マンション総会で否決された議案|臨時総会と再提案の定数

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

総会で議案が否決されたとき、先に分けるのは議案の種類と招集の手続です。同じ文面を、次の総会へそのまま出すだけでは足りません。反対の理由を議事録と質疑から拾い、次の招集通知の説明に書きます。

  • 普通決議。標準管理規約第47条です。議決権総数の過半数の出席のうえ、出席組合員の議決権の過半数です。規約に別段が無いときは区分所有法第39条です。書面・代理は出席扱いです。
  • 著しい変更。区分所有法第17条は、共用部分の形状または効用の著しい変更です。区分所有者及び議決権の各4分の3です。規約で区分所有者の定数のみ過半数まで減らせます。
  • 規約の変更。区分所有法第31条は、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の過半数かつ議決権の過半数の出席(規約で引上げ可)のうえ、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3です。一部の権利に特別の影響があるときは、その承諾が要ります。
  • 通知した事項。第37条は、通知した事項のみ決議できます。否決のあとで工法や金額を変えるときは、変えた事項を次の通知に書きます。
目次

マンション総会で否決された議案|否決のあとは、定数と通知を分けて見る

この記事は2026年9月時点の説明です。単棟型標準管理規約は令和7年10月17日改正の例です。自組合の規約が先です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

臨時総会は、理事会か、5分の1の請求

標準管理規約第42条第2項は、総会を通常総会と臨時総会とし、区分所有法の集会とします。第4項は、理事長が必要と認めるとき、理事会の決議を経ていつでも臨時総会を招集できます。第3項の通常総会は、毎年1回、新会計年度開始以後2か月以内です。

  • 規約第43条。総会通知は2週間前です。再生等は2か月前です。区分所有法第35条は少なくとも1週間前で、規約は伸長できます。
  • 規約第44条。組合員総数及び議決権総数の各5分の1以上の同意を得て、会議の目的を示して招集を請求したとき、理事長は2週間以内に、その請求があった日から4週間以内の日を会日とする通知を発しなければなりません。再生等は2か月と2週間以内です。
  • 通知が無いとき。第44条第2項は、請求した組合員が臨時総会を招集できます。裁判所の許可を、この条の要件としては扱いません。
  • 議長。請求で開いた臨時総会では、第42条第5項にかかわらず、出席組合員の議決権の過半数で、組合員の中から議長を選びます。

区分所有法第34条は、管理者が少なくとも毎年1回集会を招集します。区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の5分の1以上であって議決権の5分の1以上を有する者は、会議の目的を示して招集を請求できます。請求の日から2週間以内に、4週間以内の日を会日とする通知が発せられないときは、請求した区分所有者が集会を招集できます。管理者が無いときは、同じ5分の1が招集できます。規約でこの定数を減らせます。

臨時総会は理事会決議か5分の1の請求

否決のあとは議案の定数と通知事項を分ける

見積もりと説明を、否決の原因に合わせる

費用への不信が理由なら、一式の欄は空欄です。金額が無い欄を0円として合計しません。同じ仕様で2〜3社です。20戸から40戸程度で5社、6社へ同時に出すと辞退が増える傾向があります。現地確認の回数は、各社の見積条件で確認します。

再提案の見積もりは一式にせず2から3社
  • 工事。調査、設計、工事、仮設、監理の行を分けます。管理委託の四業務と、工事の見積もりは別の紙です。
  • 積立金。取崩しは規約第28条の事由です。管理費との区分経理は第4項です。令和5年度調査で区分経理は90.1%です。
  • 段階増額。長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)の目安は、初期額が均等額の0.6倍以上、最終額が1.1倍以内です。円毎平方メートルのベンチマークは使いません。
  • 助成。否決を覆す全国共通の補助金はありません。東京都マンション改良工事助成は、工事の例として名前だけ出します。申請者は管理組合です。年度の要綱が先です。金額は見積書で確認します。

管理費の全国平均17,103円(駐車場等を含む)は、工事費の目安ではありません。17,103円を、否決の根拠にも可決の根拠にもしません。

第17条と第31条を、同じ4分の3で混ぜない

外壁の色や形状を大きく変える工事と、規約の条を直す議案は、定数の条文が違います。第17条は、所有者の定数のみ過半数まで減らせます。第31条の出席の過半数は、規約で引上げできます。どちらも、出席したうえでの各4分の3です。建替えの第62条の5分の4は、否決の再提案へ使いません。

