マンション共用部保険の費用相場は?高騰対策3選と賢い見直しの作法|理事会必見

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マンション共用部保険の費用相場と高騰対策|理事会が知っておくべき適正価格と見直しの作法

マンション管理組合の理事に就任し、更新時に提示された共用部保険の大幅な値上げに驚かれた方は少なくありません。自然災害の激甚化や保険制度の改定を背景に、マンション保険のコストは上昇の一途をたどっています。しかし、保険料の妥当性を判断し、適切に費用を抑制する基準がなければ、組合員の納得を得ることは困難です。

本記事では、宅地建物取引士・管理業務主任者の資格を持つ不動産ライターが、国土交通省の公的データや最新の参考純率改定に基づき、マンション共用部保険の費用相場を整理します。また、管理会社との良好なパートナーシップを維持しつつ、資産価値を守るための具体的な見直し手法を解説します。

目次

マンション共用部保険の費用相場と高騰の構造的背景

自マンションの保険料が適正かを判断するには、まず公的統計による平均値と、近年の料率改定の仕組みを理解する必要があります。

【公的統計】戸数・規模別の年間保険料平均

マンション共用部保険の費用目安として、国土交通省の「マンション総合調査」の結果から、総戸数別の年間保険料の推移を確認します。以下の数値は平成30年度調査に基づいたものであり、近年の料率引き上げを反映する前の「基準値」として捉えてください。なお、2024年には令和5年度調査の結果も公表されており、最新の傾向を把握する際はそちらもあわせて参照することが推奨されます。

総戸数 年間保険料(平均)
20戸以下 215,643円
21~30戸 278,927円
31~50戸 381,640円
51~75戸 570,302円
76~100戸 769,219円
101~150戸 1,091,822円
151戸以上 2,504,500円
(出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」より作成)

過去の調査(八王子市住宅・建築開発公社、2021年度公表)では、「1戸あたり年間2,000円〜3,000円」程度が一つの目安とされていましたが、後述する近年の改定により、現在はこれよりも1割〜3割程度高い水準が実情となりつつあります。

保険料が高騰し続けている2つの理由

2026年現在、相場が通用しにくくなっている背景には以下の構造的要因があります。

  1. 参考純率の過去最大級の引き上げ 損害保険料率算出機構は、2023年6月に火災保険(住宅総合保険)の参考純率を全国平均で13.0%引き上げる改定を行いました。これは過去最大の上げ幅であり、2024年10月以降の契約更新において保険料を大きく押し上げています。参考純率は各保険会社が保険料を決める際の主要な目安となるため、多くの区分所有マンションで負担増となっています。
  2. 「築年数別料率」の細分化 近年、建物の老朽化に伴う漏水事故等のリスクを反映させるため、築年数が経過するほど保険料率が段階的に上がる仕組みが強化されました。築浅物件と築古物件の保険料格差は拡大しており、適切なメンテナンスを行っていない物件ほど更新時の負担が増重する傾向にあります。

共用部保険の費用を賢く抑える3つの具体策

1. 免責金額(自己負担額)の引き上げ

最も確実かつ効果が高い手法です。免責金額とは、事故発生時に管理組合が自己負担する額です。これを0円から10万円や20万円に引き上げることで、保険会社の支払いリスクが低減し、保険料は格差を生みます。八王子市の調査事例では、免責10万円の設定により保険料が約15%低下したケースも報告されています。

2. 重複補償と不要な特約の削除

立地環境に基づき補償範囲を精査します。例えば、高台にあるマンションであれば、水災補償を外す、あるいは補償額を制限することで保険料を抑えられます。また、施設賠償責任特約等が管理会社やエレベーター保守会社の契約と重複していないか精査してください。

3. 割引制度の適用確認

新耐震基準(1981年6月以降の建築確認)を満たしている場合の「建築年割引」や、耐震診断に基づいた「耐震診断割引(地震保険)」などが正しく適用されているか確認してください。これらは自動的に反映されないケースがあるため、重要事項説明の際にエビデンスを提示することが肝要です。

