管理会社の重要事項説明|適正化法第72条と第73条の確認点

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目次

管理受託の重説は、第72条の主任者の説明

管理会社の重要事項説明は、売買の重説ではありません。根拠はマンション管理適正化法第72条です。説明するのは管理業務主任者で、書面には主任者が記名します。記名押印とは書きません。

  • 新規。説明会を開き、1週間前までに重要事項と日時場所を書いた書面を、区分所有者等と管理者等の全員へ交付します。
  • 主任者証。説明の相手に提示します。無資格者が主体となって説明する形は、この条に合いません。
  • 同一条件の更新。第2項は区分所有者等全員への書面交付で足ります。管理者がいれば、第3項で管理者等に対して主任者が書面を交付して説明します。
  • 第73条。契約成立後、遅滞なく管理者等へ契約内容の書面を交付します。
管理受託契約の重要事項説明は第72条の主任者

この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は株式会社MIJによる情報提供であり、自社サービスの紹介を含みます。

新規と更新で、項が違う

第72条は、新しい契約と、従前と同一条件の更新を分けています。業者を変える契約は、更新ではありません。

第72条の新規説明会と同一条件更新の書面
  • 第1項(新規)。管理受託契約を新たに結ぼうとするとき、説明会を開きます。書面は説明会の1週間前までに、区分所有者等と管理者等へ届けます。保険募集や工事の説明ではありません。
  • 第2項(同一条件の更新)。従前と同一条件で更新するときは、区分所有者等全員への書面交付で足ります。
  • 第3項。管理者等が置かれているときは、管理者等に対して主任者が書面を交付して説明します。理事会のヒアリングを、この説明の代わりにはできません。
  • 条件が変わる更新。金額や仕様が変わる契約は、同一条件ではありません。第1項の説明会が要るかを、契約の内容で確認します。

宅地建物取引業法第35条の重説は、売買や賃貸の契約です。説明するのは宅地建物取引士です。管理受託の説明を宅建士が代わりに行う条項はありません。マンション管理士は名称独占の資格で、第72条の説明者ではありません。

オンラインでの説明を、この記事では断定しません。確認できるのは、対面の説明会と、1週間前の書面、主任者証の提示、書面への記名です。

第73条は、成立後の書面

説明会が終わっても、契約は成立していません。総会で締結を決めたあと、第73条の書面が届きます。

第73条の契約成立後書面に載る項目
  • 交付の相手。管理者等へ遅滞なく交付します。管理者がいないとき、または業者自身が管理者のときは、区分所有者全員へ交付します。
  • 載せる事項。管理事務の内容と実施方法(第76条の財産管理の方法を含む)、費用と支払時期、再委託の定め、契約期間、更新と解除の定めです。
  • 四つの業務。標準管理委託契約書の事務管理、管理員、清掃、建物設備管理です。見積書もこの四つで分けます。
  • 一式。内訳の無い行は空欄のまま根拠を聞きます。0円とは書きません。任意の提案は合計の外です。

第74条は、基幹事務の一括再委託を禁じています。会計の調定、出納、修繕の企画または実施の調整が基幹事務です。清掃、消防、エレベーター点検は基幹事務そのものではないので、専門業者への再委託はこの禁止の対象ではありません。再委託の行が第73条書面にあるかを見ます。

72条書面で先に見る欄

説明会の当日に初めて書面を開く形は、1週間前の交付に合いません。届いた書面を、総会の招集より前に理事会で読みます。

第72条書面で見る分別管理と解除の欄
  • 分別管理。第76条は、修繕積立金などの財産を、自己の固有財産と他の組合の財産と分別して管理すると定めています。口座は、収納後に組合保管口座へ移す型、積立金は組合口座へ直接・管理費は収納口座の型、組合名義の一口座の型です。
  • 印鑑と通帳。管理会社が両方を持たない、という点を欄で確認します。保証には上限があります。上限と、自組合の月の収納額を並べます。
  • 解除。標準管理委託契約書のモデルは、少なくとも三月前の書面による申入れです。優先するのは、結んでいる契約書の条項です。条番号は書きません。
  • 第77条。管理者がいるとき、管理業者は定期に、管理業務主任者をして管理事務の報告をさせます。報告のときも主任者証の提示が要ります。回数と様式を、書面と仕様で合わせます。
  • 第75条。管理業者は、委託を受けた管理事務について帳簿を作成し保存します。保存場所と期間を質問に置きます。