第17条と第31条の定数を取り違えない
  • 第47条第3項。規約変更、共用部分の著しい変更等は、組合員総数と議決権総数の各過半数の出席のうえ、各4分の3です。自組合の規約がこの項を置いているかを見ます。
  • 第47条第4項。瑕疵除去、バリアフリー等は各3分の2です。否決された議案がこの項に当たるかも、条文で確認します。
  • 第36条。区分所有者全員の同意で、招集手続を省略できます。否決の直後の再投票を、この省略で済ませることは、同意が揃ったときだけです。
  • 所在不明。第38条の2は、決議から所在等不明者を除く裁判です。否決を覆すための自動の除外ではありません。

規約第49条の議事録は、議長と議長が指名した出席組合員2人が署名します。法律第42条は、紙なら議長と出席した区分所有者2人です。反対意見の要旨を、次の説明会の資料に残します。要旨が無い議事録は、次の通知の説明が空になります。

否決と、管理会社の終了は別議案

工事や規約の議案が否決されたことと、管理委託契約を終えることは別です。委託の終了は第48条第17号です。モデルの申入れは少なくとも三月前の書面です。条番号は手元の契約書で確認します。否決の場で、会社の解約を急に議題に載せることは、第37条の通知した事項の外になり得ます。

否決の再提案と委託契約の終了は別議案
  • 第72条。新しい業者との契約を結ぶときだけ、重要事項説明が要ります。否決された工事の再提案そのものは、第72条の説明会ではありません。
  • 国内管理人。区分所有法第6条の2です。次の招集通知は、規約第31条の3の届出先へも出します。
  • 名簿。非法人は規約第31条の2です。返事が無い区分所有者には、届出住所と登記を当たった記録を残します。
  • 認定。管理計画認定は、否決を覆す点数ではありません。条番号は手元の契約書で確認します。

役員は規約第35条第2項で組合員から選任します。理事長は第38条第2項で区分所有法の管理者です。否決の責任を、理事長個人の辞任だけで片付けません。次の議案の文と、定数と、通知の期限を、理事会の決議に残します。監事は第41条で、業務と財産を監査します。見積もりの一式が空欄かを、監査の視点にも入れます。

第6条第2項は、保存または改良のため必要な範囲で、他の専有部分の使用や保存の実施を請求できます。再提案の調査で専有へ入るときは、この請求と規約第23条です。実力で入る権利ではありません。第9条は、他人に損害が出たときの瑕疵の場所の推定です。否決された工事を、この推定だけで組合の負担とはしません。

長期修繕計画の見直しは5年程度です。否決された年に、計画の項目を直すことはできます。外壁や屋上防水の記載例は12〜15年、鉄部塗装は5〜7年です。義務ではありません。記載例の年を、否決を無効にする根拠にはしません。

第46条の2の所有者不明専有部分管理命令は、利害関係人の請求で裁判所が命じます。否決の再提案を進めるための近道ではありません。第25条の管理者の選任・解任は、否決された工事とは別の議案です。管理者を替えることと、工事を通すことを、同じ通知の同じ行に混ぜません。

否決後の説明会と掲示の代替

規約第43条第3項は、通知を発したあと、所定の掲示場所への掲示で足りる場合を置いています。掲示は、届出住所への通知の代わりになるときと、通知のあとの周知であるときを、規約の文で分けます。回覧板や自治会の連絡網を、第43条の通知そのものにはしません。第35条の議案の要領は、金額、工法、定数の別を短い文で書きます。要領が「大規模修繕の件」だけでは、第37条の通知した事項として狭いことがあります。

  • 第43条第8項。緊急を要する場合、理事長は理事会の承認を得て、1週間を下回らない範囲で第1項の期間を短縮できます。否決の翌週に急ぐときでも、1週間を割る短縮はこの項の外です。
  • 再生等。再生等の決議を目的とする総会は、通知が2か月前、説明会が1か月前です。否決されたのが再生等でない工事なら、この期限は使いません。
  • 第24条。共用部分の損害保険を組合が結ぶことを区分所有者が承認します。否決された工事の保険金の見込みを、可決の材料だけにはしません。約款が先です。
  • 第26条。管理費等は特定承継人へ請求できます。否決のあとに部屋が売れたとき、次の区分所有者へ、次の総会の通知を出します。

