マンション理事長の辞任|後任選任と引継ぎの手順

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理事長を辞めたいとき、先に分けるのは役職だけを降りるのか、理事そのものを辞めるのかです。標準管理規約(令和7年10月17日改正)では、理事長は理事会の決議で理事のうちから選任し、理事と監事は総会の決議で選任します。一方的に印鑑を置いて連絡を絶つことは、辞任の手続ではありません。建替えのの流れは、役員の交代には使いません。

  • 役職と役員。理事長は役職、理事は役員です。役職だけ降りて理事に残る道と、理事ごと辞める道があります。
  • 第36条第3項。任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任するまでの間、引き続きその職務を行います。
  • 組合は残る。区分所有法第3条の団体は、役員の交代で消滅しません。合意だけでは解散できません。
  • 提出先。辞任届は管理会社ではなく、理事会(と監事)へ書面で出します。
目次

理事長の辞任|放棄ではなく後任選任と引継ぎ

この記事は2026年9月時点の説明です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

規約で開く第35・36・38・41条

自組合の規約が標準管理規約と同じかを、条番号ごとにおします。文言が違えば、自組合の規約が先です。

  • 第35条。管理組合に役員を置きます。理事及び監事は、総会の決議によって組合員のうちから選任し、又は解任します(外部専門家を認める型では、選任方法が細則に移ることがあります)。理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事会の決議によって理事のうちから選任し、又は解任します。
  • 第36条。役員の任期は規約で定めます。補欠の任期は前任者の残任期間です。第3項で、辞任後も後任就任まで職務が続きます。組合員でなくなったときは地位を失う定めがあります。
  • 第38条。理事長は管理組合を代表し業務を統括します。第2項で、区分所有法に定める管理者です。管理者の選任・解任は区分所有法第25条で、集会の決議(規約で別段)です。
  • 第41条。監事は業務の執行及び財産の状況を監査し、総会に報告します。不正があると認めるときは臨時総会を招集できます。辞任前後の残高と未収の確認に、監事の関与を残します。

副理事長は規約第39条で、理事長を補佐し、事故があるとき職務を代理し、欠けたとき職務を行います。役職だけを降りるときは、副理事長への一時的な代理と、理事会での後任互選を同じ週の議事に載せます。

役員の選任は規約第35条と第36条 理事長の辞任は放棄ではなく後任と引継ぎ

辞任後の書面・理事会・総会・引継ぎの順番

辞任の意思は、口頭だけでは残しません。日付、理由の要約、役職だけか理事ごとかを書いた辞任届を、理事会へ提出します。

辞任届のあと理事会または総会で後任を選ぶ
  • 役職だけの交代。第35条第3項どおり、理事会の決議で理事のうちから後任の理事長を選びます。総会の特別決議は要りません。報告は次回総会に載せます。
  • 理事そのものの辞任。後任の理事は総会の決議で選任します。通常総会でも臨時総会でも法律上は可能です。規約第42条の臨時総会、第44条の組合員による招集請求、区分所有法第34条の5分の1以上の請求を、自組合の規約と照合します。
  • 普通決議。規約第47条は、議決権総数の過半数の出席と、出席組合員の議決権の過半数です。法律第39条は、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数です。書面・代理は出席扱いです。
  • 通知。規約第43条は2週間前、区分所有法第35条は少なくとも1週間前です。議案の要領に、辞任する役員の氏名、後任候補、引継ぎの日を書きます。「役員の件」だけでは狭いことがあります。

引継ぎの表には、通帳と届出印の所在、規約と細則、直近の総会・理事会議事録、組合員名簿、未収一覧、保険証券、鍵、進行中の工事と漏水・騒音の懸案を載せます。記憶だけの案件は、文書に移してから渡します。区分所有法第18条第6項は、共用部分の損害保険契約を管理とみなします。規約第24条の2は、保険金の請求と受領を理事長が代理します。証券の名義変更が要るかを、後任と確認します。

