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マンション管理士は、マンション管理適正化法の登録を受け、その名称を用いて、管理組合の運営その他マンションの管理について、管理者等または区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を業とする者です(第2条)。他の法律で制限される業務は、この定義から除かれています。理事会に代わって契約を結ぶ資格ではありません。
- 登録。第30条第1項の国土交通大臣の登録です。試験に合格しただけでは、名称を業として使えません。
- 名称独占。第43条は、マンション管理士でない者は、マンション管理士またはこれに紛らわしい名称を使用してはならない、と定めています。必置の人数はありません。
- 秘密。第42条は、正当な理由なく業務上知った秘密を漏らしてはなりません。資格を失ったあとも同じです。第40条は、信用を傷つける行為の禁止です。
- 講習。第41条は、国土交通省令で定める期間ごとに、登録講習機関の講習を受ける義務です。
この記事は2026年9月時点の説明です。使う規約と、頼む契約の範囲が先です。資格の上下を決める条項はありません。名称の使用は適正化法第43条です。※本記事は一般的な情報提供を目的としています。

管理業務主任者|重要事項の説明と記名の資格
管理業務主任者は、第60条第1項の管理業務主任者証の交付を受けた者です(第2条)。マンション管理士と同じ法律の、別の資格です。立場が「組合の味方/会社の担当」と二列に分かれる条項ではありません。誰に雇われているかと、法律上の行為は分けて見ます。
- 第72条。新規の管理受託契約は、説明会を開き、説明会の1週間前までに重要事項と日時場所の書面を、区分所有者等と管理者等の全員へ交付します。管理業務主任者が説明し、主任者証を提示し、書面に記名します。押印の定めではありません。同一条件の更新は、区分所有者等全員への書面交付で足ります。管理者がいれば、管理者へ主任者が説明します。
- 第73条。契約成立後、遅滞なく管理者等へ書面を交付します。業者自身が管理者のとき、または管理者がいないときは、区分所有者全員へ交付します。書面には主任者が記名します。
- 第77条。管理者がいるとき、定期に管理業務主任者が管理事務を報告します。管理者がいないときは、説明会を開いて区分所有者等へ報告します。
- 第56条第1項。マンション管理業者は、その事務所ごとに、事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければなりません。省令の人数要件は、根拠となる省令の条文で確認します。マンション管理士に、この設置義務はありません。
- 宅地建物取引士。売買または賃貸の重要事項説明の資格です。管理受託契約の第72条の説明は、宅建士の資格では足りません。
一人がマンション管理士と管理業務主任者の両方の登録を持つことはあり得ます。持っていることと、その場でどの資格として行為するかは、書面の肩書で見ます。第72条の記名欄に、マンション管理士の登録番号だけを書く条項ではありません。説明会の司会を管理士がしても、重要事項の説明者と、書面の記名は主任者です。
第77条の報告も、主任者が主任者証を提示して行います。管理士の顧問報告を、この定期報告に代えません。管理者がいない組合では、第77条第2項の説明会です。顧問の管理士が、この説明会の主任者の席に自動で座る条項ではありません。

管理士が触れる仕事と、総会が決めること

助言の題材は、規約、委託、修繕、認定の申請です。決めるのは管理組合です。標準管理規約第48条の総会決議事項は、管理士の報告書では足りません。
- 規約。改正案の整理は助言です。規約の設定、変更または廃止は、区分所有法第31条第1項です。出席は、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の過半数であって議決権の過半数(いずれも規約で上回る割合にできる)です。決議は、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上です。一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾が要ります。標準管理規約第47条第3項も、規約変更を各4分の3としています。
- 委託。管理委託契約の締結は、標準管理規約第48条第17号です。定数は普通決議です(区分所有法第39条、標準管理規約第47条第1項・第2項)。見積もりは同じ仕様で2〜3社、事務管理、管理員、清掃、建物設備管理に分けます。「一式」は空欄のまま聞きます。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増えます。実務上の傾向であり、統計ではありません。現地確認の回数は置きません。
- 修繕。工事の見積もりも、行を分けて読みます。長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)は、計画期間30年以上、大規模修繕2回以上、見直しは5年程度です。作成費用の国の単価はありません。円の工事相場は置きません。
- 認定。管理計画認定は、適正化推進計画を持つ都道府県等の長への申請で、5年ごとに更新します。第48条第16号の総会決議事項です。管理適正評価(マンション管理業協会)とは別です。どちらも管理会社の順位表ではありません。認定で補助金が有利になる、という全国共通の扱いはありません。
解約は、いまの契約書が優先です。標準管理委託契約書(令和5年9月11日改定)のモデルは、少なくとも三月前の書面です。条番号は引きません。管理会社から終了を打診されたときも、予告期間と規約の総会の条項を先に見ます。
マンション管理士がしないこと・できないこと

定義の括弧書きは、他の法律で制限される業務を除いています。助言の延長で、代理や説明の記名まで引き受ける条項ではありません。
- 裁判の代理。滞納の訴えや、相手方との示談の代理は、弁護士の業務です。マンション管理士の名称で、代理人にはなりません。書類の整理や、総会資料の下書きは、助言の範囲で契約します。
- 第72条の説明。管理受託契約の重要事項説明と、書面への記名は、管理業務主任者の行為です。管理士の助言報告書を、この説明に代えません。
- 工事の請負。施工の責任は、工事請負契約の相手です。管理士の所見は、仕様の読み方です。
- 削減率。委託費が何%下がる、という数字はこの記事では置きません。仕様を厚くすれば、金額は上がり得ます。
標準管理規約第35条第2項は、役員は組合員から選任すると定めています。外部の専門家を役員にする定めは、別の規約例です。マンション管理士を顧問にする契約と、理事に選任する決議は、別の話です。役員の選任は、規約に別段がなければ普通決議です(第48条第二号、区分所有法第39条)。
管理組合が管理士へ頼むときの見方

