マンションのペット飼育ルール完全ガイド|法的根拠からトラブル防止策3選

※本コラムの内容は、当社が独自に調査・収集した情報に基づいて作成しています。無断での転載・引用・複製はご遠慮ください。内容のご利用をご希望の場合は、必ず事前にご連絡をお願いいたします。

マンションのペット飼育ルールとは?法的根拠からトラブル防止策まで

マンションでのペット飼育は、多くの人にとって暮らしを豊かにする大切な要素です。しかし、集合住宅である以上、住民全員が快適に暮らすためには明確なルールが欠かせません。ペットを飼いたい人、すでに飼っている人、そして管理組合の役員、それぞれの立場で「ペット飼育のルール」について悩んだ経験があるのではないでしょうか。

この記事では、宅地建物取引士として、マンションにおけるペット飼育ルールの法的根拠から、具体的なルール内容、変更手続き、トラブル防止策までを網羅的に解説します。ルールが「誰が、どのようにして決めているのか」を正しく理解することが、ペットとの平和な共存、そして快適なマンションライフの第一歩です。

なお、本記事は主に分譲マンションを対象としています。賃貸マンションのルールは、オーナーと入居者の間の賃貸借契約によって個別に定められます。賃貸借契約でペット飼育が禁止されている場合、契約違反として退去を求められる可能性もあるためご注意ください。

FAQ:この記事でわかること

この記事を読めば、マンションのペット飼育に関する以下の疑問が解消されます。

  • Q1. マンションのペット飼育ルールは何で決まるの?
    • A. 主に「管理規約」と、より具体的な「使用細則」で定められます。これらは「区分所有法」という法律に基づいており、総会での決議によって設定・変更されます。
  • Q2. ルールを変更するにはどうすればいい?
    • A. 飼育の可否など根幹に関わる「管理規約」の変更は、区分所有者数・議決権の各4分の3以上の賛成(特別決議)が必要です。飼育マナーなどを定めた「使用細則」の変更は、過半数の賛成(普通決議)で可能です。
  • Q3. ルール違反をするとどうなる?
    • A. 管理組合から指導や勧告を受け、従わない場合は飼育の禁止を求められることがあります。最終的に裁判となり、飼育禁止を命じられた判例も存在します。

目次

マンションのペット飼育ルール、誰がどう決める?法的根拠を解説

マンションでのペット飼育ルールは、個人の感情や一部の住民の意見だけで決められるものではありません。そこには「区分所有法」という法律に基づいた、明確なルール設定の仕組みが存在します。

ルールの根幹「管理規約」と具体的な「使用細則」

マンションのルールは、主に「管理規約」と「使用細則」という2つの文書で定められています。

  • 管理規約とは?
    • マンションの建物や敷地の管理・使用に関する最も基本的なルールを定めたもので、「マンションの憲法」に例えられます。ペット飼育の可否といった根本的な方針は、この管理規約で定められます。
  • 使用細則とは?
    • 管理規約で定められた大枠の中で、より具体的な日常の使用ルールを定めたものです。例えば、ペット飼育が許可されている場合に、「共用部では抱きかかえる」「指定の足洗い場を利用する」といった細かいマナーは、この使用細則で規定されます。

【ポイント】「管理規約=憲法」で大枠を決め、「使用細則=法律」で具体的な運用を定める、と考えると分かりやすいでしょう。どちらを確認すればよいか迷ったら、まず管理規約でペット飼育の可否を確認し、次に使用細則で具体的なルールをチェックする、という流れになります。


すべてのルールの基本となる「区分所有法」とは?

管理規約や使用細則のさらに大元にあるのが、「建物の区分所有等に関する法律」、通称「区分所有法」です。この法律は、マンションのように一つの建物を複数の人が区分して所有する場合のルールを定めています。

区分所有法では、区分所有者は「建物の管理又は使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定められています(出典:区分所有法 第6条第1項)。ペットの飼育が、騒音、臭い、アレルギーなどの問題を引き起こし、他の住民の生活の平穏を害する可能性があることから、この「共同の利益」を維持するために、管理規約でペット飼育に関する一定の制限を設けることが認められているのです。


【図解】法律・規約・細則の関係性

これら3つの関係は、以下の階層構造で理解することができます。

  1. 大元:区分所有法(国が定めた法律)
  2. 基本:管理規約(マンションごとの憲法。区分所有法に反しない範囲で作成)
  3. 詳細:使用細則(マンションごとの具体的なルール。管理規約に反しない範囲で作成)

