管理費が高いマンションの見直し方法【2025年最新4ステップガイド】

老朽化したマンションのエントランスが薄暗く、清掃が行き届いていない様子。故障した照明や散らかった郵便物が見受けられ、管理サービスの質が低下したことによる資産価値の毀損、居住環境悪化の雰囲気を表現しています。過度なコスト削減がもたらす長期的な悪影響を視覚的に訴えかけます。

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

マンションの管理費が「高い」と感じたら、それは適正化のサインかもしれません。しかし、やみくもな値下げ交渉は管理の質を著しく低下させ、かえってマンションの資産価値を損なう危険もはらんでいます。大切なのは、法令に基づいた正しい手順で、透明性を持って見直しを進めることです。

この記事では、宅地建物取引士の視点から、マンション管理費が高い原因の特定方法、管理組合での合意形成、管理会社との具体的な交渉ステップまでを4段階のロードマップで解説します。また、見直しで絶対に避けるべき「修繕積立金との混同」といった注意点も詳しく説明します。適切なプロセスを理解し、管理費の適正化を実現させましょう。

(表が表示されない場合、以下のリストで内訳を確認ください:

  • 管理費総収入: 16,213円
  • 修繕積立金総収入: 14,074円
  • 合計: 30,287円)

【2025年最新】地域別・築年別の管理費相場

首都圏中古マンション(2024年度実績)

  • 月額管理費: 1戸当たり平均 13,847円(前年比 +1.5%)
  • ㎡単価: 平均216円(前年比 +2.3%)
  • 修繕積立金: 1戸当たり平均 13,177円(前年比 +4.7%)
  • ㎡単価: 平均205円(前年比 +5.5%)
  • 合計: 27,024円/月(前年比 +3.1%)

築年別平均管理費(東京都サンプル)

  • 新築~築10年: 月額管理費 5,000-10,000円、㎡単価 100-150円/㎡
  • 築10~20年: 月額管理費 10,000-15,000円、㎡単価 150-200円/㎡
  • 築20~30年: 月額管理費 12,000-18,000円、㎡単価 200-250円/㎡
  • 築30年以上: 月額管理費 15,000円~、㎡単価 250円/㎡~

【出典】
【2025年最新】管理費・修繕積立金の目安 – ACE Management(対象:東京都マンション 7,517件、平均戸数 90.3戸)
首都圏中古マンション管理費・修繕積立金 REINS TOPIC(2024年度)発行:公益社団法人 不動産流通推進センター

(表が表示されない場合、以下のリストで内訳を確認ください:

  • 管理会社への委託業務費: 8,502円 (52.4%)
  • 管理員人件費: 2,689円 (16.6%)
  • 共用部分の水道光熱費: 2,096円 (12.9%)
  • 損害保険料: 681円 (4.2%)
  • その他(公租公課、組合運営費など): 2,245円 (13.9%)
  • 合計: 16,213円 (100%))
目次

なぜ管理費は高いのか?原因を特定する2つの視点

管理費が高いと感じる原因は、大きく分けて2つ考えられます。まずはご自身のマンションの状況を客観的に把握することから始めましょう。

視点1:管理費の内訳を確認する

管理費の見直しに着手する前に、まず「何にいくら使われているのか」を正確に把握する必要があります。管理会社から提示される収支報告書や見積書を確認しましょう。

このとき注意したいのが、「一式」という項目です。例えば「管理委託業務費 一式 〇〇円」といった記載では、清掃、点検、事務管理など、具体的にどの業務にいくらかかっているのかが分かりません。これでは、どの部分に削減の余地があるのか判断が困難です。

管理費の内訳を透明化することが、適正な見直しの第一歩です。管理会社には、清掃業務、エレベーター保守点検、管理員業務といった項目ごとに単価や数量が明記された「内訳明細書」の提出を求めましょう。

⚠️「一式見積り」に注意

例えば「管理委託業務費 一式 ○○円」という記載では、以下の情報が全く分かりません:

  • 清掃は何平米を何回するのか
  • 管理員は何時間配置されるのか
  • エレベーター点検は年何回実施するのか

この場合の対応:

