管理会社変更の費用はどこに出るか|同じ仕様の見積もりと決議

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管理会社を変えるとき、最初に知りたいのは安くなる割合です。公的な削減率も、変更手数料の相場表も、ありません。見る場所は、いまの契約の終了条項と、見積もりの内訳です。

  • 終了。予告の期間と、予告中の委託費の扱い。
  • 内訳。事務管理、管理員、清掃、建物・設備管理。
  • 決議。規約に別段の定めがなければ、区分所有法第39条の普通決議。
  • 説明。新しい契約の前の、適正化法第72条の説明。

この記事は2026年9月時点の説明です。委託費の金額は、同じ四業務の見積もりで確認します。個別の契約は、その契約書と管理規約で確認してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

目次

管理委託費|金額が乗るのは四つの業務

マンション標準管理委託契約書(令和5年9月11日改定)の費用は、次の四つに分かれます。変更そのものに、別の「変更手数料」の欄があるわけではありません。

  • 事務管理業務費
  • 管理員業務費
  • 清掃業務費
  • 建物・設備管理業務費

見積もりの「一式」の行は、金額が無い行は空欄のまま比較します。ゼロ円としても扱いません。中身を聞いて、同じ作業がどの行に入るかを揃えます。任意の提案は、本体の合計に入れず、別紙にします。

国土交通省の令和5年度マンション総合調査で、駐車場使用料などを含む管理費の全国平均は17,103円(1戸あたり月額)です。これは管理費の平均であり、管理委託費の相場でも、削減できた割合でもありません。委託費の比較は、この平均との差ではしません。

管理会社変更で費用が出る場所と四業務

同じ仕様で2〜3社から見積もりを取る

相見積もりは2〜3社が現実的な比較図

安さは、仕様を落としたあとの合計では測れません。清掃の回数、管理員の勤務時間、設備の点検の範囲を、依頼書の時点で同じにします。

  • 同じ依頼を、2〜3社に出します。
  • 5社、6社へ同時に出すと、辞退が増えます。20戸から40戸程度で特にそうです。これは実務上の傾向であり、公的な統計ではありません。
  • 現地を何回見るかは、各社の見積もりの条件です。回数をこちらで決めて、その回数に満たない社を不合格にはしません。
  • 何パーセント安くなるか、という公的な目安はありません。内訳の差を、行ごとに見ます。

一律に下げる見積もりは、清掃の頻度や、点検の範囲が落ちていることがあります。合計が小さい行だけを見て、頻度の欄を見ない比較は、ここで止めます。

終了は、いまの契約の条項

解約予告と予告中費用の注意点

標準のひな形では、解約は少なくとも三月前の書面による申入れです。条番号は版によって違います。第何条かで探さず、締結している契約書の終了の条項を開きます。この記事が参照するひな形の改定日は、令和5年9月11日です。

  • 予告の長さ。ひな形の三月より、いまの契約が長いときは、その長い期間です。短い条項が書かれていても、ひな形が契約に優先するわけではありません。
  • 予告期間中の委託費。これは違約金ではありません。契約上の対価です。新しい契約を、古い契約の終了より前に始めると、その重なる月は両方の委託費が出ます。
  • 引継ぎの手数料。ひな形に独立した手数料の欄がある、とは言いません。いまの契約の終了の条項に、事務手数料の定めがあるかを見ます。
  • 引継ぐ範囲。会計、図面、鍵、未収の一覧を、見積もりの前に書き出します。範囲が空欄の見積もりは、後から別料金になりやすいです。

決議は普通決議。数え方は規約

管理会社変更の決議と第72条説明

管理委託契約を結ぶこと、解くことは、管理規約に別段の定めがなければ、区分所有法第39条の普通決議です。出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)およびその議決権の各過半数です。

  • 標準管理規約を使う組合。規約第47条第1項は、議決権総数の過半数の出席です。第2項は、出席組合員の議決権の過半数です。これは普通決議の数え方です。特別決議にはなりません。
  • この規約の第47条は、区分所有法第47条(管理組合法人の設立)とは別です。管理会社の変更は、法人の設立ではありません。
  • 規約が特別多数決を要する、と書いているときは、その定めに従います。書いていないのに、建替えの5分の4を使いません。

