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マンションのアスベスト(石綿)事前調査の義務化と管理組合が取るべき対応
マンションの維持管理において、法制化が進むアスベスト(石綿)対策は避けて通れない重要課題です。2023年以降さらなる厳格化が進んでおり、適切な対応を怠ると工事の遅延や、主に元請事業者に対する罰則といった法令違反のリスクが生じます。
本稿では、2026年9月5日時点の最新法令に基づき、管理組合や建物オーナーが把握すべき事前調査の義務とその実務的な解決策について、宅地建物取引士・管理業務主任者の視点から解説します。
石綿事前調査・報告の法的義務(2023年10月~最新)
建築物の解体・改修工事を行う際、石綿障害予防規則第3条および大気汚染防止法第18条の15に基づき、着工前の「事前調査」が全ての工事で義務付けられています。
有資格者による調査義務(2023年10月1日施行)
2023年(令和5年)10月1日より、事前調査は以下のいずれかの有資格者が行うことが必須となりました。 ・特定建築物石綿含有建材調査者 ・一般建築物石綿含有建材調査者 ・一戸建て建築物石綿含有建材調査者(一戸建て住宅または共同住宅の住戸内部のみ対象) ・所定の講習修了者および公益社団法人日本アスベスト調査診断協会に経過措置として登録された者
行政への報告義務が生じる閾値
石綿の有無にかかわらず、以下の規模の工事では「石綿事前調査結果報告システム」を通じて自治体や労働基準監督署への報告が義務付けられます(大気汚染防止法)。 ・建築物の解体工事:解体部分の延べ床面積が80㎡以上 ・建築物の改修・補修工事:請負代金の合計額が税込100万円以上
【重要】 専有部のリフォームであっても、工事金額が税込100万円以上の場合は報告義務の対象となります。また、上記閾値未満の小規模工事であっても、有資格者による事前調査自体は免除されない点に注意が必要です。
管理組合が留意すべき実務上の課題
調査範囲と対象建材
吹付け材(レベル1)や保温材(レベル2)だけでなく、現在はビニル床タイル等の成形板等(いわゆるレベル3建材)も全て調査対象に含まれます。これらは届出対象外となるケースが多いものの、事前調査自体は必須です。目視だけでなく、設計図書との照合や、必要に応じた分析調査が求められます。
管理規約と決議要件
マンション全体の石綿調査や対策工事の費用は、区分所有法第39条に基づき、原則として集会の通常決議で決定します。ただし、管理規約に別段の定めがある場合や、共用部分の重大な変更を伴う場合は特別決議(区分所有者数および議決権の各4分の3以上の賛成)を要することがあるため、事前に既存の管理規約条項を確認することが必須です。なお、これらは一般的な法解釈であり、個別のマンションの状況によって手続きは異なります。
管理会社選定と見積もりの実態
法令遵守が厳格化する中、管理組合が「5〜6社もの相見積もり」を要求すると、受託を敬遠されるリスクが高まります。
管理会社は見積作成にあたり、現地調査(3〜4回)、各設備会社(EV・消防・警備等)との調整、理事会面談など膨大な人件費を投じます。特に20戸〜40戸規模のマンションでは、過度な見積依頼は管理会社の「採算割れ」を招き、結果として良質な管理サービスを拒絶される要因となり得ます。
実務上、相見積もりは2〜3社に絞り込むことが、管理会社の積極的な提案を引き出す最も効率的な範囲といえます。
MIJによるソリューションと補助金の活用
株式会社MIJでは、管理組合の事務負担を軽減するため、複雑な「自治体補助金」の申請代行を積極的に提案しています。
- 補助金制度の注意点: 石綿調査や除去に関する補助金は、年度や自治体ごとに要件が大きく変動します(例:2026年時点の東京都各区の運用など)。通常の管理会社は手間を嫌い提案しないケースが多いですが、MIJでは最新の制度照会から申請までをサポートします。
管理事業撤退を検討中の企業様へ
現在、マンション管理事業からの撤退や売却を検討されている企業向けに、MIJでは以下の支援を行っています。 ・撤退時のトラブル回避: 法令遵守(石綿調査記録の引継ぎ等)を徹底した円滑な移管スキームの構築。 ・既存業者の継続: 管理現場を熟知した既存の協力業者を極力継続し、居住者の不安を解消。 ・費用の直接支援: 撤退に伴うコスト負担を軽減するため、当面の人件費補助などの具体的なサポートを提供します。
Q&A:マンション石綿対策の疑問
Q:配管更新において、SRCT工法と一般的な配管引き直しはどちらが安価ですか? A: 条件により異なりますが、壁裏のアスベスト含有建材を壊さずに施工できるSRCT工法は、一般的な更新工事より費用を抑えられる傾向にあります。これは、アスベストの飛散防止養生や廃棄物処理コストを削減できる可能性があるためです。
Q:事前調査費用は誰が負担すべきですか? A: 大気汚染防止法の枠組みでは「発注者(管理組合・オーナー)」が負担することが原則とされています。ただし、現行の管理委託契約書や工事請負契約書に別段の合意がある場合は、その条項が最優先されます。
免責事項:本資料は2026年9月5日時点の法令等に基づいた一般的な情報提供であり、特定の物件や契約に対する法的助言を構成するものではありません。具体的な運用については、各自治体の窓口や専門家にご相談ください。
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

