今回は、自主管理組合の会計担当者が知っておくべき知識について解説します。マンション管理における会計は、資産価値を守る上で非常に重要です。正確な会計情報の管理が求められる中、最低限知っておきたい簿記の知識について見ていきましょう。
簿記には「単式」と「複式」の2種類がある
簿記は単式簿記と複式簿記という2種類に区分することが出来ます。
単式簿記:シンプルでわかりやすいお小遣い帳方式
「単式簿記」とは、いわゆるお小遣い帳です。
収入や支出があったら記録していく方法で、例えば・・・
(例1)管理組合の通帳から共用部の電気代が引き落としされた。
(やり方)支出欄に電気代●円と記載する。
(例2)管理組合の通帳に12月分の管理費が入金された。
(やり方)収入欄に12月分管理費●円と記載する。
シンプルなので、これだけであれば通帳等を見ながら誰にでも出来る帳簿の作成と言えます。あとは記載した内容に基づいて領収書や報告書といった証憑類を用意しておけば報告も簡単です!
この方法はシンプルで誰にでも記録できますが、「まだ入金されていないお金(未収金)」や「まだ支払っていないお金(未払金)」の管理が難しく、お金の流れ全体を把握しづらいというデメリットがあります。
複式簿記:お金の流れ全体を把握するプロの方式
複式簿記は、お金の増減を「借方」と「貸方」に分けて記録する方法です。「収益」「費用」「資産」「負債」「純資産」といった要素を使い、お金の流れ全体を可視化します。
(例1)管理組合の小口現金から共用廊下の電球を購入した。
(やり方) 借方:消耗品●円/貸方:現金●円
(例2)12月分の管理費を未だ払っていない人がいる。
(やり方) 借方:未収管理費●円/貸方:管理費●円
(例3)12月に行った修繕費を未だ払っていない。1月に払う予定だ。
(やり方) 借方:修繕費●円/貸方:未払修繕費●円
資産の増加と同時に、資産の減少を記録するような方式から「複式簿記」という名称なのです。
このようなお金の管理方法であれば、「管理組合が今使えるお金はいくらあるのだろうか?」、「管理組合に本来入るべきお金はいくらで、今月分の管理費や修繕積立金を払っていない人はどれ位いるのだろう?」といったことが管理しやすくなります!
日商簿記3級レベルの知識があると安心
自主管理組合では、そのシンプルさから単式簿記が採用されるケースが多く見受けられます。しかし、単式簿記だけでは管理費の未収金状況がすぐに分からず、トラブルにつながることも少なくありません。
複式簿記を正しく理解し、お金を管理するには、ある程度の専門知識が必要です。そのための指標として、日商簿記3級の資格取得を参考にすることをおすすめします。日商簿記3級は、会計業務の基本的な知識を身につける上で非常に役立ちます。
まとめ:MIJが自主管理組合の会計業務をサポートします
管理組合の会計業務は、住民の生活やマンションの資産価値に直結する重要な業務です。しかし、日常の仕事や生活がある中で、理事自身がここまでの専門知識を身につけ、業務を行うのは非常に困難です。
株式会社MIJには、マンション管理士、建築士、そして簿記の資格保有者も在籍しています。私たちは、自主管理組合の役員不足や会計業務の負担を軽減するため、専門的なサポートを提供しています。
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