マンション管理費の相場は?戸数別の統計と見直しの注意点

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

マンションの管理費を平均と比べるときは、先に定義を揃えます。国土交通省の令和5年度マンション総合調査(令和6年6月21日公表)は、1戸あたりの月額を二つ出しています。駐車場使用料等からの充当額を含む管理費の総額の平均は17,103円です。同じ充当額を除いた管理費の平均は11,503円です。差額は、管理の中身が違うのではなく、駐車場などの使用料を管理費の収入に入れているかどうかです。

この記事は、2026年9月時点で参照できるこの調査の戸数別の平均と、自組合の額を見直すときの決議と見積もりの見方を整理します。調査は5年に一度で、次の総合調査の数字は、ここに書いてありません。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。自組合の規約と、いまの管理委託契約が優先します。

目次

管理費の平均|全国・単棟・団地で数字が違う

含む総額の平均は、形態でも分かれます。単棟型は17,214円、団地型は14,925円です。全国の17,103円を、単棟型の平均として読むと、団地型の棟まで高く見えます。除いた側の平均は、単棟型11,580円、団地型10,394円です。概要編は、単棟型の除いた平均について、前回調査の10,970円と比べています。含む総額の17,103円と、前回の除いた平均を、同じ列で引き算しません。

専有面積1平方メートルあたりの管理費(駐車場使用料等を除く)の全国平均は158.6円です。この単価に専有面積を掛けた額は、除いた側の目安です。駐車場を含む月額と、158.6円に面積を掛けた額を、同じ「高い・安い」の判定には使いません。

管理費の全国平均は駐車場を含む額と除いた額で分かれる

戸数別は、含む総額で見ます

概要編は、総戸数規模が大きくなるほど、1戸あたりの管理費は低くなる傾向にある、と書いています。データ編の、駐車場使用料等を含む月額・1戸あたりの平均欄を、円未満で四捨五入すると次のとおりです。

戸数別の管理費平均は駐車場使用料等を含む総額
  • 20戸以下は22,131円(回答85件)
  • 21戸から30戸は19,538円(187件)
  • 31戸から50戸は17,147円(364件)
  • 51戸から75戸は17,044円(358件)
  • 76戸から100戸は15,500円(170件)
  • 101戸から150戸は15,665円(161件)
  • 151戸から200戸は13,932円(67件)
  • 201戸から300戸は15,315円(69件)
  • 301戸から500戸は14,680円(57件)
  • 501戸以上は21,513円(35件)

20戸以下の22,131円から、151戸から200戸の13,932円までは、規模が大きい帯の方が低い、という概要編の傾向と揃います。501戸以上は21,513円で、再び高くなります。回答は35件です。規模が大きいほど必ず低い、という読み方は、この帯で止まります。101戸から150戸の15,665円が、76戸から100戸の15,500円を少し上回る、という段差もあります。

同じ戸数帯でも、駐車場使用料等を除いた平均は別の表です。全国は11,503円、20戸以下は14,282円、21戸から30戸は13,948円、51戸から75戸は10,934円、151戸から200戸は9,540円、501戸以上は12,929円です。含む総額の22,131円と、除いた側の14,282円を、20戸以下の「どちらが本当の相場か」で並べません。自組合の収支が、駐車場収入を管理費に入れているなら含む側、区分所有者からの管理費だけで見ているなら除いた側です。

管理費、修繕積立金、委託費

標準管理規約第25条の管理費等は、管理費と修繕積立金です。額は、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出します。持分の表が専有面積と違う組合は、その表です。1戸あたりの全国平均は、広い住戸と狭い住戸の差を消した数字です。

管理費は、第27条の通常の管理に充てます。管理員の人件費、共用設備の保守、清掃、委託業務費などが、その中に並びます。管理会社へ払う委託費は、このうちの委託業務費であって、17,103円そのものではありません。見積もりが17,103円より高いから割高、低いから適正、とは判定しません。

修繕積立金は、第28条の特別の管理に限って取り崩します。計画的な修繕、不測の修繕、改良、建替えなどの調査が、その例です。周期の年数は、長期修繕計画の項目ごとに違います。積立金を、管理費の不足へ回す前提では比較しません。同じ調査の整理では、管理費と修繕積立金を区分経理している組合は90.1%です。自組合の決算が、一つの通帳の中で費目だけ分かれているのか、会計自体が分かれているのかを、総会資料で確認します。