管理費(駐車場使用料等を含む)全国1戸月額17,103円は、区分所有者が組合に払う額です。委託費の相場ではありません。72条書面の金額欄に、この数字を適正の根拠として書き写しません。

見積もりを取るときは、同じ仕様で2〜3社です。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増えます。実務上の傾向であり、公的な統計ではありません。現地調査の回数を、この記事では書きません。

説明会は、総会の代わりにならない

第72条の説明は、契約を結ぶ前の手続です。締結の決議は総会です。

第72条の説明会と総会決議は別の手続
  • 第48条第17号。組合管理部分に関する管理委託契約の締結は総会の決議事項です。
  • 普通決議。区分所有法第39条は、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数です。標準管理規約第47条第1項と第2項は、議決権総数の過半数の出席と、出席組合員の議決権の過半数です。規約で定数を上げていれば、その定めです。
  • 招集。第35条は少なくとも1週間前、規約第43条は2週間前です。第37条は通知した事項のみ決議が原則です。契約の締結は、通知に議案として載せます。
  • 日程。説明会のあと、区分所有者が書面を読む日数を空けてから総会を開きます。総会の当日に初めて72条書面を配る形は、1週間前の交付に合いません。

説明会の書面は、第31条の2の区分所有者名簿と、国内管理人の届出(第31条の3)の宛先へ届けます。届出が無い海外の所有者を、最初から所在不明とは扱いません。第36条は、全員の同意で招集手続を省略できます。第72条の1週間前の交付を、この同意で省略できるとは書きません。

管理計画認定は、管理者等が、適正化推進計画を持つ都道府県等の長に申請し、5年ごとに更新します。第48条第16号の総会決議です。認定は第72条の説明の代わりになりません。管理適正評価も、管理会社の順位表ではありません。

説明会で聞く質問

書面の欄が空欄のまま進むと、成立後の第73条書面で初めて分かることになります。説明会で、次の行を口頭でも確認します。

  • 管理員の勤務。日、時間、通勤か住込みかです。東京都最低賃金は、2026年9月時点で有効な1,226円(2025年10月3日発効)です。
  • 清掃と点検。日常と定期の回数、法定点検の範囲です。法定の回数は法令で固定です。
  • 未納の督促。どこまでを事務管理に含み、法的措置を誰が決めるかです。標準管理規約第60条第4項は、理事長が理事会の決議により法的措置を追行できます。
  • 引継ぎ。開始日、口座の名義、帳票の引渡しです。第64条は、理事長が帳票類を保管し、理由を付した書面による請求で閲覧させます。

監事は第41条で業務の執行と財産の状況を監査します。72条書面と見積もりの比較表を、総会資料に残すと監査の跡も追えます。管理会社から契約の終了を打診されたときも、見る順は予告期間、規約の決議、次の業者の第72条です。

重要事項説明そのものへの全国共通の補助金はありません。工事の助成を、委託費の説明の加点には使いません。年度要綱が優先します。

書面の保管と、あとから食い違うとき

説明会で聞いた内容と、成立後の第73条書面が違うときは、総会で承認した仕様のどれかを先に開きます。口頭の補足だけで契約書を上書きしません。

  • 保管。72条書面、73条書面、見積書、総会資料を、第64条の帳票類と並べて理事長が保管します。業者のシステムにだけ残る形は避けます。
  • 区分経理。第28条第4項で、修繕積立金は管理費と区分して経理します。調査では90.1%です。書面の口座の型が、この区分と食い違っていないかを見ます。
  • 第25条第2項。管理費等の額は共有持分に応じた算出が原則です。委託費の内訳が変わっても、区分所有者が払う管理費の変更は第48条第6号の別議案です。
  • 第32条。組合の業務(保安、修繕、長期修繕計画、設計図書、履歴情報、保険、渉外)は、委託しても組合に残ります。書面で外した事務は、理事が回す範囲になります。

