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管理員、マンション管理士、管理会社は、現場、助言、受託の実務です。理事長(区分所有法の管理者)の代わりではありません。総会の決議は、標準管理規約では第47条の普通決議です。誰に何を頼むかは、いまの管理委託契約書と管理規約を先に開きます。
- 管理員。受付、巡回、日常の清掃、業者の立会いなど、契約で決めた現場の仕事です。国家資格は要りません。組合が直接雇うときと、管理会社の従業員が来るときがあります。
- マンション管理士。適正化法第2条で、登録を受け、専門的知識をもって相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う者です。名称独占は第43条です。第30条は登録の条です。
- 管理会社。第44条の登録を受けてマンション管理業を営む者です。登録の有効期間は5年です。事務所ごとに専任の管理業務主任者を置きます(第56条)。
- 管理業務主任者。第72条の重要事項説明と、書面への記名をする資格です。宅地建物取引士の重要事項説明は、売買・賃貸の場面です。
この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

管理員に頼めること・頼めないこと
管理員の仕事の範囲は、結んでいる管理委託契約書の管理員業務の項目です。標準管理委託契約書の改定は令和5年9月11日です。条番号は手元の契約書で確認します。
- 現場。外来者の受付、共用部分の目視、電球の交換、業者点検の立会い、日報。日常清掃を同じ人が担う契約もあります。
- 時間。勤務の曜日と時間帯、住み込みか通勤かを仕様書に書きます。相見積もりでは、この項目をそろえます。
- 頼めないこと。滞納の法的な請求、規約の解釈、住民間の争いの仲裁は、特約が無い限り管理員の業務には入りません。債権者は管理組合、請求の名義は理事長です。
- 雇用。管理会社の従業員として来るとき、組合が直接雇うときで、指揮命令の相手が違います。どちらでも、仕事の範囲は書面です。
管理員がいない日の緊急連絡先は、管理会社の担当者の欄です。管理員の携帯電話だけを、漏水の唯一の窓口にはしません。
清掃と管理員を同じ人に重ねる契約では、日常清掃の回数と、管理員の勤務時間を別の項目に書きます。一式の欄は空欄のままにします。金額が無い行をゼロ円として合計しません。

マンション管理士は、助言の資格

マンション管理士は、管理組合の管理者等または区分所有者等の相談に応じます。総会で決める主体ではありません。訴訟の代理人にもなりません。
- 名称。マンション管理士でない者は、マンション管理士またはこれに紛らわしい名称を使ってはなりません(第43条)。登録は第30条です。
- 使う場面。規約の案、長期修繕計画の読み方、委託契約の仕様の整理、総会資料の点検。管理会社との利害が分かれるとき、組合側の相談役になります。
- 決めないこと。管理委託契約の締結は、標準管理規約第48条第17号の総会決議事項です。管理士の意見書があっても、理事会の内定だけでは契約しません。
- 管理業務主任者との違い。主任者は、業者の側で第72条の説明と記名をします。管理士は、組合の側の助言が主です。同じ人が両方の登録を持つことはありますが、その日の立場を議案に書きます。
管理計画認定の申請は、管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に行います。認定は5年ごとに更新します。管理士が申請を手伝っても、申請者は管理者等です。標準管理規約では第48条第16号の総会事項です。
管理適正評価はマンション管理業協会の評価です。管理士の資格の順位表ではありません。
管理会社と、管理業務主任者

管理会社は受託者です。決定機関ではありません。標準管理規約第33条は、第32条の業務の全部または一部を第三者に委託できると置いています。監督は理事会に残ります。
- 登録。第44条で国土交通省に備える登録簿へ登録します。有効期間は5年、更新の登録が要ります。
- 主任者。第56条で事務所ごとに専任の管理業務主任者を置きます。第72条の新規契約は説明会、書面を1週間前までに区分所有者等と管理者等へ、主任者証の提示、書面への記名です。同一条件の更新は書面交付で足り、管理者がいれば管理者への説明です。
- 契約後。第73条の書面、第74条の基幹事務の一括再委託禁止、第75条の帳簿、第76条の分別管理、第77条の定期報告です。
- 決議。委託契約は第47条の普通決議です。区分所有法第39条は、法律または規約に別段がなければ出席した区分所有者及びその議決権の各過半数です。自組合の規約が先です。
理事長は、標準管理規約第38条第2項で区分所有法の管理者です。管理者の選任・解任は第25条(規約で別段)です。管理会社の担当者が理事長を務める形は、この記事の「管理員」でも「管理士」でもありません。外部の管理者を置くときは、規約の定めと総会の決議を確認します。
宅地建物取引士は、宅地建物取引業法の資格です。売買や賃貸の重要事項説明をします。管理受託契約の第72条の説明は、管理業務主任者の仕事です。肩書が宅建士であることだけでは、第72条の説明の代わりになりません。
管理人・管理士・管理会社を使い分けるときの書類