  1. 管理会社に「内訳明細書」の提出を必ず求めてください
  2. 内訳明細書には以下が記載されているはず:
    • 各業務の単価(例:清掃 1㎡当たり 200円/月)
    • 各業務の数量(例:共用部総面積 800㎡)
    • 結果として「清掃 = 200円 × 800㎡ = 160,000円/月」
  3. 相見積もり時にも、同一の「一式」ではなく「内訳明細」の提出を条件にするようにしてください

【重要】
「一式でいくら」という提示のままでは、どの部分にメスを入れられるのか判断が困難です。削減交渉を進める上で、内訳明細化は法的な透明性要件でもあります。管理会社が合理的な理由なく提出を拒む場合は、その事実を理事会で共有し、今後の対応を協議することが重要です。

視点2:お住まいのマンションの管理費相場を把握する

次に、ご自身のマンションの管理費が、他のマンションと比較してどの水準にあるのかを把握します。これは、管理組合内で見直しの必要性を共有する際の客観的な根拠となります。

国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、管理費の全国平均額は以下のようになっています。

調査項目月額/戸あたり
管理費総収入16,213円
修繕積立金総収入14,074円
合計30,287円
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」(2024年)を基に作成

また、管理費の主な使い道(費目別支出)の内訳は以下の通りです。

費目月額/戸あたり構成比
管理会社への委託業務費8,502円52.4%
管理員人件費2,689円16.6%
共用部分の水道光熱費2,096円12.9%
損害保険料681円4.2%
その他(公租公課、組合運営費など)2,245円13.9%
合計16,213円100%
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」(2024年)を基に作成

もちろん、これらの数値はあくまで平均であり、マンションの規模、設備、立地、提供されるサービスの質によって大きく異なります。しかし、ご自身のマンションの費用内訳がこの平均構成比と大きく乖離している場合、その項目に管理費が高い原因が隠れている可能性があります。

【重要】2025年区分所有法改正による新しい流れ

2025年春から夏にかけて、マンション管理制度が大きく変わりました。本記事の「管理費見直しプロセス」にも影響する主要な改正は以下の通りです:

1. 管理計画認定制度の創設

  • 新築分譲時から、分譲事業者がマンション管理計画を作成し、管理組合に引き継ぐ仕組みが導入されました。
  • 既存のマンションに直接の義務はありませんが、「管理の適正化」の公的な基準が示されたことで、見直しの際の目標設定や交渉の客観的な根拠として活用できます。

2. 所在不明所有者の対応強化

  • 所在が不明な区分所有者を集会決議の母数から除外できるようになりました。
  • これにより、理事会の意思決定が迅速化され、管理費の変更など重要な決議が以前より成立しやすくなります。
    • → ご自身のマンションで所有者不明者がいる場合、本記事の「Step1」の決議母数が変わる可能性があるため、管理規約の最新改正内容を確認してください。

3. マンション管理適正評価制度の「見える化」

  • 2025年夏から、住宅情報サイト「SUUMO」などで管理組合の自己評価結果が掲載開始される動きが進んでいます。
  • 管理費見直しの過程や結果について透明性の高い情報開示を行うことが、マンションの資産価値評価にも直結する時代になりました。

管理費見直しの具体的ステップ|法律遵守で進める4段階ロードマップ

管理費の見直しは、思いつきで進められるものではありません。区分所有者の財産に関わる重要な決定であるため、法律や管理規約に定められた手続きに沿って、段階的に進める必要があります。

Step1:管理組合で合意形成する【総会の普通決議が必須】

管理費の金額は、マンションの憲法ともいえる「管理規約」で定められています。そのため、管理費の額を変更するには、管理組合の総会で決議を得る必要があります

管理費の変更は、区分所有法で定める「普通決議」によって決定するのが一般的です。

集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。

(出典:建物の区分所有等に関する法律 第39条第1項)

つまり、理事会だけで勝手に管理費の変更はできず、「区分所有者の人数」と「議決権(専有部分の床面積割合が一般的)」の両方で過半数の賛成を得て、初めて見直しが承認されます。まずは理事会で見直しの必要性を議論し、総会の議題として提案することから始めましょう。

【重要な留保条件】
区分所有法第39条第1項は「規約に別段の定めがないかぎり」という条件付きです。つまり、ご自身のマンション管理規約で「管理費の変更には特別決議が必要」と定めている場合は、その規約が優先されます。

必ず以下を実施してください:

  • 現在の管理規約を入手し、「管理費変更の決議要件」項を確認
  • 規約に別段の定めがあれば、その旨を理事会で報告

参考:国交省「マンション標準管理規約」の最新版

ご自身のマンションの管理規約が古い場合、以下の標準版を参考にすることをお勧めします:

  • マンション標準管理規約(単棟型)
    国土交通省公開(最新改正:令和6年3月)
  • 管理費の決議要件、修繕積立金の管理方法、理事会の権限など、法的に最適化された標準形式が示されています。

【活用のポイント】

  • 現在の管理規約と標準版を比較し、「古い規定」がないか確認
  • 管理費変更の決議要件が「普通決議」か「特別決議」か、規約に明記されているか確認
  • 修繕積立金の取り崩し制限がしっかり記載されているか確認

Step2:現在の管理会社に「効率化提案」を依頼する

総会で「管理費の見直しを検討する」という方向性が承認されたら、次にアクションを起こすべき相手は、現在の管理会社です。いきなり他社への変更を検討するのではなく、まずは契約中のパートナーとして、コスト削減に向けた協力を依頼します。

具体的には、以下の点を明確に伝えて「管理業務の効率化提案」を正式に依頼しましょう。

  • 目標とする削減額や削減率
  • 内訳明細に基づいた各業務の見直し依頼(例:清掃頻度の変更、点検仕様の最適化など)
  • 提案の提出期限

長年の付き合いがある管理会社であれば、マンションの特性を熟知しているため、サービスの質を極力落とさずにコストを削減する現実的な提案が期待できます。

ただし、現行管理委託契約書の条項を最優先で確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

Step3:相見積もりを取得する【2~3社を目安とする実務上の配慮】

現在の管理会社からの提案に納得できない場合や、より客観的な比較を行いたい場合は、他の管理会社から相見積もりを取得します。

ここで重要なのが、むやみに多くの会社に見積もりを依頼しないことです。相見積もりの依頼社数については、現在のところ法令上の上限は定められていません。ただし、実務上は以下の理由から 2~3社を目安とする管理組合が一般的です:

【理由】

  • 管理委託費用の見積作成には、現地調査・既存契約の精査・協力会社との打合せなど、管理会社側に相応の労力・コストがかかります
  • 社数が5社以上に増えると、管理会社が「契約獲得の可能性が低い」と判断し、真摯な提案を敬遠する傾向が業界で報告されています

特に20〜40戸程度の中小規模マンションの場合、管理会社側は「労力をかけても契約に至らない可能性が高い」と判断しやすく、組合側の要望が強すぎると敬遠される恐れがあります。管理会社側は、管理委託内容の精査および会計状況、そして1棟全体の管理費等の見積もり作成をするには3-4回ほど現地に足を運び、また清掃会社、EV点検、消防、警備など多岐にわたって外注先会社との打ち合わせを行ったうえで理事会数名との面談も数回こなすため労力がかかります。結論2-3社での相見積もりに対しては動くので、そのくらいが管理会社としては参加しやすいです。質の高い提案を引き出すためにも、依頼する会社は事前に厳選しましょう。

【参考】全国マンション管理組合連合会等の業界慣行では、「中小規模マンション(20~50戸)の場合、相見積もり社数は2~3社程度の事例が主流」とされています。

【留保】

  • マンション規模(戸数)や地域によっては、3社以上の見積もり比較が適切な場合もあります
  • 最終的な社数決定は、理事会で管理組合の財政状況や時間的余裕を踏まえて判断してください

Step4:新旧プランを比較検討し、管理会社を決定・交渉する

複数の提案が集まったら、金額だけで判断してはいけません。以下の点を総合的に比較検討します。

  • 金額の妥当性: 提示された金額は、内訳明細と照らし合わせて納得できるか。
  • サービス仕様: 清掃の回数、管理人の勤務時間、緊急時対応の内容は、今より低下しないか。
  • 担当者の対応: 理事会での説明は丁寧か、質問への回答は的確か。
  • 会社の信頼性: 財務状況、近隣での管理実績は十分か。

比較検討の結果、現在の管理会社と契約を継続するのか、新しい管理会社に変更するのかを理事会で決定し、最終的に総会の普通決議で承認を得ます。管理会社を変更する場合、国土交通省の「マンション標準管理規約」では、普通決議で決定できるとされています。