管理費と修繕積立金と管理委託費は別の金額

見積もりは、委託費の四つの業務で揃える

管理会社の見積もりを管理費の平均と比べる前に、仕様を固定します。標準管理委託契約書(令和5年9月11日改定)の整理では、委託費は事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物・設備管理業務に分かれます。「管理業務一式」の一行は、どの業務が抜けているかが見えません。一式の欄は空欄のまま比較し、金額が無い行を0円として合計しません。任意の提案は、本体の合計の外に置きます。

管理委託費の見積もりは四つの業務に分ける

同じ四つの業務で、2〜3社に頼む。5社、6社へ同時に頼むと、20戸から40戸程度では現地の確認に対して受注の見込みが薄く、辞退が増えます。辞退は、不参加と日付を残します。回数を落とした案は、いまの仕様のどの業務が消えたかを別に見ます。

委託費が下がっても、清掃や点検を組合の直接契約に移しただけなら、管理費の合計は下がっていません。見積もりの合計と、移した業務の別契約を、同じ表の横に置きます。

額を変えるときは、規約の決議です

標準管理規約を使っている組合では、管理費等の額と賦課徴収方法は、第48条第六号の総会の決議事項です。採決は第47条です。定足数は、議決権総数の過半数を持つ組合員の出席です。可決は、出席組合員の議決権の過半数です。この第47条第2項は、普通決議の規約上の定めであって、特別決議ではありません。規約の変更は第47条第3項です。定足数は、組合員総数の過半数かつ議決権総数の過半数の出席で、可決は出席組合員およびその議決権の各4分の3以上です。管理費の額の変更を、規約変更の4分の3と読み替えません。

管理費の額は標準管理規約第47条の普通決議

標準管理規約を使っていない組合は、規約に別段の定めがなければ、区分所有法第39条です。2026年4月1日以降の条文は、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く)およびその議決権の各過半数です。規約が、頭数と議決権の両方を要求しているか、議決権だけかは、その規約の総会の条項を見ます。

組合管理部分に関する管理委託契約の締結も、標準管理規約では第48条第十七号の総会事項で、採決は同じ第47条です。契約を終えるときの予告は、いま締結している契約書です。標準管理委託契約書のモデルは、少なくとも三月前の書面による解約の申入れです。条番号は契約ごとに違うので、手元の契約書の解約条項で確認します。モデルより長い予告が書いてあれば、その月数です。

自治体の支援は、管理費の月額そのものを補う全国共通の制度としては置いてありません。改修工事に当該年度の要領があるかは、公益財団法人マンション管理センターがまとめる地方公共団体の支援制度の一覧と、自治体のサイトで確認します。要領に無い金額を、管理費の比較から引きません。

自組合の額を置く手順

最初に、直近の収支予算から、1戸あたりの管理費を二つ計算します。駐車場使用料等を管理費に入れた総額と、入れない額です。戸数で割る前に、店舗がある棟は住宅戸数だけか全体かを、予算の注記で確認します。

次に、単棟型か団地型かを決め、上の戸数帯の含む平均と、除いた平均の同じ帯を横に置きます。20戸以下なら、含む22,131円と、除く14,282円です。自組合の数字がどちらの定義かも、同じ行に書きます。

面積で見るときは、158.6円に自戸の専有面積を掛けた額を、除いた側の管理費とだけ比べます。持分が専有面積と違う住戸は、規約の持分で按分した額を使います。

平均より高い行があっても、委託費の四つの業務のどれが原因かは、平均からは分かりません。高い帯に入ったときに開くのは、直近の委託契約の内訳と、管理員の勤務時間、点検の項目です。平均との差を、値上げ幅の案としては使いません。値上げの案は、足りない業務の見積もりから作り、総会の議案に定義(含むか除くか)を書きます。

