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今回はマンションの駐輪・駐車場トラブルについてお話させていただきます。特に大きなマンションでは大規模な機械式駐車場がある場合もあり、トラブルも多いかもしれません。
マンションの駐車場や駐輪場で発生するトラブルは、住民間で非常に多く見られる問題です。これらのトラブルは、ルールの未整備や認識の違いから起こることが多く、しっかりとした対策が必要です。以下では、よくあるトラブルとその対応方法について詳しく説明します。
1. 間違い駐車
契約している駐車区画を間違えて駐車してしまうケースです。この場合、当事者に悪意はなく、特に疲れて帰宅した際などに起こりやすいです。
対処法
まずは管理会社や管理組合に相談し、間違って駐車した車両の持ち主に状 況を伝えてもらいます。多くの場合、持ち主はすぐに駐車スペースを移動 させます。
※もし車両情報が更新されていない場合(例えば、ナンバーが変わっている、社用車などで情報が管理会社に伝わっていない場合)は、解決まで時間がかかることがあります。この場合、管理組合の管理者へ承諾を得て一時的に空いている別の区画に車両を停めることが現実的です。
2. 無断・違法駐車
住民や来客が無断で他人の駐車スペースに駐車するケースです。特に長期の連休など、駐車場が空いている場合に「空いているから停めても良いだろう」と考えてしまうことがあります。
対処法
管理組合や管理会社に連絡し、無断駐車をしている車両の所有者に連絡してもらいます。数日間駐車している場合は、時間が解決しますが、警察への連絡は現実的ではないことが多いです。空き駐車場への対策として、カラーコーンや看板を設置することで、無断駐車を防ぐことができます。
強制的な車両移動はNG
無断駐車に対して管理組合が強制的に車両を移動させることは違法(自力救済禁止の原則)です。車両は個人の財産であり、傷をつけると移動させた側が損害賠償を請求される可能性があります。これを防ぐためにも、事前に管理会社に相談して対応してもらうことが必要です。
※自力救済の禁止とは
自力救済の禁止とは、法的な手続きなしに、自分の力で相手の意思に反して権利を実現することを禁じるルールです。
これは、たとえ正当な権利があっても、裁判所の判決など正式な手続きを経ずに、相手の財産を勝手に取り上げたり、無理やり物を回収したりしてはいけないという意味です。
社会の秩序を保ち、公平な解決を図るために、権利の実現は法律に基づいた適切な手続きを通じて行う必要があります。
3. 隣接車との接触事故や当て傷
駐車場が狭いため、車両同士の接触や当て傷が発生することがあります。特に車両が大型化している昨今、この問題が増えています。
対処法
自主的な対応が重要で、当て傷をつけた場合は「お詫びと弁償の意向」を伝えることが求められます。
管理組合や、管理会社ができることは、防犯カメラの映像確認や注意喚起の掲示をすることですが、個々の当事者間で解決する必要があります。
証拠がない場合や、当事者同士で解決できない場合には、管理会社は介入できません。民事不介入の原則により、警察も積極的に介入することは少ないため、自己責任で解決策を模索することが求められます。
※民事不介入原則とは
民事不介入原則とは、警察が個人の間の争いごと(民事紛争)に原則として介入しないという考え方です。
これは、民事紛争は当事者間で解決するか、裁判所などの法的な手続きを通じて解決すべきであり、警察の力で無理に解決するべきではない、という考えに基づいています。
まとめ
- 管理組合、管理会社との連携:駐車区画や車両の情報を常に最新の状態に保ち、問題発生時には速やかに対応してもらう。
- 駐車場の活用方法:空き駐車場にはカラーコーンや看板を設置し、無断駐車を防ぐ。
- 駐車スペースの強制移動を避ける:無断駐車があった場合、管理会社経由で解決し、自力で車両を移動させない。
- 隣接車両との接触時の対応:当て傷が発生した場合、当事者間で解決することが理想です。証拠がない場合、管理会社ができることは限られており、自己負担で修理することも検討します。
以上のように、駐車場トラブルを防ぐためには、事前の情報共有とルールの徹底が重要です。また、問題が発生した場合には、冷静に適切な対応を行い、住民同士でのトラブルを避けることが大切です。