算には限りがあり、早期終了の可能性があります。計画的な準備と迅速な手続きが成功の鍵を握ります。

窓の断熱化は、省エネによる光熱費削減だけでなく、結露の抑制や防音効果など、居住者の快適な暮らしに直結する重要な工事です。この補助金制度を賢く活用し、マンションの資産価値向上に繋げてください。

免責事項

本記事は、2025年12月20日時点の公開情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の事案に対する法的助言や、補助金の交付を保証するものではありません。補助金制度の詳細は変更される可能性がありますので、必ず環境省の公式サイト等で最新の情報をご確認ください。具体的な改修計画や法的手続きについては、マンション管理士や弁護士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

参考資料

  • 環境省, 住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業等, https://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/building_insulation/window_00004.html, 2025年
  • 環境省, 先進的窓リノベ2025事業 公式サイト, https://window-renovation2025.env.go.jp/, 2025年
  • e-Gov法令検索, 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号), https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069, 2024年

島 洋祐

保有資格:(宅地建物取引士)不動産業界歴22年、2014年より不動産会社を経営。2023年渋谷区分譲マンション理事長。売買・管理・工事の一通りの流れを経験し、自社でも1棟マンション、アパートをリノベーションし売却、保有・運用を行う。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

建物管理に関するお悩みはお気軽にご相談下さい!
大手建物管理会社では対応が難しい自主管理物件や小規模マンションにも、当社は的確なサポートを提供します。
規模に関わらず、管理組合様のニーズに寄り添い、資産価値の維持・向上に貢献する最適な管理プランをご提案。
長期的な安定と快適な居住環境づくりを全力でサポートいたします。

マンション管理のこと、 どんな小さな疑問でも
大丈夫です!

どんな些細なことでも構いません。管理費の最適化や修繕計画、住民トラブルの対応まで、
少しでも気になることはMIJまでお気軽にご相談ください!

相談は無料です!マンション管理のことは
何でもご相談ください!

03-5333-0703 電話で相談する

営業時間:10:00~18:00
平日、土日も営業(年末年始・お盆を除く)