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役員のなり手がいない、理事会が開かれない、というときでも、区分所有法第3条の団体は残ります。先に確認するのは、集会(総会)をどう開くかです。標準管理規約第42条は、総会を通常総会と臨時総会とし、区分所有法に定める集会だと定めています。区分所有法第34条第2項は、管理者が少なくとも毎年1回集会を招集すると定めています。
- 通常総会。規約第42条第3項では、理事長が毎年1回、新会計年度開始以後2か月以内に招集します。
- 臨時総会。同条第4項では、理事長が必要と認める場合、理事会の決議を経ていつでも招集できます。
- 組合は残る。会社や理事会の停滞は、第3条の団体の消滅ではありません。合意だけでは解散できません。
理事会が止まっても総会で意思決定できる
この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
監事と組合員による招集
理事長が動かないときでも、規約と法律に招集の道があります。自組合の規約の条文番号と定数を、先に開きます。
- 監事(規約第41条)。第1項で業務の執行と財産の状況を監査し総会に報告します。第3項で、業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集できます。第6項・第7項は、理事会の招集請求と、通知が無いときの監事による理事会招集です。集会そのものの代替ではありません。
- 組合員の請求(規約第44条)。組合員総数及び議決権総数の各5分の1以上の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求したとき、理事長は2週間以内に、その請求があった日から4週間以内の日を会日とする臨時総会の招集通知を発しなければなりません。通知を発しないときは、請求した組合員が臨時総会を招集できます。
- 区分所有法第34条。第3項で、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の5分の1以上であって議決権の5分の1以上を有する者が、管理者に招集を請求できます。定数は規約で減じられます。第4項で、2週間以内に請求の日から4週間以内の日を会日とする招集通知が発せられないとき、請求した区分所有者が自ら招集できます。第5項で、管理者がないときは、同じ定数で集会を招集できます。
- 通知期間。区分所有法第35条は少なくとも1週間前、標準管理規約第43条は2週間前です。規約で伸長できます。通知した事項のみ決議できるのが第37条の原則です。
規約第44条第3項では、組合員が招集した臨時総会の議長は、出席した組合員の議決権の過半数をもって組合員の中から選任します。通常は規約第42条第5項で理事長が議長ですが、この場合は別です。議事録の署名は、規約第49条では議長と議長が指名した出席組合員2人、法律第42条では紙なら議長と出席した区分所有者2人です。
総会で決める役員と委託
臨時総会を開いたあとに載せる議案は、役員の欠員、長期修繕計画の見直し、管理委託契約の確認です。建替えの定数(区分所有法第62条の5分の4)は使いません。
- 役員。標準管理規約第35条第2項は、役員を組合員から選任します。理事長は規約第38条第2項で区分所有法の管理者です。管理者の選任・解任は区分所有法第25条で、集会の決議(規約で別段)です。
- 普通決議。規約第47条第1項で議決権総数の過半数の出席、第2項で出席組合員の議決権の過半数です。法律第39条は、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数です。書面・代理は出席扱いです。
- 委託契約。規約第48条第17号は、組合管理部分に関する管理委託契約の締結を総会の決議事項とします。理事会の決定だけでは足りません。
- 名簿。規約第31条の2の区分所有者名簿と、国内管理人の届出(第31条の3)を揃えます。第31条の3を法律として引きません。区分所有法第6条の2が国内管理人の法律です。
長期修繕計画は30年以上で大規模修繕を2回以上含みます。見直しは5年程度です。作成費用の国の単価はありません。計画が止まっていることと、管理会社の委託費は別です。管理費と修繕積立金は規約第28条第4項で区分経理します。令和5年度マンション総合調査では、区分経理をしている組合は90.1%でした。
理事会停止時に管理会社を見直す手順
総会で組合の意思を揃えたあと、委託の範囲と実績を見ます。変更するときは、いまの契約書の予告期間が先です。
- 解約。標準管理委託契約書(令和5年9月11日改定)のモデルは、少なくとも三月前の書面による申入れです。条番号は手元の契約書で確認します。結んでいる契約書が優先します。
- 見積もり。事務管理、管理員、清掃、建物設備管理の四つを同じ仕様で2〜3社へ出します。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増える傾向があります。現地確認の回数は、各社の見積条件で確認します。
- 第72条。新しい業者との新規契約は、説明会、1週間前までの書面、主任者証、主任者の記名です。押印はこの条の文言にありません。成立後は第73条の書面です。
- 管理費平均。令和5年度調査の管理費(駐車場使用料等を含む1戸月額17,103円)は、区分所有者が組合に払う額です。委託費の相場ではありません。
口座は、収納後に組合保管口座へ移す型、積立金は組合口座へ直接で管理費は収納口座の型、組合名義の一口座の型、のどれかです。管理会社が通帳と印鑑を両方持たないことが原則です。第76条の分別管理、第77条の定期報告を、引継ぎの表に載せます。
外部の管理者と、書かないこと
役員のなり手不足への対応として、外部の専門家を管理者に置く話が出ることがあります。導入の手続の細部、ガイドラインの改定日、メリットの可否は、一次情報で確認します。自組合の規約が、管理者を組合員に限っているかを先に開きます。規約の設定・変更・廃止は区分所有法第31条で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の決議です(出席の要件あり)。標準管理規約第47条第3項も、規約変更等は各4分の3です。
