管理費の相場は月額17,214円!内訳や値上がり理由、安く抑えるコツまで徹底解説

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マンションの購入を検討する際、住宅ローンや物件価格に目が行きがちですが、快適な暮らしと資産価値を維持するために非常に重要なのが、毎月支払う「管理費」です。

「管理費って一体何に使われるの?」「相場はいくらぐらい?」「最近高くなっていない?」

そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。この記事では、国土交通省の最新データに基づき、マンション管理費の相場や内訳、高騰する理由、そして賢く費用を抑えるためのポイントまで、わかりやすく解説します。

目次

そもそも管理費とは?修繕積立金との違い

まず、混同されがちな「管理費」と「修繕積立金」の違いを明確にしておきましょう。どちらもマンションを維持するために必要な費用ですが、その目的と使途が異なります。

項目管理費修繕積立金
目的日常的な共用部分の維持・管理計画的な大規模修繕
用途清掃、点検、光熱費、管理員人件費など外壁塗装、屋上防水、エレベーター交換など
支払い毎月定額(管理委託費の値上げ、保守点検費用の値上げ等で増額しているマンションもあり)毎月定額(将来的に増額の可能性あり)
イメージ日々の生活費将来のための貯金

管理費は、マンションという共同生活の場で、住民が日々快適かつ安全に暮らすための費用です。これがなければ、エントランスは汚れ、エレベーターの安全も保たれません。

管理費の全国平均と相場

国土交通省が2024年6月に発表した「令和5年度マンション総合調査」によると、管理費(駐車場使用料等を含む)の全国平均は月額17,214円(単棟型)です。前回調査(平成30年度)の16,213円から約1,000円上昇しており、管理コストが年々増加していることがわかります。

戸数区分管理費/月(円)[1戸あたり平均]1㎡あたり管理費(月額・円)※
20戸以下22,131177
21~30戸19,538 171 
31~50戸9,847143
51~75戸10,386 137 
76~100戸11,490 140 
101~150戸9,451 130
151~200戸10,989155
201~300戸11,662149
301~500戸14,022 142
501戸以上10,767157

主なポイント

  • 20戸以下などの「小規模マンション」は、全体で平均22,000円超と最も管理費が高い傾向
  • 30戸以下は20,000円前後、150~200戸や中規模クラスでは平均10,000~15,000円程度。
  • 500戸を超える超大規模マンションも、共用施設のグレードなどにより高水準になることがあります

表からは分かりませんが20戸以下マンションで30,000~40,000円(月額)が最も多い等見てみると面白いのでご興味ある方は国交省のデータを確認してみてください。

管理費の金額は、主に以下の要因によって大きく変動します。

  • 総戸数:戸数が多い大規模マンションほど、1戸あたりの負担額は軽減される「スケールメリット」が働き、管理費が割安になる傾向があります。
  • 共用設備の充実度:コンシェルジュサービス、フィットネスジム、プール、ゲストルーム、24時間有人管理といった豪華な設備やサービスは、維持管理費や人件費がかさむため、管理費が高くなります。
  • 建物の構造:タワーマンションは、高層階用のエレベーターや特殊な清掃・設備が多くなるため、一般的なマンションに比べて管理費が高くなる傾向があります。
  • 管理会社のサービス内容:管理業務を委託する管理会社の契約内容や、サービスの質によっても費用は変動します。

管理費の具体的な内訳と使い道

毎月支払う管理費は、主に以下のような費用に使われています。これらはマンションの規模や設備によって割合が異なります。

  • 管理委託費:管理会社に支払う費用。管理員の人件費、事務管理費、清掃費などが含まれ、管理費の中で最も大きな割合を占めることが一般的です。
  • 共用部の光熱費:エントランスの照明、エレベーターの電気代、共用水栓の水道代など。
  • 共用設備の保守点検費:エレベーター、給排水設備、消防設備、機械式駐車場などの定期的な点検やメンテナンスにかかる費用。
  • 損害保険料:マンション全体で加入する火災保険や地震保険などの保険料。
  • その他:自治会費や、専門家(会計士、弁護士)への相談費用など、管理組合の運営に必要な雑費。

なぜ?管理費が値上がりする3つの理由

「新築の時より管理費が上がった」という話を聞いたことはありませんか?近年、管理費は上昇傾向にあります。その主な理由は以下の3つです。

  1. 物価・光熱費の高騰:電気代やガス代、清掃用具や交換部品などの価格が上昇しており、直接的に管理費を圧迫しています。
  2. 人件費の上昇:最低賃金の上昇や人手不足を背景に、管理員や清掃スタッフの人件費が上がっています。
  3. 居住者のニーズ多様化:防犯意識の高まりによるセキュリティ強化や、高齢化に伴うサポートサービスの導入など、新たなサービスが求められることでコストが増加するケースもあります。

管理費の負担を賢く抑えるためのチェックポイント

管理費は安ければ良いというものではありませんが、無駄な支出は避けたいものです。マンション選びや見直しの際に、以下の点を考慮しましょう。

  1. 自分にとって必要な共用設備か見極める ジムやプール、ゲストルームなどは魅力的ですが、利用しない人にとっては負担でしかありません。自分のライフスタイルに本当に必要な設備か、冷静に判断しましょう。
  2. 中規模〜大規模マンションを選択肢に入れる 総戸数が70〜100戸以上の中規模・大規模マンションは、スケールメリットが働きやすく、1戸あたりの管理費が比較的抑えられる傾向があります。
  3. 管理組合の活動状況を確認する (中古マンションの場合)管理組合が機能しており、定期的に管理委託契約の内容を見直したり、コスト削減努力(例:共用部の照明をLEDに変えるなど)をしたりしているかを確認しましょう。総会の議事録などをチェックするのも有効です。

管理費が安すぎることのデメリットはある?

相場に比べて管理費が極端に安い場合、必要な清掃や点検が行われていなかったり、管理員の勤務時間が極端に短かったりする可能性があります。結果的に建物の劣化が早まり、資産価値の低下につながる恐れがあるため、安さの理由をしっかり確認することが重要です。

まとめ

マンション管理費は、快適な住環境と大切な資産価値を守るための「必要経費」です。最新の全国平均は約17,000円ですが、これはあくまで目安であり、戸数や設備によって大きく異なります。

マンションを選ぶ際は、管理費の金額だけを見るのではなく、「その金額でどのような管理サービスが提供されているのか」**という質の部分までしっかりと見極めることが重要です。安易に安さで選ぶのではなく、管理内容や管理組合の運営状況なども含めて、総合的に判断することをおすすめします。

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この記事を書いた人

保有資格:管理業務主任者・ 保険募集人・ 甲種防火管理者
不動産業界歴5年。大手管理会社にてフロント担当者として3年勤務し、担当13棟 総戸数約900戸の管理を経験し、15戸から330戸までの管理組合のフロントを経験してまいりました。物件種別についても新規オープンから築60年程度のマンションまで、幅広い経験がございます。
管理業務主任者の資格だけでなく、保険募集人・甲種防火管理者の資格も保有。組合様の課題やご要望に対し、様々なご提案を差し上げます。

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