設備点検報告書「建物・設備の状態」の読み方|資産価値を守る3つのチェックポイント

設備点検

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

マンションの資産価値を維持・向上させるには、報告書の正しい読み方を知ることが不可欠です。
特に「建物・設備の状態」は、そのマンションの健康状態を示す重要な指標であり、将来の修繕費や資産価値に直結します。

外観がきれいでも、内部に見えない劣化や不具合が進行していれば、将来的な修繕コストが膨らみ、資産価値が下落するリスクがあります。
本記事では、マンション管理報告書の「建物・設備の状態」欄で必ずチェックすべき3つのポイントを、初心者にも分かりやすく解説します。


目次

1. 点検結果報告を読む|マンションの“定期健康診断”

マンションでは、法律や管理規約に基づき、定期的な設備点検が義務付けられています。
これらは、マンションの「定期健康診断」にあたります。

主な点検項目

  • エレベーター保守点検(毎月+年1回精密検査)
  • 消防設備点検(年2回)
  • 給排水設備点検(年1回以上)
  • 貯水槽清掃(年1回以上)

チェックのポイント
報告書に「異常なし」と記載されていても安心は禁物です。
要注意」や「経過観察」の記載がある場合、それは将来の大規模修繕の予兆である可能性があります。
長期的な視点で、修繕費増加リスクを早期に把握しましょう。


2. 劣化や不具合の指摘状況|放置は将来の大出費に直結

管理報告書には、点検で発見された不具合や劣化の対応状況が記載されています。
この内容から、管理組合の対応力や健全性を判断できます。

対応状況の見方

  • 対応済み:日常的な修繕が適切に行われている
  • 対応予定:計画的対応か、単なる先送りか要判断
  • 対応保留:資金不足や理事会の意思決定遅れの可能性

チェックのコツ
同じ不具合が数年連続で「経過観察」となっている場合は要注意です。
軽微な不具合が放置されると、重大な劣化に進行し、多額の修繕費が必要になるケースがあります。
必ず過去数年分の報告書と比較し、進行度を確認しましょう。


3. 長期修繕計画との整合性|予測と現状のズレを見極める

長期修繕計画は、マンションの維持管理におけるロードマップです。
管理報告書の記載と照らし合わせて、将来予測と現状にズレがないかを確認します。

ズレのパターンとリスク

  • 劣化が予定より早い → 修繕積立金不足リスク大
  • 劣化が予定より遅い → 工事前倒し不要、資金効率改善の余地あり
  • 計画にない設備更新 → 突発的支出の可能性大

このズレを放置すると、資金計画が破綻する恐れがあります。


まとめ|「建物・設備の状態」は資産価値を守る最重要項目

マンション管理報告書の「建物・設備の状態」欄は、資産価値を守るための健康診断書です。
必ず以下の3ポイントを押さえてチェックしましょう。

  1. 点検結果で「要注意」や「経過観察」を確認
  2. 不具合の対応状況と未対応理由を把握
  3. 長期修繕計画との整合性をチェック

この3ステップを毎年繰り返せば、マンションの健康状態や管理体制の良し悪しが明確に分かります。
購入検討者も居住者も、この欄を軽視せず、資産価値維持のための判断材料として活用しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

保有資格:管理業務主任者・ 保険募集人・ 甲種防火管理者
不動産業界歴5年。大手管理会社にてフロント担当者として3年勤務し、担当13棟 総戸数約900戸の管理を経験し、15戸から330戸までの管理組合のフロントを経験してまいりました。物件種別についても新規オープンから築60年程度のマンションまで、幅広い経験がございます。
管理業務主任者の資格だけでなく、保険募集人・甲種防火管理者の資格も保有。組合様の課題やご要望に対し、様々なご提案を差し上げます。

マンション管理のこと、 どんな小さな疑問でも
大丈夫です!

どんな些細なことでも構いません。管理費の最適化や修繕計画、住民トラブルの対応まで、
少しでも気になることはMIJまでお気軽にご相談ください!

相談は無料です!マンション管理のことは
何でもご相談ください!

03-5333-0703 電話で相談する

営業時間:10:00~18:00
平日、土日も営業(年末年始・お盆を除く)