報酬と成果を分けて見ます。助言の報告書が、総会の決議に代わることはありません。
- 使途。標準管理規約第27条第九号は、専門的知識を有する者の活用に要する費用を管理費の使途としています。第8号の委託業務費(管理会社)とは別です。金額は、頼む範囲の契約です。円の相場は置きません。
- 契約。助言の範囲、期間、成果物、再委託の有無を書面にします。管理委託契約のひな型を、そのまま使いません。
- 見積もり。同じ仕様で2〜3社です。任意の提案は合計の外です。
- 秘密。第42条の秘密保持は、理事会資料の取扱いの出発点です。区分所有者名簿を渡す範囲は、理事会で決めます。非法人の名簿は第31条の2です。
第76条は、管理会社が修繕積立金などを分別管理する義務です。管理士の顧問契約が、この分別を代行する条項ではありません。第74条の基幹事務の一括再委託禁止も、管理業者への規律です。管理士へ会計の全部を預ける契約は、別の話です。
新宿区の管理計画認定の手続支援は、認定の手続の例です。管理士報酬の全国共通の補助ではありません。年度の要綱が優先です。
第30条の登録は、マンション管理士登録簿に氏名、生年月日その他省令の事項を登載して行います。登録をしたときは、適正化法第31条で登録証が交付されます。区分所有法第31条(規約の変更)とは別の条です。登録事項に変更があったときは、第32条で遅滞なく届け出て、登録証の訂正を受けます。信用失墜、秘密漏えい、名称の規定に違反したときは、登録の取消しまたは名称の使用停止があり得ます。顧問契約の開始時に、登録証を確認します。
管理業務主任者証の有効期間は5年です(第60条第3項)。交付の申請日前6か月以内の講習が要ります。試験合格日から1年以内の交付は、この講習の例外です。管理士の講習(第41条)と、主任者証の講習は、別の話です。両方を持つ人でも、期限は資格ごとに見ます。
標準管理規約第33条は、管理組合の業務の全部または一部をマンション管理業者等の第三者に委託できると定めています。管理士への顧問は、この「マンション管理業者」そのものではありません。業者の登録は第44条で、有効期間は5年です。管理士の登録と、業者の登録を、同じ証明書だとは扱いません。
よくある質問
Q. マンション管理士と管理業務主任者は、どちらが上ですか。
A. 上下の条項はありません。管理士は助言、主任者は説明と記名と報告です。一人が両方を持つことはあり得ます。
Q. 管理会社にマンション管理士がいれば安心ですか。
A. 会社に資格者がいることと、第72条の説明者が誰かは別です。説明の書面の記名を見ます。
Q. 管理士に頼めば委託費は下がりますか。
A. 下がる割合はありません。四つの業務の仕様で比べます。
Q. 滞納の裁判を管理士に頼めますか。
A. 代理は弁護士の業務です。資料の整理は、助言の契約の範囲です。
Q. 役員になってもらえますか。
A. 標準管理規約第35条第2項は、役員は組合員から選任します。外部の専門家を役員にするかは、使う規約です。顧問契約とは別の決議です。
Q. 管理士の名称を名刺に書いてある人なら誰でもよいですか。
A. 第43条は、登録を受けていない者の名称使用を禁じています。登録証の番号と、有効な登録かを確認します。紛らわしい名称も第43条の対象です。
Q. 見積もりは何社に出せばよいですか。
A. 同じ仕様で2〜3社です。5〜6社へ同時に出すと、20〜40戸程度では辞退が増える傾向があります。現地確認の回数の目安は置きません。
まとめ
- マンション管理士は、第30条の登録を受け、第2条の助言・指導・援助を業とする資格です。第43条で名称が守られています。
- 管理業務主任者は、第72条の説明と記名、第77条の報告、第56条の事務所への設置の資格です。
- 宅地建物取引士は、売買・賃貸の重要事項説明です。管理受託契約の説明には使いません。
- 規約変更は第31条、委託契約の締結は普通決議です。決めるのは総会です。
- 裁判の代理と、第72条の記名は、管理士の業務ではありません。削減率の数字は置きません。
- 報酬は第27条第九号の管理費の使途です。見積もりは2〜3社です。
- 管理士の登録証(適正化法第31条)と、管理業者の登録(第44条、有効5年)と、主任者証(第60条、有効5年)は、別の証明書です。
- 解約は、いまの契約書の予告期間が優先です。モデルは少なくとも三月前の書面です。
管理士へ大規模修繕の助言を頼むときも、工事の相見積もりは施工会社へ同じ仕様で2〜3社です。助言の報酬と、工事代金は別の契約です。ガイドラインの周期(外壁塗装・屋上防水の記載例12〜15年など)は義務ではありません。1戸あたりの工事円は、この記事では置きません。
免責事項本記事は2026年9月時点の一般的な説明であり、個別の助言ではありません。資格者へ頼む範囲、総会の定数、委託契約の条件、登録の有効はその管理規約、契約書、登録証、見積もりで確認してください。
島 洋祐
株式会社MIJ 代表 / 不動産コンテンツ監修者 宅地建物取引士 管理業務主任者 不動産業界歴 23年不動産投資歴 15年会社経営 11年 売買・賃貸・管理・一棟リフォームを一通り経験した不動産のプロフェッショナル。自社不動産ブログにてSEOキーワード「東京 マンション 買取」および「マンション管理会社 東京」で検索順位1位を獲得。現場経験と情報発信の両面から、読者に正確・実践的な不動産情報をお届けします。