招集の通知は、区分所有法第35条で少なくとも一週間前です。この期間は、規約で長くできます。短くはできません。標準管理規約第43条を使う組合は、少なくとも二週間です。短い通知は、手続の瑕疵として争われることがあります。通知が短いだけで、決議が当然に無効になる、とは言いません。

書面や代理人で議決権を行使した人は、第39条第2項により、出席した人数と議決権に入ります。

新しい契約の前に、説明がある

マンション管理適正化法第72条は、新しい管理委託契約の重要事項の説明です。同じ条件の更新とは、手続が違います。

  • 新規。説明会を開きます。書面は、少なくとも一週間前に、区分所有者等と管理者等へ知らせます。管理業務主任者が、主任者証を提示して説明します。書面は記名です。記名押印ではありません。
  • 第72条第2項。説明会を開かず、書面の交付で足りるのは、同一条件で契約を更新するときです。会社を変える新規には使いません。
  • 第73条。契約が成立したときの書面は、管理者等へ渡します。その会社自身が管理者であるとき、または管理者がいないときは、区分所有者の全員へ渡します。こちらも記名です。
  • 標準管理規約第38条第2項で理事長が管理者になっている組合は、成立時の書面の渡し先は理事長です。

適正化法第74条の基幹事務は、一括して再委託できません。基幹事務は、会計の収入と支出の調定と出納、および専有部分を除く維持または修繕の企画または実施の調整です。清掃、消防設備の点検、エレベーターの保守は、基幹事務ではありません。見積もりの外注の欄で、基幹事務まで一括して出す案は、ここで分けます。

変更そのものに、共通の助成はない

管理会社を変える費用を、全国の管理組合が同じ要領で受け取れる助成はありません。耐震改修や省エネ改修の補助は、工事や認定の要領であって、変更のコンサルティング費用ではありません。

  • 要領に「管理会社の変更」と書いていない金額を、委託費の見積もりから引きません。
  • 当該年度の公式要領に、対象と金額が書いてあるときだけ、その要領の範囲で使います。
  • 専門家に選定を頼む費用も、公的な目安の幅はありません。頼む範囲を書いて、個別に見積もりを取ります。

通知は、届ける先と、書いた事項

会社を変える決議は、通知にその事項が書いてあることが前提です。

  • 第37条第1項。集会では、あらかじめ通知した事項についてのみ決議できます。
  • 第37条第2項。法律が特別の定数を定めている事項を除き、規約で別段の定めができます。管理会社の変更は、建替えのような特別定数の事項ではありません。規約が「通知していない事項も決議できる」と書いていれば、その定めです。書いていなければ、当日に議題を足しません。
  • 第35条第3項。法律上、通知は、届出のあった場所へ出します。届出がなければ、その人の専有部分の所在する場所へ出します。通常到達すべきときに到達したものとみなします。
  • 標準管理規約第43条第2項。組合員が届け出た宛先へ出します。届出がなければ、専有部分の所在地です。規約第31条の3の国内管理人の届出があるときは、その国内管理人へ出します。法律上の国内管理人は、区分所有法第6条の2です。招集の通知を受領する権限は、同条第2項にあります。
  • 標準管理規約第43条第3項。対象物件内に居住する組合員と、届出のない組合員には、所定の掲示場所への掲示で、通知に代えることができます。
  • 第36条。議決権を有しない者を除く区分所有者の全員の同意があれば、招集の手続を経ないで開けます。一人でも反対なら、この省略は使えません。

重なる月の費用は、次の順で数えます。円の金額は、各契約の月額です。この記事では置きません。

  • 古い契約の終了日を、終了の条項から先に決める
  • 新しい契約の開始日を、その終了日の翌日にする
  • 開始を前に倒す月は、両方の委託費が出る月として、議案の費用の欄に書く

見積もりを同じ仕様に揃える項目

見積で同じ仕様に揃える四項目

見積もりを頼む前に、次を依頼書へ書きます。回数や時間は、いまの契約の数字です。各社に違う数字を渡しません。

  • 清掃の場所と回数
  • 管理員の勤務する日と時間
  • 点検の対象になる設備と、点検の間隔
  • 総会、理事会の運営と、会計の報告の回数
  • 夜間や緊急の連絡先が、委託費に入るか、別料金か

