防犯カメラ導入における「買取(購入)」「リース」「レンタル」の違いを、コスト・契約期間・メンテナンス・所有権・向いているケースなどの観点で詳しく比較します。
防犯カメラの設置は普通決議?特別決議?
マンションや管理組合で防犯カメラを新たに設置する場合、総会の「普通決議」で実施するのが原則です。これは、マンション標準管理規約やそのコメントでも明記されており、オートロックや防犯灯などと同様、共用部分の加工の程度が小さい工事(壁や天井に配線を通す程度など)であれば普通決議で進められます。
ただし、防犯カメラを取り付ける工事内容によっては、共用部分の加工の程度が著しい場合、総会の特別多数決議が必要になる場合もあるので注意が必要です。
費用・期間・金額等の比較表
導入方法 | 買取(購入) | リース | レンタル |
---|---|---|---|
初期費用 | 高い(本体+工事費を一括支払い) | 0円~低額(初期費用不要が多い) | 0円~低額(初期費用不要が多い) |
月額費用 | なし | あり(リース料) | あり(レンタル料) |
総支払額 | 長期利用で最も安くなる | 長期利用で買取より高くなる | 長期利用で最も高くなる |
契約期間 | 制限なし(自由) | 5~7年が一般的(途中解約不可) | 1ヶ月~7年(短期契約も可) |
メンテナンス費用 | 自己負担(別途契約が必要な場合多い) | 原則自己負担(別途契約が多い) | 月額に含まれる(無償が多い) |
所有権 | 利用者(管理組合等) | リース会社 | レンタル会社 |
契約満了後の扱い | 継続利用・売却・廃棄自由 | リース会社に返却 or 再リース | レンタル会社に返却 or 再契約 |
最新機種利用 | 都度買い替え | 基本的に契約時の機種 | 途中で入替え可能な場合あり |
向いているケース | 長期利用・資金余裕がある場合 | 長期利用・初期費用を抑えたい場合 | 短期利用・イベント・工事現場など |
各導入方法のメリット・デメリットは?
導入方法 | 買取(購入) | リース | レンタル |
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メリット | ・長期利用で総コストが最も安い ・所有権が自分にある ・運用や設定変更が自由 | ・初期費用不要で導入しやすい ・新品機器が利用できる ・長期契約で月額が割安(再リース)※年額が1/12になることも | ・初期費用不要 ・短期~長期まで柔軟に契約可能 ・メンテナンス費用が月額込み ・途中解約が可能 |
デメリット | ・初期費用が高額 ・メンテナンス費用は自己負担 ・機器の陳腐化リスク ・更新が必要な損傷等で結果的に割高になることも | ・途中解約不可(原則) ・総額は買取より高くなる ・メンテナンスは別途費用 | ・月額費用が高め ・長期利用では割高 ・所有権はレンタル会社にある |
- 買取(購入)
・初期費用が高額ですが、長期利用(10年以上)で最もコストを抑えられます。
・所有権が管理組合や企業に移るため、運用や設定変更が自由です。
・メンテナンスや故障時の費用は自己負担となるため、別途保守契約を結ぶケースが一般的です。 - リース
・初期費用なしで導入でき、月額でリース料を支払う形です。
・契約期間は5~7年が多く、原則途中解約はできません。
・メンテナンス費用は原則自己負担(オプションで保守契約が可能なことも)。
・長期的には買取より総額が高くなりますが、資金繰りを重視する場合に適しています。 - レンタル
・初期費用不要で、短期(1ヶ月~)から契約可能です。
・月額料金はリースより高めですが、メンテナンス費用が全て含まれているのが一般的です。
・途中解約や機器の変更が柔軟で、イベントや一時的な現場など短期利用に最適です。
・長期利用ではリースや買取より割高になります。
まとめ
最近は買取を選ぶマンション管理組合はほとんどなくなってきていますが、「導入目的」「予算」「運用体制」「利用期間」など、自分の状況や課題を明確にし、それに最も合致する方式を選ぶことが最適な導入につながります。費用対効果や運用負担、柔軟性を総合的に比較し、必要に応じて段階的な導入も検討しましょう