管理不全マンションが急増中?あなたのマンションは大丈夫?【国交省も警鐘】

小規模マンションや自主管理で起きやすい「管理不全」。議事録・契約書・修繕計画の確認方法や、管理会社の見直しなど実践的な対策をまとめました。
目次

管理不全マンションとは?放置できない社会問題に

最近「管理不全マンション」という言葉を耳にする機会が増えてきました。これは、マンションの管理組合が機能せず、建物や住環境の維持が困難になっている状態を指します。国土交通省も問題視しており、社会的にも注目度が高まっています。

特に築30年以上の高経年マンションや小規模・自主管理マンションでリスクが顕在化しやすく、「うちはまだ大丈夫」と油断できない状況です。


そもそも「管理不全マンション」とは?

「管理不全マンション」とは、以下のような状態に陥っているマンションを指します。

  • 管理組合の理事が不在または機能していない
  • 総会や理事会が数年間開催されていない
  • 管理費や修繕積立金の未納が多く、財政が破綻寸前
  • 長期修繕計画が未策定、または形骸化
  • 共用部分の老朽化が放置されている

このような状態が続くと、建物の劣化だけでなく、住民間のトラブルや資産価値の大幅な下落にもつながります。


管理不全に陥る5つの兆候【事例と書類チェックのポイント付き】

以下のような兆候があれば、すでに管理不全が始まっている可能性があります。実際の資料や状況から具体的に確認しましょう。

  1. 総会議事録が数年分空白 or 開催記録が形式的
    →【確認書類】過去3〜5年分の総会議事録をチェック。議題が少なく、予算・決算承認だけで終わっていないか。出席者数や委任状数も要確認。
  2. 修繕積立金の残高が著しく不足
    →【確認書類】最新の収支報告書や長期修繕計画を参照。直近の大規模修繕費用に対し、積立残高が著しく乏しい場合は黄色信号。
  3. 理事会が機能しておらず、議事録も存在しない
    →【確認書類】理事会議事録が年1回も出ていない場合、意思決定の停滞や責任体制の不明確化が疑われます。ただし、第三者管理方式を採用している場合などは理事会自体が存在しないケースもあります。運営形態に応じて、管理会社や管理者に議事録や意思決定の記録について確認しましょう。
  4. 管理委託契約が旧式のまま内容が見直されていない
    →【確認書類】管理委託契約書をチェック。契約そのものは毎年更新申出が行われますが、内容が長年見直されていない場合は要注意。法改正や標準管理委託契約書の改定に即した内容か、業務範囲が実態と一致しているか確認しましょう。古いバージョンの契約内容のまま継続していると、管理の質に影響する可能性があります。
  5. 現場の荒れた状況(掲示板が古い、共用部の放置、ごみ集積所の乱れ)
    →【現地観察】管理会社の巡回が適切に行われていない兆候。管理会社の報告書(月次レポート)も合わせて確認。

国交省の警鐘と制度改正の流れ

国土交通省は「マンションの管理の適正化に関する指針」を改定し、2022年には「管理計画認定制度」を創設しました。これは、マンションが良好に管理されているかどうかを自治体が評価・認定する制度です。

この制度により、

  • 管理状況の“見える化”
  • 管理不全マンションの早期発見
  • 資産価値の維持・向上

が期待されています。将来的には、住宅ローン審査や売買契約時にも影響を及ぼす可能性があり、ますます注目される制度です。


あなたのマンションは大丈夫?セルフチェックで確認しよう

以下のような書類や項目を実際に確認することで、現状の管理レベルを客観的に把握できます。

  • 総会議事録の開催頻度と出席状況(直近3年)
  • 長期修繕計画と修繕積立金残高の整合性(次回大規模修繕の時期と費用に対する準備ができているか)
  • 管理委託契約書の更新状況と業務範囲(内容が現状と合致しているか、標準契約と比較されているか)
  • 管理規約の最終改定日(築年数と比較して見直されていない場合は要注意)
  • 未納管理費の割合と督促体制の明記(管理会社からの月次報告や会計報告で確認)

必要であれば、管理会社に「管理レポート(月次報告)」「滞納状況一覧」「管理委託契約書の写し」や「業務仕様書(業務範囲の詳細)」などを請求して確認を。


管理不全を防ぐための具体的対策

1. 外部専門家の活用(管理アドバイザー・第三者管理方式)
理事長のなり手がいない場合や、意思決定に専門性が求められる場合は、外部の専門家を導入することで安定した運営が可能になります。

2. 管理会社の見直し・委託形態の再検討
現行の契約内容や管理サービスに不満がある場合は、管理会社の変更や委託内容の見直し(一部委託への切り替え、業務範囲の明確化など)を検討しましょう。複数社からの比較見積もりを取ることで、コストとサービスのバランスを可視化できます。

3. 自治体の無料相談窓口の活用
多くの自治体でマンション管理相談窓口が設けられており、無料で相談できます。

4. 小規模マンションならではの柔軟性を活かす
住民同士の顔が見える関係性を活かし、合意形成の工夫(アンケート、少人数勉強会など)で前向きな議論が可能になります。


まとめ:管理不全は“気づいたときには手遅れ”に

「管理不全マンション」は、放置すればするほど回復が困難になり、最悪の場合「住めない」「売れない」マンションになってしまいます。

まずは、現状を正しく知ること。そして、早めの対策・専門家の活用がカギとなります。小規模マンションでも無理なく取り組める方法はあります。お困りの方はぜひ一度、私たちにご相談ください。

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この記事を書いた人

保有資格: マンション管理士・ 二級建築士
不動産業界に従事して13年。現在は小規模マンションや自主管理組合のサポートに注力しています。
本年より自身も居住しているマンションの理事長に就任。首都圏の実情に即した現場支援をモットーに、日々管理組合の課題解決に取り組んでいます。

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