修繕積立金の月額は、委託費ではありません。令和5年度調査で、駐車場使用料などからの充当を除く積立金の平均は13,054円です。この数字を、委託費の高い安いに使いません。積立金の口座と、委託費の支払口座が分かれているかも、見積もりの比較とは別の確認です。

見積もりの前に揃えるもの

  • いまの管理委託契約書の、終了の条項と、費用の内訳
  • 管理規約の、委託契約を決議する条項。標準管理規約なら第47条の数え方
  • 清掃、管理員、点検の、いまの仕様。一式のまま渡さない
  • 会計、図面、鍵の、引継ぎの範囲
  • 新しい契約の説明会を、総会の何週間前に置くか。標準規約の組合は、招集が二週間、説明の書面が一週間です

委託先を変えることと、管理者を変えること

管理会社は、管理組合でも、管理組合法人でもありません。委託の相手を変えても、組合そのものは残ります。

  • 委託先。日常の管理を頼む会社を変える決議です。別段の定めがなければ、第39条の普通決議です。
  • 管理者。区分所有法第25条の選任と解任も、別段の定めがなければ集会の決議です。標準管理規約第38条第2項では、理事長が管理者です。会社へ委託していても、管理者は理事長のまま、という規約がこれです。
  • 会社を管理者にする。外部管理者方式です。委託契約を結ぶだけでは足りず、標準管理規約の別添に沿った規約の変更が要ります。規約の変更は、第31条の特別決議です。
  • この記事の費用の話は、委託先を変えるときの内訳です。管理者を会社にする報酬は、委託費とは別の欄です。

二つの「一週間」は、別の書面

期間の数字が同じでも、出す書面は違います。

  • 集会の通知。区分所有法第35条は、少なくとも一週間前です。標準管理規約第43条を使う組合は、少なくとも二週間前です。書くのは、会議の目的と議案の要領です。管理会社の変更なら、いまの契約の終了と、新しい委託先を、目的に入れます。
  • 重要事項の書面。適正化法第72条の新規は、説明会の少なくとも一週間前に、区分所有者等と管理者等へ知らせます。これは総会の招集通知そのものではありません。
  • 説明会を、総会の当日の冒頭だけにして、一週間前の書面を出さない進め方は、新規の第72条には合いません。

お金の預かり方も、見積もりの比較項目です。標準の契約の説明では、次の三つの置き方があります。どれが正しい、という順位はありません。契約に書く置き方と、通帳と印鑑の所持を見ます。

  • いったん管理会社が集めて、残額を管理組合の保管口座へ移す
  • 修繕積立金は管理組合の口座へ直接入れ、管理費は収納口座を経由する
  • 管理組合名義の口座を一つにする

通帳と印鑑の両方を、管理会社が持たないようにします。適正化法第76条の財産の分別管理の方法は、施行規則第87条が定めています。保証契約には上限があり、混ぜてしまった金を、その保証が満額で戻すものではありません。三つの口座のどれか一つだけに保証が付く、と決めつけません。

よくある質問

Q. 何パーセント安くなりますか。
A. 公的な削減率はありません。同じ仕様の四つの業務費を、2〜3社で比べます。管理費の全国平均との差は、削減額ではありません。

Q. 解約は何条ですか。
A. ひな形の条番号は版で違います。いま締結している契約の終了の条項を見ます。標準のひな形の目安は、少なくとも三月前の書面による申入れです。

Q. 変更のコンサルティング費用に助成はありますか。
A. 管理会社の変更そのものに、全国共通の助成はありません。工事の補助要領を、変更の費用に読み替えません。

まとめ

  • 費用は、事務管理、管理員、清掃、建物・設備管理の内訳に出ます。変更手数料の相場表はありません。
  • 一式の行は空欄のままです。任意の提案は、本体の合計に入れません。
  • 同じ仕様で2〜3社です。削減のパーセントは、公的な目安がありません。
  • 終了は、いまの契約の条項です。ひな形の目安は、少なくとも三月前の書面です。予告中の委託費は違約金ではありません。
  • 別段の定めがなければ第39条の普通決議です。標準管理規約の第47条は、その普通決議の数え方であり、法人設立の第47条ではありません。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の契約の助言ではありません。解約の期間、決議の数え方、重要事項の説明は、締結している契約書、管理規約、マンション管理適正化法で確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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