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分譲マンションの「一部管理」(一部委託管理)は、管理会社に業務の一部だけを委託し、管理組合が残りを主体的に担う管理方式です。全部委託管理と自主管理の“中間”に位置づけられ、コスト削減やコミュニティ活性化の観点から採用する管理組合が増えています。
一部管理(一部委託管理)とは
分譲マンションの管理方式は大きく3つ:
- 全部委託管理:ほぼ全ての業務を管理会社に委託、理事会は意思決定と状況把握が主。
- 自主管理:全ての業務を管理組合が独自で実施、管理会社は利用しない。
- 一部管理(一部委託管理):管理組合が選定した一部業務だけを管理会社に委託し、残りを自力で行う。
委託/自主の範囲は柔軟に設計可能で、たとえば「会計業務や設備保守は委託」「コミュニティ活動や小修繕は自主」など、マンション実情や住民の意向に合わせて役割を分担できます。
一部管理のメリット
- 管理コストの削減
- 主体性・コミュニティの活性化
- 管理の柔軟性・対応力向上
一部管理のデメリット・注意点
- 理事会・住民の負担増
- 専門性不足とリスク
- 責任の所在が不明瞭になる危険
- 理事個人への依存や癒着のリスク
一部管理が向いているマンション
- 住民間のコミュニケーションが活発
- 小~中規模で管理コスト圧縮のメリットが大きい
- 自主性や管理意識の高い参加者が揃っている
一部管理を成功させるコツ
- 業務範囲や責任の明確化(契約書で明記)
- 住民全体への丁寧な説明・十分な合意形成
- 管理会社選び・パートナー活用の工夫(複数社で相見積もり・比較検討)
- いきなり全業務移行せず、段階的に委託範囲を見直し
まとめ
一部管理は、コスト圧縮・管理意識向上・コミュニティ活性化など資産価値維持向上の有効な選択肢です。課題やリスクも十分に踏まえ、住民合意・業務整理といった準備があれば、中長期的に「自分たちのマンション」を創る手段として期待できます。