総会が開かれないときの道

後任が見つからないことと、総会を開かないことは別です。区分所有法第34条第2項は、管理者が少なくとも毎年1回集会を招集すると定めています。管理者が招集しないときは、規約第44条と法律第34条の請求の道があります。

後任選任のため臨時総会を開く道
  • 監事。規約第41条第3項で、不正を認めるとき臨時総会を招集できます。第6項・第7項は理事会の招集請求です。
  • 組合員の請求。規約第44条は、組合員総数及び議決権総数の各5分の1以上の同意で、理事長に臨時総会の招集を請求できます。2週間以内に、請求から4週間以内の日を会日とする通知が無いとき、請求した組合員が自ら招集できます。
  • 議事録。規約第49条は、議長と議長が指名した出席組合員2人が署名します。法律第42条は、紙なら議長と出席した区分所有者2人です。
  • 管理委託。辞任の条件として管理会社の見直しを求められることがあります。見直し自体は別議案です。第48条第17号の総会決議と、新しい業者への第72条の説明が要ります。解約のモデルは少なくとも三月前の書面です。条番号は手元の契約書で確認します。現地確認の回数は、各社の見積条件で確認します。同じ仕様で2〜3社です。

管理費の全国平均(令和5年度調査、駐車場使用料等を含む1戸月額17,103円)は、辞任の当否の材料ではありません。管理費と修繕積立金は規約第28条第4項で区分経理します。区分経理は調査で90.1%でした。

書かないことと、残る責任の範囲

辞任そのもので損害賠償が自動的に生じる、という条文はありません。後任不在のまま連絡を絶ち、更新すべき契約や点検を放置して組合に具体的な損害が出たときの話は、個別の事実と規約・契約で見ます。金額の例は見積書で確認します。

辞任の記事で書かないこと

  • 建替え。建替え決議のあとの流れです。役員の交代には使いません。
  • 補助金。理事長辞任や役員不足への全国共通の補助金はありません。自治体の専門家派遣は、年度の要綱が先です。金額は見積書で確認します。
  • 管理計画認定。管理者等が申請し、5年ごとに更新します。条番号は手元の契約書で確認します。辞任の採点表ではありません。
  • 法人の条。区分所有法第47条の法人設立と、規約第47条の普通決議は別です。第49条の法人の理事任期(2年、規約で3年以内)と、規約第36条の役員任期を混同しません。非法人でも監事の監査は続きます。

国内管理人は区分所有法第6条の2です。招集通知は規約第31条の3の届出先へ出します。第31条の3を法律として引きません。所在等不明者を決議から除く第38条の2は裁判です。後任選任を急ぐための自動の除外ではありません。第36条の全員同意で招集手続を省略するときは、同意の書面を残します。

長期修繕計画は30年以上で大規模修繕を2回以上含みます。見直しは5年程度です。計画の停滞を、辞任の理由だけにせず、総会の議案に分けて載せます。東京都の管理状況届出は、昭和58年12月31日以前新築で居住用独立部分6以上の管理組合です。役員交代の届出そのものではありません。

辞任届の翌週に揃える記録

辞任届を出した週の理事会で、役職の後任候補、理事の欠員の有無、臨時総会の要否を一枚の表にします。感情の文だけを、招集通知の要旨にはしません。

  • 口座と印鑑。通帳と届出印を同じ人が持たないことが原則です。辞任の当日に、両方を後任へ渡す日付を議事録に残します。銀行が総会議事録と規約、理事長の本人確認を求めることがあります。法人化していない組合は、権利能力なき社団としての扱いです。
  • 第72条との混同。管理委託契約の重要事項説明は、新しい業者との契約の話です。役員の辞任届の説明会ではありません。会社変更を同じ総会に載せるときは、議案を分け、第48条第17号と第72条の日程を別の項目に書きます。
  • 第75条〜第77条。管理会社がいる組合では、帳簿、分別管理、定期報告が届いているかを、引継ぎの表に載せます。報告が止まっていることは、監事の監査の材料です。第74条は基幹事務の一括再委託を禁じます。清掃、消防、エレベーター点検は基幹事務そのものではありません。
  • 第27条・第28条。管理費の使途に引継ぎのコピー代を載せるかは、総会資料に行を分けます。積立金の取崩しは六つの事由です。役員の慰労金を、この六つに混ぜません。