- 監事の監査。外部の管理者を置くときも、規約第41条の監事が業務と財産を監査します。人任せのままにはしません。
- 補助金。理事会不全や管理会社変更への全国共通の補助金はありません。耐震改修等の自治体助成は、年度の要綱が先です。金額は見積書で確認します。
- 管理計画認定。管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に申請します。5年ごとに更新します。条番号は手元の契約書で確認します。会社の順位表ではありません。
- 自治会。管理組合は第3条の団体です。自治会は任意加入の親睦団体です。建物の維持管理の決定権は総会にあります。自治会費は管理費ではありません。
所在等不明区分所有者を決議から除く第38条の2は裁判です。自動の除外ではありません。第46条の2の所有者不明専有部分管理命令も、理事会不全の代わりの手続ではありません。第18条第6項は、共用部分の損害保険契約を管理とみなします。証券の名義と満期を、総会資料に載せます。規約第24条の2は、保険金の請求と受領を理事長が代理します。
東京都の管理状況届出は、昭和58年12月31日以前に新築され、居住用の独立部分が6以上あるマンションの管理組合が届け出ます。届出そのものが、理事会の代替ではありません。住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資は、管理計画認定で年0.2%の引下げがあります。役員不足の穴埋めではありません。
招集請求の実務で揃えるもの
規約第44条や区分所有法第34条で請求するときは、同意した組合員の氏名、専有部分、議決権の数、会議の目的を一枚の書面にします。口頭の賛同だけを、請求の成立にはしません。
- 目的の書き方。「理事会の件」だけでは狭いことがあります。役員の選任、監事の報告、管理委託契約の確認、長期修繕計画の見直しなど、議案の要領を分けて書きます。
- 到達の記録。理事長(管理者)への請求は、配達の記録が残る方法で送ります。2週間の起算は、請求が到達した日から数えます。
- 自ら招集するとき。通知に載せる日時・場所・目的・議案の要領は、規約第43条と同じです。WEB会議で開くときは、開催方法も示します。
- 第36条。全員の同意で招集手続を省略できます。慌ただしさを理由に、同意の書面を省略しません。
総会のあと、口座・鍵・点検記録・保険証券の所在を表にします。管理会社がいる組合では、第77条の定期報告が届いているかを監事が確認します。報告が止まっていることは、規約第41条の監査の材料です。第75条の帳簿、第76条の分別管理も、引継ぎや見直しの表に載せます。第74条は基幹事務の一括再委託を禁じます。清掃、消防、エレベーター点検は基幹事務そのものではありません。
役員の任期は規約第36条で確認します。任期切れのまま総会を開かない状態が続くと、次の契約や口座の名義変更で本人確認が止まります。副理事長は規約第39条で、理事長に事故があるとき職務を代理し、欠けたとき職務を行います。副理事長がいるときは、臨時総会の招集を先に相談する道もあります。いないときは、第44条と第34条の請求です。
管理計画認定と、マンション管理業協会の管理適正評価は、管理会社の順位表ではありません。評価の段階の数は、協会の要領で確認します。認定の有無だけを、役員選任の採点に使う使い方はしません。新宿区は管理計画認定の手続支援の例として名前だけ出します。金額は見積書で確認します。年度の要綱が先です。
区分所有法第18条は、共用部分の管理を集会の決議とし、保存行為は各共有者ができます。第6項で共用部分の損害保険契約は管理とみなします。理事会が止まっていても、保険の証券と満期は総会資料に残します。規約第27条の管理費の使途に損害保険料があります。自治会費は含みません。第28条の修繕積立金の取崩しは、計画修繕、不測の修繕、改良・変更、再生等の調査、積立金の管理運用、その他特別に必要な管理の六つです。役員の慰労や自治会への支出を、この六つに混ぜません。
国内に住所のない区分所有者には、区分所有法第6条の2の国内管理人の選任があります。招集通知は規約第31条の3の届出先へ出します。連絡が取れないことだけを、総会を開かない理由にはしません。第38条の2の裁判と、第46条の2の管理命令は、別の手続です。
よくある質問
Q. 理事長が招集しないとき、どうしますか。
A. 規約第41条第3項の監事による臨時総会、規約第44条と区分所有法第34条の5分の1以上による請求を、自組合の規約と照合します。
Q. で役員を替えられますか。
A. は建替え決議のあとの流れです。役員選任には使いません。
Q. 第三者管理者方式の手順を教えてください。
A. 未確認の細部は断定せず、一次情報と規約で確認します。規約が管理者を誰に限っているかと、第31条の規約変更の定数を先に確認します。
Q. 管理会社を変えれば理事会は不要ですか。
A. 不要にはなりません。標準管理規約では理事長が管理者です。管理会社は委託先です。第48条第17号の総会決議と第72条の説明が要ります。
Q. 補助金で管理不全を直せますか。
A. 管理不全への全国共通額はありません。自治体の工事助成は、年度要綱と申請者を確認します。
まとめ
- 区分所有法第34条と規約第42条・第44条で、臨時総会の道を開きます。
- 監事は規約第41条第3項で、不正を認めるとき臨時総会を招集できます。
- 役員選任と管理委託契約は総会です。建替えのは使いません。
- 管理会社の見直しは、三月前書面のモデルと、同じ仕様の2〜3社です。
- 第三者管理者の細部や全国共通の補助金の有無は、一次情報と要領で確認します。
免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。招集の定数、役員の資格、契約の予告期間はその管理規約、契約書、見積もりで確認してください。
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