ただし、現行管理委託契約書の条項を最優先で確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

管理費の見直しでよくある質問

Q. 管理費の見直しは、総会のどの決議が必要ですか?

A. 原則として、区分所有者数および議決権の各過半数の賛成による「普通決議」が必要です。ただし、ご自身のマンションの管理規約に別段の定めがないか、事前に確認することが重要です。管理規約に加え、現契約書の更新・解約条項を確認してください。

Q. 管理費はどのくらい削減できますか?

A. 削減の幅は、ご自身のマンションの特性と現在の契約内容による差が大きいため、一概には申し上げられません。

ただし、業界の一般的な経験則として、以下が参考指標となります:

【現実的な削減幅】

  • 5%~15%程度が、多くのマンションが達成している削減幅
    (理由:現在の管理会社との交渉による業務効率化や、競争入札による値下げなど)
  • 15%を超える削減を目指す場合は、以下を慎重に検討:
    • 清掃頻度の大幅削減
    • 管理人配置時間の短縮
    • 設備点検の簡素化
    • など、管理サービスの質低下リスクが増加
  • 30%以上の大幅削減は、マンション資産価値の毀損(外壁劣化、セキュリティ低下など)につながりやすいため、極めて慎重な判断が必須です

【注意】

  • 削減率の設定は、まず現在の契約内容を精査し、「どの業務にいくらかかっているか」を理解した上で、「どの業務なら効率化できるか」を判断する順序が重要です
  • 削減目標を決める前に、必ず現在の管理会社から「効率化の余地」についての提案を受け取ることをお勧めします

絶対に避けるべき!管理費見直しで陥りがちな3つの注意点

管理費の削減を急ぐあまり、踏み越えてはならない一線があります。健全なマンション運営を維持するために、以下の3つのポイントは必ず守ってください。

注意点1:「修繕積立金」を削減対象にしてはいけない 【法令遵守の必須ポイント】

用語対照表:混同しやすい2つの費用

項目管理費修繕積立金
定義日常の共用部分の維持管理費十数年ごとの大規模修繕費
使途例清掃、点検、共用部電気代、管理人人件費外壁塗装、給排水管更新、屋根工事
会計毎年度の収支で使い切る複数年かけて積立て、工事時に使用
法令根拠区分所有法 第21条、第22条マンション管理適正化法 施行規則 第87条
会計分離義務ありません必ず管理費と分けて経理

法定分離義務の詳細

区分所有法に基づき、管理費(日常管理費)と修繕積立金(将来修繕費)は、会計上も法的にも完全に分離して管理することが義務付けられています

【法令根拠】
マンションの管理の適正化の推進に関する法律 施行規則 第87条
「管理組合は、管理費及び修繕積立金について、区別して経理しなければならない。」
参照:マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)

管理費と修繕積立金は、その目的と法的根拠が全く異なります。

  • 管理費とは?
    • 定義: 日常の共用部分の維持管理(清掃、点検、共用部の光熱費など)に使われる費用。
    • 目的: 短期的な維持管理。
  • 修繕積立金とは?
    • 定義: 十数年ごとに行われる外壁塗装や給排水管更新などの大規模修繕に備えて積み立てる費用。
    • 目的: 長期的な資産価値の維持。

⚠️ 絶対にしてはいけないこと

  1. 修繕積立金を取り崩して、管理費の値上げを回避する
    → これは「将来の大規模修繕の資金を食い潰す」行為
    → 10年後の外壁塗装時に、積立不足で区分所有者に追加負担が発生
  2. 修繕積立金の積立額を減額する
    → 見かけ上の費用削減になるが、長期的には建物劣化を放置することになる
    → マンション全体の資産価値の毀損につながる
  3. 「管理費が高い」という理由で、修繕積立金を流用する
    → 法令違反(横領に相当する可能性あり)
    → 管理組合の監査で指摘され、理事に責任追及がおよぶ可能性

【参考】修繕積立金が不足しているサイン

  • 長期修繕計画書で「今後30年の予想修繕費」が示されているのに、
    その30年分の合計を現在の積立額で割ると、足りない場合
  • 大規模修繕工事の実績と比較して、現在の積立金では次回工事に対応できない場合

