自主管理マンションの理事にとって、建物の寿命と資産価値を守るための「長期修繕計画書」は、最も重要なツールの1つです。
しかし、管理会社を導入していない場合、「どこに依頼すればいいのか」「費用はどれくらいかかるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、長期修繕計画書を作成できる主な依頼先(建築士事務所、マンション管理士、管理会社)を比較し、それぞれの特徴や費用、選び方のポイントを解説します。自主管理マンションならではの悩みを解決するためのヒントとして、ぜひお役立てください。
1. 自主管理マンションにおける長期修繕計画書の重要性
自主管理マンションとは、管理会社に頼らず、管理組合や理事会が自らマンションの維持管理を行う形態を指します。自由度が高い反面、長期修繕計画の立案や資金計画といった専門的な業務も、自分たちで進めなければなりません。
長期修繕計画書は、今後30年程度の修繕内容、時期、そして費用を具体的に見通す「マンションの未来設計図」です。この計画が不十分だと、修繕積立金が足りなくなったり、必要な工事が遅れたりして、建物の劣化を早め、結果的に資産価値の低下や安全性の低下につながるリスクがあります。
2.長期修繕計画書の主な依頼先と特徴
主な依頼先として3パターン(建築士事務所・マンション管理士・管理会社)ご紹介いたします。
依頼先 | 特徴とメリット | 費用目安 | 注意点 |
---|---|---|---|
建築士事務所 | ・高精度な現地調査が可能(外壁打診など) ・建物の劣化状況を詳細に把握できるため、信頼性の高い計画書を作成できる。 | 20〜50万円 | 費用が比較的高額になる傾向がある。 |
マンション管理士 | ・簡易調査で現状に即した計画書を作成 ・コストを抑えつつ専門的なアドバイスが得られる ・修繕積立金の設定や総会での説明など、多岐にわたるフォローが可能。 | 10万円〜 | 建物調査の精度は建築士事務所に劣る場合がある。 |
マンション管理会社 | ・管理委託契約を結んでいる場合、無料〜低価格で作成してくれることがある ・委託契約があれば、依頼の手間とコストを抑えられる。 | 無料〜数万円 | 契約がない場合は、依頼できないことが多い。 |
3. 自主管理組合が長期修繕計画書の依頼先を選ぶポイント
- コストを優先する場合:コストを抑えたいなら、マンション管理士や、柔軟に対応してくれる管理会社が有力な選択肢となります。
- 精度を重視する場合:より正確な建物の劣化状況を知り、精度の高い計画書を作成したい場合は、建築士事務所がおすすめです。
- 手間を削減する場合:すでに一部業務を委託している場合は、その管理会社に相談すると、スムーズに進められることが多いでしょう。
4. 長期修繕計画書は定期的な見直しが不可欠
長期修繕計画書は、一度作成して終わりではありません。資材価格の変動、法改正、建物の劣化状況などに合わせて、5年ごとを目安に定期的に見直すことが理想的です。
定期的な見直しを行うことで、将来の資金計画の破綻や修繕の遅れを防ぎ、常にマンションの健全な状態を保つことができます。
5. 当社が提供する長期修繕計画書作成サービス
当社は、自主管理組合の運営に精通したマンション管理会社です。管理委託契約がない組合様からのご依頼も、柔軟に承っています。
当社のサービスの特徴
- 費用目安: 新規作成は8〜10万円(税込)。他社作成の計画書の見直し(セカンドオピニオン)も同料金で承ります。
- 専門的な手法: 国土交通省が策定した「長期修繕計画標準様式」と「作成ガイドライン」に沿って、修繕履歴や各工事の必要周期に基づいた計画書を作成します。
※実際の診断・調査は含みません。 - 柔軟な対応: 計画書の作成だけでなく、修繕積立金の設定に関するアドバイスも行います。
- 継続的なサポート: 5年ごとの計画見直しや、長期的なコンサルティングも対応可能です。
- 多岐にわたる支援:
- 総会支援業務を含む管理のご依頼をいただければ、合意形成のサポートまで対応可能です。
- 一部の業務のみを委託する「スポット業務」や、管理業務全般の受託も承ります。
まとめ
長期修繕計画書は、自主管理マンションの資産価値を維持し、理事の負担を軽減するための羅針盤です。専門家の視点を取り入れた適切な計画を立てることは、マンションの未来を守るための第一歩となります。
どこに依頼すべきかお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。