マンションの管理組合において、理事会がうまく機能しなくなると、住民の生活や資産価値に大きな影響を及ぼします。ここでは、理事会が機能不全に陥った場合に起こり得る問題やリスクについて解説します。
目次
理事会が機能しないと何が起こる?
- 管理費・修繕積立金の滞納が増える
- 理事会が機能しないと、管理費や修繕積立金の滞納者への対応が遅れ、滞納額が膨れ上がるケースが多発します。管理会社に督促を委託していても、契約内容によっては3ヶ月以上の滞納は理事会が対応する必要がある場合もあり、放置すると数百万円規模にまで拡大することもあります。
- 5年以上滞納が続くと消滅時効になり、回収が不可能になることもあります。
- 修繕・設備管理の遅れ
- 設備故障や不具合等のタイミングで理事会が機能していないと、修繕発注等が行えず、設備の状態がより悪化し、小さい補修や、修繕で済むはずが結局交換が必要になり余計な出費が増えることも…
- 住民間トラブルの増加
- 騒音や共有スペースの使い方、ペット飼育など住民間のトラブルが発生しても、理事会が機能しないと解決が遅れ、トラブルが悪化しやすくなります。
- マンションの資産価値の低下
- 管理不全が続くと、マンションの外観や共用部の状態が悪化し、資産価値が大きく下がる可能性があります。
理事会が機能しなくなる原因
- 役員のなり手不足
- 共働き世帯や高齢化、育児・介護で忙しい住民が増え、理事会の役員を引き受ける人がいなくなるケースが増えています。
- 住民の管理への無関心
- 管理組合や理事会への関心が薄れ、総会への出席率が低下し、合意形成が難しくなります。
- 理事間・住民間の対立
- 理事同士や住民同士の意見対立が続くと、理事会の運営が滞り、機能不全に陥ることもあります。
管理不全を防ぐための対策
- 外部専門家の活用
- 管理会社やマンション管理士など専門家に業務委託し、理事会の負担を軽減する方法があります。近年は外部管理者方式を行っている管理会社も増えてきている為、一度相談してみても良いかもしれません。
- 輪番制や立候補制の見直し
- 役員のなり手不足を解消するため、輪番制や立候補制を見直し、負担を分散する工夫が求められます。
- 管理規約・使用細則の見直し
- マンションの実情に合わせた規約や細則を作成し、役割分担や業務内容を明確にします。
まとめ
理事会が機能不全に陥ると、住民の生活や資産価値に大きな影響が出ます。管理不全一歩手前の状態を放置せず、早めに対策を講じることが重要です。