管理計画認定は、否決を覆す点数ではありません。住宅金融支援機構の融資の年0.2%引下げは、共用部分リフォーム融資の話です。否決された工事が融資の対象になるかは、その案内です。節約額は、証券と見積もりの差額で確認します。東京の管理状況届出は、昭和58年12月31日以前新築で居住用独立部分6以上の管理組合です。届出の対象であることを、特別決議の根拠にはしません。

見積もりの比較表には、調査、設計、工事、仮設、監理に加えて、立入りが要る住戸、仮設の範囲、工期の月を並べます。金額が近い2社で、立入りの範囲が違うときは、安い行だけを再提案の理由にしません。規約第23条の請求文を、見積もりの別紙に付けます。請求の相手が区分所有者か、室内の賃借人かを、名簿で分けます。

第18条第6項は、共用部分の損害保険契約を管理とみなします。保険の更新を、否決された改修と一つの議案にすると、反対した人が保険まで否決する材料になります。証券の更新は、第47条の普通決議の範囲で足りることがあります。改修が第17条に当たるときだけ、定数を上げます。

よくある質問

Q. 否決の翌週に、同じ議案を出せますか。
A. 臨時総会の招集はできます。第37条の通知した事項と、変えた説明を次の通知に書きます。全員の同意が無い限り、招集手続は省略しません。

Q. 4分の3は規約で過半数へ落とせますか。
A. 第17条は、区分所有者の定数のみ過半数まで減らせます。議決権の4分の3までを過半数へは落とせません。第31条の出席の過半数は、規約で引上げできます。

Q. 5分の1の請求は、20日以内に総会ですか。
A. 法律第34条と規約第44条は、2週間以内に、請求から4週間以内の日を会日とする通知です。20日という数字は使いません。

Q. 補助金を付ければ可決しますか。
A. 全国共通の額はありません。要綱の年度と申請者を確認します。可決の保証には使いません。

Q. 管理会社の解約予告は何条ですか。
A. 条番号は手元の契約書で確認します。モデルは少なくとも三月前の書面です。結んでいる契約書が先です。否決の再提案とは別議案です。

再提案の招集通知には、前回の反対理由への返答、見積もりの項目がどう変わったか、定数が第47条か第17条か第31条か、を短い段落で書きます。返答が「再度ご理解ください」だけでは、第35条の議案の要領として薄いことがあります。図と、前回の議事録の該当ページを、通知に添付します。添付した日を、理事会のファイルに残します。

第34条第2項の毎年1回の集会は、通常総会です。否決の再提案を、次の通常総会まで必ず待たなければならない条ではありません。第42条第4項の臨時総会が使えます。通常総会の2か月以内の招集と、臨時総会の2週間前の通知を、同じカレンダーに書きます。二つの総会を同日にするときは、議案の番号を分け、定数の違う議案を続けて採決する順序を通知に書きます。

まとめ

  • 否決のあとは、普通決議、第17条、第31条のどれかを分け、反対の理由を次の通知に書きます。
  • 臨時総会は、規約第42条第4項の理事会か、第44条と法律第34条の5分の1の請求です。通知の期限は2週間と4週間です。
  • 見積もりは一式を空欄にし、同じ仕様で2〜3社です。
  • 第17条と第31条の4分の3を、同じルールで混ぜません。建替えの5分の4は使いません。
  • 工事の再提案と、管理委託の終了は別議案です。全国共通の補助金はありません。

免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。再提案と定数は、その管理規約、招集通知、見積もりで確認してください。

島 洋祐

株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

建物管理に関するお悩みはお気軽にご相談下さい!
大手建物管理会社では対応が難しい自主管理物件や小規模マンションにも、当社は的確なサポートを提供します。
規模に関わらず、管理組合様のニーズに寄り添い、資産価値の維持・向上に貢献する最適な管理プランをご提案。
長期的な安定と快適な居住環境づくりを全力でサポートいたします。

マンション管理のこと、 どんな小さな疑問でも
大丈夫です!

どんな些細なことでも構いません。管理費の最適化や修繕計画、住民トラブルの対応まで、
少しでも気になることはMIJまでお気軽にご相談ください!

相談は無料です!マンション管理のことは
何でもご相談ください!

03-5333-0703 電話で相談する

営業時間:10:00~18:00
平日、土日も営業(年末年始・お盆を除く)