マンション管理組合の役員の仕事とは?役割・業務内容をわかりやすく解説

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「管理組合の役員が、輪番制で回ってきた…」 「理事長に推薦されたけど、一体何をするの?」 「正直、面倒な仕事はやりたくない…」

分譲マンションに住んでいると、多くの人が一度は直面する「管理組合の役員」という役割。専門的なイメージがあり、できれば避けたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、管理組合の活動は、あなたのマンションの住み心地と資産価値を維持・向上させるための、非常に重要な仕事です。

この記事では、管理組合の新任役員の方や、これから役員になる可能性のある方にむけて、

  • そもそも管理組合って何のためにあるの?
  • 理事長・理事・監事など、役員の具体的な仕事内容
  • 「理事会」と「総会」の違いと目的
  • 管理組合が取り組むべき重要テーマ

などを、初心者にも分かりやすく徹底解説します。この記事を読めば、管理組合の役割が明確になり、役員の仕事に対する不安がきっと解消されるはずです。

目次

そもそもマンション管理組合とは?なぜ必要なの?

管理組合とは、一言でいえば「マンションの建物や敷地を、みんなで適切に管理していくための団体」です。

全ての区分所有者が強制的に加入する「団体」

分譲マンションを購入すると、その部屋の所有者(区分所有者)は、法律上、誰もが自動的にそのマンションの管理組合の「組合員」となります。これは自分の意思で抜けたり、入らなかったりすることはできません。

目的は「資産価値」と「住環境」の維持・向上

なぜ管理組合が必要なのでしょうか?それは、マンションには個人の所有物である「専有部分(自分の部屋)」と、住民みんなの共有財産である「共用部分(廊下、エレベーター、エントランス、外壁など)」があるからです。

この共用部分を誰も管理しなければ、建物はどんどん老朽化し、汚れていきます。その結果、住み心地が悪くなるだけでなく、マンションの資産価値も大きく下落してしまいます。

そうならないために、管理組合が主体となって、清掃や点検、大規模な修繕などを計画的に行い、マンション全体の価値を守っていくのです。

「管理組合」「理事会」「管理会社」の関係性

ここでよく混同しがちな3者の関係を整理しておきましょう。

  • 管理組合: 区分所有者全員で構成される「最高意思決定機関」。マンションの憲法である「管理規約」を定めたり、年間の予算を決めたりします。
  • 理事会: 管理組合の中から選ばれた、いわば「実行部隊」。総会で決まったことを実行し、日常的な管理業務を進めていきます。役員(理事長、理事、監事)は、この理事会を構成するメンバーです。
  • 管理会社: 理事会の業務を専門的な知識でサポートする「パートナー」。清掃や点検、会計業務などを委託しますが、最終的な決定権は管理組合(理事会)にあります。決して「丸投げ」する相手ではありません。

(※上記は関係性を表すイメージ)


【役職別】管理組合役員の主な役割と仕事内容

理事会を構成する役員には、主に以下のような役職があります。

理事長:管理組合の代表者・最高責任者

  • 理事会や総会を招集し、議長を務める。
  • 管理組合を代表して、管理会社や工事業者との契約書に記名・押印する。
  • 管理費等の滞納者に対する督促など、組合の代表として対外的な窓口となる。

責任者というと重く聞こえますが、一人で全てを決めるわけではなく、あくまで理事会や総会で決まったことを代表して執行する立場です。

副理事長:理事長の補佐役

  • 理事長を補佐し、理事長が不在の際にはその代理を務める。
  • 理事長と協力して、理事会の円滑な運営をサポートする。

理事(会計・書記・広報など):理事会のメンバー

理事会を構成する中心メンバーです。マンションの規模に応じて、以下のような担当を分担することが多いです。

  • 会計担当: 管理費や修繕積立金の収支状況をチェックし、予算案や決算案の作成をサポートする。管理会社から提出される月次報告書の確認が主な業務です。←は理事会全体や管理会社が行う場合もあります。小口現金の管理・収支報告書の作成等絵を行うこともあります。
  • 書記担当: 理事会や総会の議事録を作成・保管する。
  • 広報担当: 組合員へのお知らせ(掲示物や広報誌)を作成する。
  • 修繕担当: 小規模な修繕の計画や、大規模修繕に向けた情報収集などを行う。
  • 防災担当: マンションの防火管理者となり、消防訓練の実施調整などを行う。

※物件によりないものや別の担当がある場合もあります。

監事:理事会の業務をチェックする監査役

理事会からは独立した立場で、理事会の業務執行や会計状況が適切に行われているかを監査する重要な役割です。問題があれば、総会で報告する権限を持ちます。


管理組合の2大イベント「理事会」と「総会」

管理組合の活動は、主に「理事会」と「総会」という2つの会議で進められます。

理事会(年2~11回程度の定例会議)

  • 目的: 日常的な管理業務に関する検討や、総会に提出する議案の準備を行います。
  • 議題の例:
    • 管理会社からの業務報告(清掃状況、会計報告など)
    • 住民からの要望やトラブルへの対応
    • 小規模な修繕工事の検討
    • 総会で話し合う内容の準備

総会(年1回の最高意思決定機関)

  • 目的: 管理組合としての重要事項を最終的に決議するための、最も重要な会議です。
  • 決議事項の例:
    • 前年度の活動・決算報告の承認
    • 新年度の事業計画・予算案の承認
    • 役員の選任・解任
    • 管理規約の変更
    • 大規模修繕工事の実施

これらの重要事項は、理事会だけで決めることはできず、必ず総会での組合員の賛成が必要となります。


「役員は面倒」だけじゃない!管理組合活動のメリット

役員の仕事は大変な面もありますが、経験することで得られるメリットもたくさんあります。

  1. 自分のマンションの資産価値に直接貢献できる 適切な管理運営は、マンションの価値を維持・向上させます。役員としての活動は、自分自身の資産を守ることに直結する、やりがいのある仕事です。
  2. マンションの構造やお金の流れに詳しくなる 普段は気にしない建物の構造や、管理費が何に使われているのかが明確に分かります。これは、一人の住民としても大きな知識となります。
  3. 他の居住者とのつながりができる 役員活動を通して、挨拶を交わす人が増え、コミュニティが活性化します。良好なコミュニ-ティは、防犯や防災の面でも大きな力になります。

まとめ:管理組合は「自分ごと」。未来の価値を創る大切な活動

管理組合の役員は、決して「罰ゲーム」や「面倒なだけの雑務」ではありません。 自分たちが住むマンションを、自分たちの手でより良くしていくための、主体的でやりがいのある活動です。

もちろん、役員だけで全てを抱え込む必要はありません。信頼できる管理会社とパートナーシップを組み、他の理事や監事と協力しながら進めていくことが大切です。

これから役員になる方も、現在役員を務めている方も、ぜひ「自分たちのマンションの未来を創る」という視点で、管理組合の活動に関わってみてください。その前向きな姿勢が、マンション全体の住み心地と資産価値を、確実に向上させていくはずです。

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この記事を書いた人

保有資格:管理業務主任者・ 保険募集人・ 甲種防火管理者
不動産業界歴5年。大手管理会社にてフロント担当者として3年勤務し、担当13棟 総戸数約900戸の管理を経験し、15戸から330戸までの管理組合のフロントを経験してまいりました。物件種別についても新規オープンから築60年程度のマンションまで、幅広い経験がございます。
管理業務主任者の資格だけでなく、保険募集人・甲種防火管理者の資格も保有。組合様の課題やご要望に対し、様々なご提案を差し上げます。

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