役員報酬を置くかどうかは、規約と総会の予算です。報酬が無いことだけを、辞任を認めない理由にはしません。外部の専門家を役員に置ける型の規約では、第35条の選任方法が細則に移ることがあります。「第三者管理者方式」の手続の細部は、一次情報と規約で確認します。自組合の規約が組合員に限っているかを先に開きます。

地震保険の割引(免震50%、耐震等級など)や、参考純率の全国平均プラス13.0%(2023年6月21日届出)は、辞任の当否の材料ではありません。保険料の見直しと、役員の交代を一つの表に混ぜません。住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資の認定による年0.2%引下げも、役員不足の穴埋めではありません。

第26条の特定承継人への請求は管理費等です。辞任のあとに部屋が売れたとき、次の区分所有者へ次の総会の通知を出します。名簿は規約第31条の2です。連絡が取れない区分所有者を、最初から所在不明とは扱いません。第38条の2の裁判と、第46条の2の管理命令は、別の手続です。

通常総会の議案に辞任と後任を載せるときは、予算案と役員選任を並べます。会計担当理事も同時に欠けるときは、規約第40条の会計業務の担当を誰が引き継ぐかを、同じ通知に書きます。監事が一人しかいない組合で監事も辞めるときは、第41条の監査が空く期間を総会で埋めます。理事長と監事の兼任は、標準管理規約の型では想定しません。利益相反は規約第38条第6項で、監事又は理事長以外の理事が代表します。

辞任の理由が転居であるときは、第36条第4項の「組合員でなくなった場合」に当たるかを規約で確認します。組合員でなくなる日と、後任の就任日を同じ表に書きます。転居後も組合員のまま賃貸に出すときは、役員の資格が残るかは規約の定めです。欠格は規約第36条の2です。破産・拘禁刑・暴力団員等の各号を、感情の理由と混ぜて使いません。自組合の規約の写しを、辞任届と同じファイルに綴じておきます。

よくある質問

Q. 理事会が辞任を認めなくても辞められますか。
A. 意思表示は出せます。ただし規約第36条第3項どおり、後任が就任するまで職務が続く定めが多くの規約にあります。役職の後任は理事会、理事の後任は総会です。

Q. 理事長だけ辞めて理事に残れますか。
A. 規約第35条第3項の型なら、理事会で役職を交代できます。自組合の規約を先に開きます。

Q. 管理会社に辞任届を出せば足りますか。
A. 足りません。提出先は理事会です。管理会社は委託先であり、管理者そのものではありません。

Q. 辞任の補助金はありますか。
A. 全国共通の額はありません。自治体の派遣制度は年度要綱を確認します。

辞任届を出した週に、鍵、パスワード、未決のクレーム一覧を後任候補へ見せられる状態にします。見せられない状態で総会だけを開くと、可決のあとに空白が残ります。通帳と印鑑は同じ人が持たない原則のまま、引継ぎの日を議事録に残します。

まとめ

  • 辞任は職務放棄ではありません。役職か理事ごとかを分け、書面で理事会へ出します。
  • 規約第35条・第36条・第38条・第41条を、自組合の規約と照合します。
  • 役職の後任は理事会、理事の後任は総会です。第36条第3項で後任就任まで職務が続きます。
  • 印鑑・通帳・懸案を表にして引き継ぎ、次回総会に報告します。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。役員の選任・解任、任期、辞任後の職務はその管理規約と総会議事録で確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

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この記事を書いた人

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