~展示会で見えた管理業界のいま~
先日の展示会レポート続編では、主に外部管理者方式や認定制度についてご紹介しました。
今回は第2回として、**出展者・来場者の顔ぶれから見えてきた「マンション管理の多様化」**についてお伝えします。
【前編記事はこちら】https://mij-c.com/column/1236

■ マンション管理士関連団体の出展も目立つ展示会
今回の展示会では、管理会社や建物設備関連の企業に加えて、マンション管理士の関連団体による出展も目立っていたのが印象的でした。
- NPO法人や管理士団体による相談ブース
- 管理計画認定制度/管理評価制度の案内
- 外部管理者方式(外部理事長・外部監事)の案内
など、管理組合運営の外部支援体制をテーマとした出展や案内です。
来場者の中にも、現役のマンション理事や大規模修繕委員会の関係者が立ち寄っておられ、「管理会社だけでは対応が難しい局面が増えている」という実感が伝わってきました。
■ 改めて注目される「管理会社」と「マンション管理士」の役割の違い
展示会の様子を通じて感じたのは、管理組合の支援において、“実務”と“助言・コンサル”を明確に分けて考える流れが強まっているということです。
管理会社 | マンション管理士(事務所) |
---|---|
清掃・点検・会計などの実務担当 | 規約見直し・合意形成支援・運営アドバイス |
委託契約に基づいて業務遂行 | 顧問・スポット契約で中立的に支援 |
実行主体 | 理事会の「相談役」的な存在 |
このように両者の役割がはっきりすることで、管理組合側も「何を誰に相談すべきか」という判断がしやすくなってきているのかもしれません。
■ 当社はその“ちょうど中間”に立てる存在です
展示会では「管理士のアドバイスがほしいけど、実務をどうするかが心配」という声も聞かれました。
一方で、「管理会社は頼れるが、理事会の相談にはあまり入ってこない」といったジレンマも…。
当社は管理会社として、日常の管理業務を受託する一方で、マンション管理士が行うような“理事会サポート”や“規約改正支援”なども一貫して対応しています。
- 規約や運営ルールの整備
- 総会・理事会運営の支援
- 自主管理から委託管理への移行支援
- 長期修繕計画の助言や資金計画の見直し
こうした“中間的立場”でのサポートができるのは、現場と制度の両面に通じているからこそ。
特に高齢化や所有者の多様化が進む都市部のマンションでは、理事会運営や合意形成に課題を抱えるケースが多く、こうした柔軟な支援へのニーズが高まっていると実感しました。
■ 管理のあり方を考える良い機会に
展示会で出会ったマンション管理士の方々と意見交換をしていても、「これからは管理会社と管理士がうまく連携し、組合の運営力を支える時代になる」という共通認識がありました。
今後、マンションの運営課題はますます複雑化します。
その中で、**「どこまでを管理会社に」「どこからを相談型支援に」**という視点を持つことは、管理組合にとって大きな武器になります。
当社はその両面を理解し、橋渡しできる存在として、これからもサポートしてまいります。