今回は小規模マンションの防災対策について、ポイントをまとめました。
小規模マンションでは共用部の大きさの兼ね合いもあり、全世帯分の食料等の保管が現実的でない場合もあります。管理組合で準備する物、各家庭で準備する物の振り分け・判断のご参考にしていただけると幸いです。
目次
保管場所の確保と共有
- 共用部に専用スペースを設ける:管理員室、倉庫スペース、または屋外収納を確保。共有部が狭い場合、エレベーター隅など小スペースへの設置も一案です。エレベーターの隅に置く用の災害備品セット等もあるので一度調べてみることをお勧めします。
- 全住戸で“居場所”を認知:保管場所は理事会だけでなく、全居住者が把握できるよう掲示・資料で周知しましょう 。
管理組合(共助)と各家庭(自助)の役割明示
- 管理組合で備えるべき品目:
- 発電機、蓄電池、非常用トイレ、ヘルメット、救助道具(バール・タンカーなど)、災害用ラジオ、拡声器、工具セットなど 。
- 各家庭に求められる備品:
- 食料・飲料水(1人1日3 L×最低3日、望ましくは7日分)、懐中電灯、非常用トイレ、救急セット、携帯ラジオなど 。
維持管理と定期点検
- 年1回のチェック実施:
- 非常食・水の賞味期限、電池寿命、懐中電灯やラジオの動作確認を実施し、不備があれば交換・補充を行う 。
- 賞味期限切れが近くなり買い替える際には居住者へ配布することでより、居住者に防災備品等の存在を周知出来ます。
- 理事会に点検責任者を設ける:
- 点検日と担当者を防災マニュアルに明記し、住民にも定期報告を行いましょう 。
防災マニュアルと訓練への組み込み
- マニュアル構成のベース:
- 保管場所、責任者、品目一覧、交換ルール、保管ルール、安否確認手順などを整備 。
- 住民名簿や支援が必要な方リストも準備し、定期的に更新することが望ましい 。
- 定期的な防災訓練:
- マニュアルに基づき避難訓練を開催。無事シートの掲示、備品の使い方確認、マニュアルのブラッシュアップを行います 。
- 訓練参加者を募ることで、防災意識の向上と地域コミュニティ強化にもつながります 。
チェックリスト
項目 | 実施状況 |
---|---|
🗂 保管場所の確保(共用部・収納)と図解表示 | ☐ |
🧭 保管場所の情報共有(掲示・資料配布) | ☐ |
🛠 管理組合と各家庭の備品リスト明確化 | ☐ |
🔍 年1回の備品チェックと更新体制整備 | ☐ |
📘 防災マニュアルの整備(責任者・ルール明記) | ☐ |
🧑🤝🧑 防災訓練・安否確認システム導入 | ☐ |
👥 要援護者名簿の作成と更新 | ☐ |
まとめ
小規模マンションでも、防災は「備える・整える・続ける」の3ステップが重要です。単に備蓄するだけでなく、保管場所の可視化、維持管理ルールの設定、防災訓練の実施により、実際の災害時に備える体制を強化できます。
まずは管理組合の理事会や総会で取り組みを議題として検討することが大切です。