実務上の注意:過度な相見積もりが招くリスク

理事会として「最安」を求めるあまり、5社も6社も相見積もりを依頼することは実務上推奨されません。

特に20戸〜40戸程度の中小規模マンションの場合、管理会社側は「現地調査」「図面・過去の事故歴の整理」「外注会社(清掃・設備等)との折衝」など膨大な工数を要します。過度な見積もり依頼は、将来の管理委託更新において「手のかかる組合」と判断され、かえって良好なパートナーシップを損なう恐れがあります。

保険会社の選定は組合員の自由ですが、管理会社や保険代理店側の業務負荷も考慮すると、実務的には現状の管理会社による提案を含め2〜3社に絞り込み、同一条件で比較検討するケースが多く見られます。これが、質の高い提案を引き出すための現実的な作法と言えるでしょう。

【Q&A】マンション共用部保険のよくある疑問

Q:共用部と専有部の境界はどこになりますか?A: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」第7条および別表第2を参考にすると、一般的に「窓枠・窓ガラス」は共用部分、「玄関ドア」は錠と内部塗装以外が共用部分とされます。また、給排水設備については、多くの場合、専有部分の配管(枝管)と共用部分である縦管の接続部までが専有部分、縦管そのものは共用部分と区分されます。ただし、実際の境界は各管理組合の管理規約が最優先されるため、必ず自組合の規約を確認してください。

Q:理事会(総会)での決議は必要ですか?A: はい。共用部保険の契約は「共用部分の管理」に関する事項であり、区分所有法第39条第1項に基づき、原則として出席した区分所有者及びその議決権の各過半数による普通決議が必要です。ただし、同法同条に基づき管理規約に「理事会に一任する」等の別段の定めがある場合は、規約の定めが優先されます。

Q:助成金や補助金は使えますか?A: 保険料そのものに適用される補助は稀ですが、耐震診断や改修への補助金は多くの自治体で設けられています。例えば、東京都港区の「民間建築物耐震化促進事業」では、分譲マンションの補強設計費用に対して費用の3分の2(上限500万円)、改修工事費用に対して費用の2分の1(上限7,000万円)といった助成が利用できる場合があります(2024年度時点)。これらを利用して耐震性能を高めれば、地震保険の割引対象となり、間接的な経費削減に繋がります。こうした補助金申請は通常、管理会社側の工数が膨大になるため敬遠されがちですが、株式会社MIJのような専門会社は申請代行を積極的に提案しています。

マンション管理事業から撤退を検討される企業様へ

現在、管理事業の採算悪化等を理由に撤退を検討されている管理会社様向けに、株式会社MIJが包括的な引継ぎ支援を提供しています。

管理事業の撤退時には、保険契約の途絶(無保険状態)によるトラブルや、居住者への説明・会計業務の移行が大きな負担となります。株式会社MIJでは、一例として当面の人件費の一部を補助したり、既存業者を維持したままでの円滑な事業譲渡を支援し、撤退企業が最も懸念する「費用」と「トラブル回避」を両立させます。将来に不安をお持ちの経営者様は、事業継続の選択肢として相談をご検討ください。

まとめ

共用部保険の見直しは、単なるコストカットではなく、マンションの資産価値と修繕積立金の健全性を守る「管理の適正化」そのものです。まずは現在の契約内容と、現行の区分所有法・管理規約との整合性を確認することから始めてください。

【免責事項】本記事はマンション共用部保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の商品の推奨や勧誘を行うものではありません。また、個別の法律・税務判断については、弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。保険料や割引制度の詳細は、保険募集人資格を有する代理店等に確認し、最新の重要事項説明書に基づきご判断ください。本記事執筆者と株式会社MIJとの間に、紹介に伴う資本・取引関係はありません。


参考資料

  • 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」
  • 国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」
  • 損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」(2023年6月)
  • 八王子市住宅・建築開発公社「令和3年度マンション調査・研究結果報告書」(2021年度)
  • 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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