これらの場合は、修繕積立金を「削減」するのではなく「増額」する判断が一般的です。

注意点2:管理サービスの質が大幅に低下するリスクがある

「安かろう悪かろう」という言葉があるように、過度なコストカットは管理サービスの質の低下に直結します。

  • 清掃の回数が減り、エントランスや廊下が汚れる
  • 管理人の勤務時間が短縮され、セキュリティが不安になる
  • 設備の点検が甘くなり、故障のリスクが高まる

実際に、安易な管理会社の変更で清掃の質が下がり、住民からの苦情が殺到して、結局元の管理会社に戻さざるを得なくなったという失敗談も少なくありません。金額だけでなく、提案されているサービス内容を細かくチェックし、住民が求める生活水準を維持できるかしっかりと見極めることが重要です。

注意点3:一部の所有者だけを優遇する不公平な減額はNG

管理規約や費用の負担割合は、区分所有者間の公平性が保たれるように定めなければならないと、区分所有法で定められています。(出典:建物の区分所有等に関する法律 第30条第3項)

「特定の部屋だけ管理費を安くする」「理事になったから減額する」といった、一部の区分所有者だけを優遇するような不公平な減額は絶対に認められません。管理費の見直しは、あくまで管理業務の効率化によって捻出されたコスト削減分を、すべての区分所有者に公平に還元する形で行う必要があります。

まとめ:管理費の見直し成功は、透明性の高い組合運営から

マンションの管理費が高いと感じたとき、正しい手順を踏めば適正化は十分に可能です。重要なのは、感情的に値下げを要求するのではなく、客観的なデータに基づいて行動することです。

  1. 内訳の透明化: まずは「何にいくら払っているか」を知る。
  2. 相場の把握: 客観的なデータで現状を評価する。
  3. 合意形成: 総会決議を経て、組合全体の意思として進める。
  4. 慎重な比較: 金額だけでなく、サービスの質を総合的に判断する。

これらのステップを一つひとつ着実に実行していくことが、管理費の見直しを成功に導き、ひいてはマンション全体の資産価値を維持・向上させることにつながります。この記事が、あなたのマンションの健全な管理組合運営の一助となれば幸いです。


【免責事項・相談先】

本記事は、マンション管理に関する一般的な情報提供を目的とした解説であり、特定の個別案件に対する法的な助言を行うものではありません。

⚠️ 以下のような場合は、必ず専門家にご相談ください

  1. 管理規約が古く、改正の必要があるか判断したい場合
    → マンション管理士、または弁護士へ
  2. 管理費削減の具体的な交渉内容が適切か確認したい場合
    → 会計専門家(公認会計士、税理士)、またはマンション管理士へ
  3. 管理会社との契約書に「特殊な規定」がある場合
    → 弁護士へ
  4. 削減後に「トラブルが生じた」「住民から苦情が出た」場合
    → 弁護士、またはマンション管理適正化センター(都道府県別)へ

相談先の目安

  • マンション管理士 :管理運営・費用構造・効率化提案
    (全国マンション管理組合連合会 相談室など)
  • 弁護士 :法令解釈、契約交渉、紛争対応
    (日本弁護士連合会 法律相談窓口など)
  • 管理組合監査委員 :会計の透明性、支出妥当性の検証
    (ご自身のマンション内の監査委員)

法令・ガイドラインの常時確認
法令や各種ガイドラインは改正される可能性があるため、常に最新の情報をご参照ください。特に以下は毎年更新される傾向にあります:

  • 国土交通省「マンション標準管理規約」
  • 「マンション管理状況実態調査」
  • 「マンション管理適正化法」の運用通知

参考資料

  • 建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令検索)
  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律(e-Gov法令検索)
  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
  • 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及びマンション標準管理規約(単棟型)コメント」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html , 最新版:令和6年3月改正)
  • 国土交通省「マンション標準管理委託契約書及びマンション標準管理委託契約書コメント」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000053.html , 最新版:令和5年9月改正)
  • 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001730419.pdf , 2024年)

島 洋祐

保有資格:(宅地建物取引士)不動産業界歴22年、2014年より不動産会社を経営。2023年渋谷区分譲マンション理事長。売買・管理・工事の一通りの流れを経験し、自社でも1棟マンション、アパートをリノベーションし売却、保有・運用を行う。

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この記事を書いた人

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