分譲マンションのインターホン更新は必須?費用やタイミングまで徹底解説

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分譲マンションにお住まいの皆さん、「築20年を超えているけど、インターホンはまだ使えるから大丈夫」と考えていませんか?

実は、インターホンは単なる呼び出しツールではなく、住民の安全・防犯・資産価値を維持する上で欠かせない重要設備です。特に、オートロックや火災報知機などの防災システムと連動している場合、更新を怠ると大きなリスクを抱えることになります。

本記事では、分譲マンションのインターホン更新について、最適なタイミング・オートロックの有無による違い・費用相場・管理組合での進め方まで、2025年時点の最新情報を踏まえて徹底解説します。


目次

1. なぜ?インターホン更新の最適なタイミングは「築15年」

「まだ動いているから」と先延ばしにすると、予期せぬトラブルに繋がりかねません。インターホンは、一般的に築15年を目安に更新を検討することが推奨されます。

  • 故障リスクの増加: 常時通電しているインターホンは、内部の電子基板や配線が経年劣化します。築15年を過ぎると、音声通話不能・モニター不良など、複数の住戸で同時に故障が発生するリスクが飛躍的に高まります。
  • 部品供給の終了: 多くのメーカーは、製品の生産終了から約7年間で補修部品の供給を打ち切ります。築15年のインターホンは、修理したくても部品がなく、結局システムごと交換せざるを得ないケースがほとんどです。
  • 最新機能による防犯性UP: この15年でインターホンは飛躍的に進化しました。訪問者の顔をはっきり確認できるモニター、不在時の録画機能、スマートフォンとの連動、宅配ロッカーとの連携など、最新機種に更新することで、マンション全体の防犯性を格段に高めることができます。

👉 よくある疑問

「築20年でも使えているから交換は不要では?」 → 故障が出ていなくても、部品供給停止により修理が不可能になるリスクがあります。いざという時にマンション全体のセキュリティが機能しなくなる恐れがあるため、早めの更新検討が賢明です。

2. オートロックの有無で変わる更新方法と費用負担

分譲マンションのインターホン更新は、オートロックの有無で進め方や費用負担が大きく異なります。

  • オートロック付きマンション
    • 更新方式: 集合玄関機(オートロック)と各住戸のインターホンは一体のシステムです。そのため、全住戸一斉に更新工事を行うことが必須となります。
    • 費用負担: インターホンシステムはマンションの「共用部分」にあたるため、更新費用は管理組合が修繕積立金から支出するのが一般的です。
  • オートロックなしマンション
    • 更新方式: 集合玄関機がないため、一戸建てのように各住戸が個別に交換することが可能です。ただし、マンションの管理規約で機種や工事方法に制限がある場合は、管理組合への確認が必要です。
    • 費用負担: 個人の判断で交換を行うため、費用は区分所有者が自己負担します。

👉 よくある疑問

「オートロック付きなのに、自分の部屋だけ最新機種に交換できる?」 → 不可能です。オートロックシステムと各住戸のインターホンは連動しているため、必ず全戸同時に更新する必要があります。

3. インターホン更新の費用相場とコストダウンのポイント

インターホン更新にかかる費用は、システムの規模や機能、工事方法によって大きく変動します。

  • オートロック付き(全戸更新):
    • 費用相場: 1戸あたり 約10万〜20万円前後
  • オートロックなし(個別交換):
    • 費用相場: 1台あたり 約2万〜15万円前後

👉 コストダウンのポイント

  • 相見積もりの取得: 複数の専門業者から見積もりを取り、価格だけでなく工事内容や実績も比較検討する。
  • 一括発注: オートロック付きマンションでは、管理組合がまとめて発注することでコストダウンが期待できる。
  • 配線の流用: 既存の配線をそのまま利用できる機種を選ぶことで、工事費用を抑えられる場合がある。

4. 管理組合での合意形成と工事の流れ

インターホン更新は「共用部分の工事」にあたるため、管理組合での決議が不可欠です。

  1. 理事会での検討: インターホンの故障状況や長期修繕計画に基づいて、理事会で更新の必要性を協議します。
  2. 見積もり取得・業者選定: 複数業者から相見積もりを取り、総会で提示するための最適なプランを選定します。
  3. 総会での決議: 多くのマンションでは、普通決議(過半数の賛成)で可決できます。ただし大規模なシステム更新の場合は、特別決議(区分所有者数・議決権の各4分の3以上)が必要となるケースもあるため、事前に管理規約を確認しましょう。
  4. 住民への周知と工事実施: 工事中は、作業員が各住戸に入室する必要があるため、事前に十分な周知を行います。オートロックがある場合は、仮設インターホンの設置などでセキュリティを確保しながら施工します。

5. 修繕積立金と長期修繕計画の重要性

  • 積立金からの支出が基本: インターホンシステムは共用設備のため、修繕積立金から支出されるのが基本です。
  • 長期修繕計画への反映: 多くのマンションの長期修繕計画には、築15年〜20年目にインターホンシステム更新が組み込まれていることが多いです。
  • 積立金不足時のリスク: 計画的な更新を怠ると、インターホンが一斉に故障し、積立金が不足する事態も。その場合、高額な臨時徴収や金融機関からの借入が必要になる恐れがあります。

👉 よくある疑問

「修繕積立金が足りない場合、どうすればいい?」 → 臨時徴収や、工事を延期する対応が考えられます。しかし、延期は一斉故障リスクを抱えることになり、結果的に高コストになる可能性が高いため、計画的な管理が最も重要です。

まとめ:資産価値を守るために「早めの更新」が賢明

分譲マンションのインターホン更新は、安全・防犯・資産価値を守るための必須工事です。

  • 築15年を目安に更新を検討しましょう。
  • オートロックの有無で方式・費用負担が異なります。まずは自分のマンションの管理規約と長期修繕計画を確認することが第一歩です。
  • 管理組合での合意形成と、修繕積立金を活用した計画的な更新が、将来的な高額な臨時徴収リスクを回避する賢明な選択です。

最新型インターホンへの更新は、住人の安心と快適な暮らし、そしてマンションの資産価値維持に直結します。ぜひ、この機会にマンション全体の設備について考えてみましょう。

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この記事を書いた人

保有資格:管理業務主任者・ 保険募集人・ 甲種防火管理者
不動産業界歴5年。大手管理会社にてフロント担当者として3年勤務し、担当13棟 総戸数約900戸の管理を経験し、15戸から330戸までの管理組合のフロントを経験してまいりました。物件種別についても新規オープンから築60年程度のマンションまで、幅広い経験がございます。
管理業務主任者の資格だけでなく、保険募集人・甲種防火管理者の資格も保有。組合様の課題やご要望に対し、様々なご提案を差し上げます。

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