※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。
結論:ベストは「目的 × 運用体制 × 利用期間 × 予算」で変わります。この記事では、買取(購入)/リース/レンタルの違いを、総支払額(TCO)・契約期間・メンテナンス・所有権の観点で比較。さらに、普通決議/特別決議の目安・メリット/デメリットまで、理事会ですぐ使える形で整理します。
1. まずは要点
- 短期や仕様変更が多い:レンタル(保守込みが一般的/途中変更に強い)
- 長期で資金温存:リース(5〜7年固定/保守は別契約が基本)
- 長期で総コスト最小:買取(初期高いがTCO最安になりやすい)
2. 三方式の違い(比較表)
| 導入方法 | 買取(購入) | リース | レンタル |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 高い(本体+工事を一括) | 0円〜低額(初期不要が多い) | 0円〜低額(初期不要が多い) |
| 月額費用 | なし | あり(リース料) | あり(レンタル料) |
| 総支払額(5年) | 最も安くなる傾向 | 買取より高い傾向 | 三者の中で最も高い傾向 |
| 契約期間 | 自由(制限なし) | 5〜7年が一般的(中途解約不可が基本) | 1ヶ月〜7年(短期可/柔軟) |
| メンテナンス費用 | 自己負担(保守別途が一般的) | 原則自己負担(保守別途が多い) | 月額に保守込みが一般的 |
| 所有権 | 管理組合 | リース会社 | レンタル会社 |
| 満了後の扱い | 継続利用・更新・売却・廃棄自由 | 返却 or 再リース | 返却 or 再契約 |
| 最新機種の使いやすさ | 都度買い替え | 契約時機種が基本 | 途中入替に対応するプランあり |
| 向いているケース | 長期利用・費用最小化・運用自走 | 長期固定・初期負担を抑制 | 短期利用・仕様変更が多い現場 |
※レンタルは「保守込み(月額に障害対応・消耗品交換等を含む)」設計が一般的。リースは「保守は別契約」が基本設計です。
3. 5年TCOの計算式
- レンタル: 月額(保守込み)×60 + 初期工事費(0円モデルもあり)
- リース: 月額(機器)×60 + 年間保守×5 + 初期工事費(含む/別)
- 買取: 初期導入(機器・工事)+ 年間保守×5 + 消耗更新(HDD等)
※ 実額は仕様で大きく変わります。相見積は“仕様書統一”が必須。
4. 決議区分:普通決議?特別決議?
マンションで新規に防犯カメラを設置する場合、配線・取付等の加工が軽微なら「普通決議」が原則。一方、共用部分に著しい加工(構造体を大きく貫通・大規模改造 等)を伴う場合は特別多数決議が必要になります(標準管理規約コメントP41https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001965185.pdf)。
判断フロー(目安)
1) 取付位置と配線経路を図面化 → 2) 躯体への影響の有無 → 3) 工事範囲 → 4) 普通決議or特別決議を理事会で確認 → 5) 議案文案を作成
5. 各方式のメリット・デメリット
買取(購入)
- 初期費用は高いが、長期でTCO最小になりやすい
- 所有権が組合にあり、設定・運用の自由度が高い
- 保守は別契約が一般的(年間点検+障害対応の予算化が必要)
リース
- 初期費用を抑えて長期運用に向く(5〜7年が主流)
- 原則中途解約不可、保守は別契約が基本
- 総額は買取より高くなる傾向(ただし資金繰りは安定)
レンタル
- 保守込みが一般的で運用負担が軽い
- 短期〜中期の柔軟性(台数/機種変更に強い)
- 長期では割高になりやすい
6. まとめ:どう選ぶ?(意思決定フロー)
Q1:1〜3年で構成が変わる可能性が高い → レンタル寄り
Q2:初期資金を抑え、長期に安定運用 → リース
Q3:長期前提で総コスト最小化 → 買取
関連記事:うちのマンションにも防犯カメラ” そのとき管理組合が考えるべきこと
https://mij-c.com/column/1521