三人を同時に頼むときほど、誰の担当かを仕様書に書きます。相見積もりは、同じ仕様で2〜3社です。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増えます。実務上の傾向であり、公的な統計ではありません。
- 管理員の項目。曜日、時間、清掃の回数、立会いの範囲。
- 管理会社の項目。事務管理、建物・設備管理、報告の時期、口座の型。通帳と印鑑を業者が両方持たない置き方にします。保証には上限があります。上限の円は契約書で確認します。
- 管理士の項目。助言の対象、回数、成果物(意見書、規約案の点検)。任意の提案は合計の外です。
- 解約。いまの契約書の申入れ期間が先です。標準は少なくとも三月前の書面です。短い通知は争いになり得ます。当然に無効かどうかは、契約書と弁護士に確認します。
管理費の全国平均は、令和5年度マンション総合調査で駐車場使用料等を含む1戸月額17,103円です。含まない11,503円、修繕積立金(駐車場等を除く)13,054円です。管理委託費の相場ではありません。管理員の人件費の目安にもしません。
三人の使い分けそのものへの全国共通の補助金はありません。東京都マンション改良工事助成は、工事の例として名前だけ挙げます。金額は見積書で確認します。年度要綱が優先です。
総会通知は第43条で2週間前、区分所有法第35条は少なくとも1週間前です。議事録は第49条で議長と、議長が指名した出席組合員2人が署名します。
長期修繕計画は30年以上、大規模修繕を2回以上含むのがガイドラインの考え方です。見直しは5年程度です。作成または変更は第48条第5号です。管理士の助言があっても、計画を机の中に置いたままにはしません。
口座の型は、収納後に組合保管口座へ移す、積立金は組合口座へ直接・管理費は収納口座、組合名義の一口座、の三つがモデルです。管理員が通帳を預かる形は、契約に無い限り置きません。
区分経理をしている組合は令和5年度調査で90.1%です。管理費と修繕積立金の項目を、管理員の日報で混ぜません。火災・地震等の損害保険料は第27条第5号の管理費の使途です。自治会費は含みません。
書面または代理人による議決権の行使は、区分所有法第39条第2項と標準管理規約第47条第7項で出席に算入します。管理士が総会に同席しても、委任状の提出者が本人であるかは、通知に書いた締切で確認します。
東京都のマンション管理状況届出は、昭和58年(1983年)12月31日以前新築で居住用独立部分6以上が対象です。届出者は管理組合です。管理員が窓口になっても、届出の名義は組合です。
住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資は、管理計画認定で年0.2%の引下げがあります。すまい・る債、耐震・浸水・省エネもそれぞれ0.2%、下限は0.1%です。節約額は、証券と見積もりの差額で確認します。管理士の助言や管理会社の有無だけで、融資の可否は決まりません。
集会は区分所有法第34条で管理者が少なくとも毎年1回招集します。管理員や管理会社の担当者が招集の名義人になることは、規約で管理者が理事長とされている組合では通常ありません。
よくある質問
Q. 管理員に滞納の督促を頼めますか。
A. 特約が無い限り、管理員の業務には入りません。請求の名義は組合です。第60条の督促と、第60条第4項の訴訟は理事会の決議です。
Q. マンション管理士に総会の決議を代わりにしてもらえますか。
A. なりません。助言と、総会の決議は別です。委託契約は第48条第17号です。
Q. 名称独占の条は第30条ですか。
A. 第30条は登録、第43条が名称独占です。
Q. 宅建士が第72条の説明をできますか。
A. 第72条の説明と記名は管理業務主任者です。宅建士は売買・賃貸の重要事項説明です。
Q. 管理会社に出せば理事の責任はなくなりますか。
A. なくなりません。第33条は委託できる条です。報告を読むのは理事会です。
Q. 補助金で管理員を雇えますか。
A. 管理員の雇用や管理会社変更への全国共通の補助金はありません。
Q. 管理会社の担当者と管理員は同じ人ですか。
A. 多くの契約では違います。管理員は現場、担当者(フロント)は事務と理事会への出席です。仕様書の項目を分けます。
Q. 管理士に重要事項説明を頼めますか。
A. 第72条の説明は、契約を結ぼうとするマンション管理業者の管理業務主任者が行います。管理士の助言会とは別です。
Q. 組合が管理員を直接雇うときは、第72条は要りますか。
A. 第72条は管理受託契約を締結しようとするマンション管理業者の義務です。直接雇用の労働契約とは別です。労働の条件は、結ぶ契約書で確認します。
候補会社を理事会に呼ぶときは、管理員の勤務時間、担当者の棟数、夜間休日の連絡、月次報告の到着を同じ紙で聞きます。答えは議事録の別紙に残します。
いまの会社に残るか替えるかの合図が一つだけのときは、改善を求める文書を先に出し、期限を切って返事を待つ方法もあります。管理員の勤務時間が契約より短い、という記録は、日付つきで残します。
開始日と終了日を揃えないと、管理員の不在と、会計の窓口の空白が同時に起きます。短期延長を書面で確認します。自主管理へ暫定で移るときは、受付と法定点検の手配を誰が行うかを役割表に書きます。
自組合の規約が標準と違うときは、標準の条文番号ではなく、自組合の条文を総会資料に書きます。コメントは規約例です。この規約例では管理組合を法人としていません。管理士や管理会社を頼む条件に、法人の登記は要りません。
監事は、業務の執行と財産の状況を監査し、総会に報告します。管理員の日報と、管理会社の月次報告と、管理士の意見書を、同じ綴りに混ぜず、誰の文書かを表紙に書きます。口頭の共有だけでは、次期の理事会へ引継ぎ資料として渡せません。
まとめ
- 管理員は現場、マンション管理士は助言、管理会社は受託の実務です。決定は総会と理事会です。
- 名称独占は第43条、登録は第30条、業者の登録は第44条(有効期間5年)です。
- 第72条の説明と記名は管理業務主任者です。宅建士の重説は売買・賃貸です。
- 管理員の範囲は契約書の管理員業務の項目です。条番号は手元の契約書で確認します。
- 使い分けそのものへの全国共通の補助金はありません。管理費の平均は委託費の相場ではありません。
第72条の説明会の開催日は、契約の開始日より前に日程表へ書きます。
免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。仕事の範囲、資格、委託費はその管理規約、契約書、見積もりで確認してください。
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