平均より低くても、科目は見ます

除いた側の全国平均11,503円を下回っていても、清掃や点検が予算から落ちていることがあります。低いことを、適正の結論にはしません。予算の科目を、第27条の通常の管理(管理員、共用設備、清掃、委託業務費など)と突き合わせ、空欄の科目を一覧にします。空欄が、組合の直接契約へ移した業務なら、その契約額を横に足します。足したあとの合計で、もう一度、同じ定義の平均と並べます。

駐車場収入の行き先も、定義を変えます。使用料を管理費に充当しているなら、含む総額の表です。修繕積立金に入れているなら、管理費の含む平均とは収入の置き場所が違います。その棟は、除いた側の管理費と、積立金の額を、別の行で見ます。積立金の全国平均は、管理費の17,103円とは別の集計です。積立金の平均額は、管理費の比較には混ぜません。

総会の議案に書くこと

額を変える議案には、四行を書きます。いまの1戸あたり(含む総額か、除いた額かを明記)、変えたあとの額、差額の使い道(どの業務の見積もりか)、採決に使う規約の条項、です。標準管理規約なら、条項は第48条第六号と第47条です。議案の説明文に、全国平均との差だけを書いて、業務の見積もりを添付しない総会は、承認の材料が平均だけになります。

持分が住戸で違うときは、1戸あたりの平均を全戸に同じ額で掛けません。規約の持分で按分した額を、議案の別表にします。別表が無い議案は、総会の前に理事長が作ります。按分の結果、広い住戸だけが平均を大きく超えて見えても、持分どおりなら、その差を是正の対象にはしません。持分と違う負担に変えるときは、額の変更ではなく、規約の持分の変更です。変更は第47条第3項の決議です。

可決した日と、新しい額の開始月は、別の日付です。開始月は、管理会社への通知と、口座振替の変更が間に合う月にします。通知の期限は、締結中の契約の変更手続に従います。総会の翌月から、と議案に書いたのに振替が旧額のままなら、差額を翌月以降で調整する段取りを、議事録に残します。

よくある質問

Q. 月12,000円は高いですか。
A. その12,000円に駐車場使用料等を含めているかで、比べる平均が変わります。含めていない額なら全国は11,503円、含む総額なら17,103円です。単棟か団地か、戸数の帯も揃えます。

Q. 見積もりが17,103円を超えたら割高ですか。
A. 17,103円は、1戸あたりの管理費の総額の平均です。管理会社への委託費の平均ではありません。委託費は、同じ四つの業務の見積もり同士で比べます。

Q. 最初にどの書類を見ますか。
A. 収支予算(管理費と修繕積立金が分かれているか)、管理規約の総会の条項と持分の表、いまの管理委託契約の内訳と解約の予告、です。

まとめ

令和5年度調査の、駐車場使用料等を含む1戸あたり月額の平均は全国17,103円、単棟型17,214円、団地型14,925円です。除いた平均は全国11,503円、平方メートルあたりは158.6円です。戸数別の含む総額は、20戸以下22,131円から中規模で下がり、501戸以上は21,513円で再び高くなります。管理会社の見積もりは委託費であり、四つの業務を揃えて2〜3社で比べます。額の変更は、標準管理規約なら第48条第六号を第47条で決議します。規約に別段の定めがなければ第39条です。

免責事項本記事は2026年9月時点の説明です。平均は令和6年6月21日公表の令和5年度マンション総合調査(データ編の平均欄を円未満四捨五入)に基づきます。自組合の額、決議、解約の予告は、管理規約と締結中の契約で確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

建物管理に関するお悩みはお気軽にご相談下さい!
大手建物管理会社では対応が難しい自主管理物件や小規模マンションにも、当社は的確なサポートを提供します。
規模に関わらず、管理組合様のニーズに寄り添い、資産価値の維持・向上に貢献する最適な管理プランをご提案。
長期的な安定と快適な居住環境づくりを全力でサポートいたします。

マンション管理のこと、 どんな小さな疑問でも
大丈夫です!

どんな些細なことでも構いません。管理費の最適化や修繕計画、住民トラブルの対応まで、
少しでも気になることはMIJまでお気軽にご相談ください!

相談は無料です!マンション管理のことは
何でもご相談ください!

03-5333-0703 電話で相談する

営業時間:10:00~18:00
平日、土日も営業(年末年始・お盆を除く)