第34条は、管理者が少なくとも毎年1回集会を招集すると定めています。通常総会の議案に、同一条件の更新を載せるときも、第2項の書面交付の記録を添付します。交付していない更新は、同一条件の手続を踏んでいません。

第42条の議事録は、議長と出席した区分所有者2人が署名します。規約第49条は、議長と議長が指名した出席組合員2人です。説明会の出席簿は、総会の議事録ではありません。両方を残します。

値上げの更新で、同一条件かを見る

委託費だけが上がり、業務の回数は同じ、という更新は、同一条件かどうかが争点になります。この記事では、金額が変われば同一条件ではない、と一律には切りません。書面の業務の範囲、回数、口座の型、再委託の定めが変わっているかを、項ごとに見ます。

  • 時給の改定。管理員と清掃の時給×時間の行が動いているときは、仕様の回数と分けて説明してもらいます。総額の率だけでは、最低賃金の改定と、仕様の追加が混ざります。
  • 任意の追加。コールセンターや遠隔監視を足した行は、合計の外です。基本の四業務が同じか、先に確認します。
  • 保証の上限。収納額が増えた年に、保証の上限が据え置きになっていないかを見ます。第76条の分別管理は、保証の有無だけでは足りません。

条件が変わるときは、第1項の説明会を開く前提で日程を組みます。開かないまま総会へ出すと、区分所有者が1週間前の書面を読んでいません。日程は、いまの契約書の予告期間と、標準管理規約第43条の2週間前招集から逆算します。

よくある質問

Q. 理事会向けの説明を、第72条の説明会にしてよいですか。
A. なりません。第1項は区分所有者等と管理者等への書面と説明会です。理事会だけの場は足りません。

Q. 同一条件の更新でも説明会が要りますか。
A. 第2項は書面交付で足ります。管理者がいれば第3項で管理者へ説明します。金額や仕様が変わる契約は、同一条件ではありません。

Q. 宅建士が説明すれば足りますか。
A. 管理受託契約の説明と記名は、管理業務主任者です。宅建士の重説は売買・賃貸です。

Q. 書面に押印が無いと無効ですか。
A. 第72条は記名です。記名押印とは書きません。

Q. オンラインの説明は認められますか。
A. この記事では断定しません。確認できるのは、説明会、1週間前の書面、主任者証の提示、記名です。

Q. 説明会のあと、総会なしで契約できますか。
A. 第48条第17号では、締結は総会の決議事項です。説明会は決議の代わりになりません。

Q. 管理者不在の組合では、第73条書面は誰へ届きますか。
A. 管理者がいないとき、または業者自身が管理者のときは、区分所有者全員へ交付します。

Q. 17,103円より高い委託費は、説明会で却下できますか。
A. 17,103円は徴収額の全国平均です。委託費の上限ではありません。四つの業務の仕様と内訳で見ます。

まとめ

  • 管理受託の重説は適正化法第72条です。説明するのは管理業務主任者で、書面には記名します。
  • 新規は説明会と1週間前の書面、同一条件の更新は第2項の書面交付、管理者がいれば第3項の説明です。
  • 成立後は第73条の書面です。第76条の分別管理と、第74条の一括再委託禁止を欄で見ます。
  • 締結は第48条第17号の総会です。説明会の当日に初めて書面を配る形は、1週間前の交付に合いません。
  • 宅建士の重説とは別です。オンライン説明は断定しません。全国共通の補助金はありません。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。説明会の要否、書面の記載、決議の定数はその管理規約、管理委託契約書、重要事項説明書で確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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