この構造を理解することで、なぜ総会での決議が必要なのか、なぜルールは守らなければならないのか、その法的な背景が見えてきます。


【うちのマンションは?】ペット飼育ルールの一般的な具体例

それでは、実際にどのようなペット飼育ルールが定められているのでしょうか。国土交通省が公表している「マンション標準管理規約」を参考に、一般的な具体例を見ていきましょう。

なお、国土交通省が2018年度に実施した調査によれば、ペット飼育に関する何らかの規定がある管理組合は88%にのぼります。この調査は平成30年度のものであり、最新の動向については国土交通省のマンション総合調査(最新版)をご確認ください(出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」)。多くのマンションで、ルールに基づいた運用がなされていることが分かります。

許可されやすいペットの種類・頭数・サイズ

ペット飼育が可能なマンションであっても、無制限に何でも飼えるわけではありません。多くの場合、以下のような制限が「ペット飼育細則」で定められています。

  • 種類: 小型犬、猫、観賞用の小鳥、観賞用の魚類など
  • サイズ・重量: 体高〇〇cm以下、または成獣時の体重が10kg以下など
  • 頭数: 1住戸につき1頭(または2頭)まで

ハムスターやウサギといったケージ内で飼育する小動物は、特に規定がなく許可されているケースもあります。

禁止されることが多いペットの種類

一方で、他の居住者への危害や恐怖心、衛生面への影響が大きい動物は禁止されるのが一般的です。

  • 特定動物(ワニ、ヘビ、サルなど)
  • 大型犬、中型犬
  • その他、鳴き声や臭いなどが共同生活に支障をきたす恐れのある動物

専有部・共用部での飼育ルール(バルコニーでのブラッシング禁止等)

どこで、どのように飼育するかについても細かなルールが定められます。

場所主なルール
専有部分(室内)・飼育は専有部分内に限る。
・バルコニーでの飼育、ブラッシング、排泄、給餌は禁止。
共用部分(廊下・エレベーター等)・移動の際は、必ず抱きかかえるか、ケージに入れる。
・共用部分での排泄は厳禁。万が一汚損した場合は、飼い主の責任で清掃・消毒する。
・リードをつけた歩行は禁止(または許可された特定の場所のみ)。
その他・飼育開始前に管理組合へ届出書と誓約書を提出する。
・狂犬病予防接種など、法律で定められた予防接種を必ず行う。
・指定された標識(ペット飼育中プレート)を玄関に掲示する。
(注)テキスト版代替: 場所 | 主なルール – 専有部分(室内) | ・飼育は専有部分内に限る。・バルコニーでの飼育、ブラッシング、排泄、給餌は禁止。 – 共用部分(廊下・エレベーター等) | ・移動の際は、必ず抱きかかえるか、ケージに入れる。・共用部分での排泄は厳禁。万が一汚損した場合は、飼い主の責任で清掃・消毒する。・リードをつけた歩行は禁止(または許可された特定の場所のみ)。 – その他 | ・飼育開始前に管理組合へ届出書と誓約書を提出する。・狂犬病予防接種など、法律で定められた予防接種を必ず行う。・指定された標識(ペット飼育中プレート)を玄関に掲示する。

これらのルールは、ペットを飼わない住民への配慮と、飼い主同士のトラブル防止のために非常に重要です。

身体障害者補助犬の扱いは別

注意点として、盲導犬、聴導犬、介助犬といった「身体障害者補助犬」は、一般的なペットとは全く異なる扱いとなります。

これらは「身体障害者補助犬法」に基づき、使用者の身体機能の一部を補うための存在です。判例においても、補助犬は使用者の生存や日常生活に不可欠な存在であり、その同伴は「ペットの飼育」とは区別して考えるべきとされています。身体障害者補助犬法(2003年法律第52号、2014年改正)において、盲導犬、聴導犬、介助犬が指定される際、その法的根拠とされています(出典:身体障害者補助犬法 第1条、同第3条;参考判例:最高裁判所平成10年10月30日判決)。したがって、たとえ管理規約でペット飼育が全面的に禁止されていても、身体障害者補助犬の同伴を拒否することはできません。


ペット飼育のルールを設定・変更したい!総会での手続きと法的効力

「ペット禁止のマンションを飼育可能にしたい」「飼育マナーが悪化したのでルールを厳しくしたい」といった場合、ルールを変更するにはどうすればよいのでしょうか。ここでも「区分所有法」に基づいた正式な手続きが必要です。

ルール変更は総会での決議が必須

マンションのルールである管理規約や使用細則の制定・変更は、区分所有者で構成される「管理組合の総会」での決議によって行われます。理事会だけで勝手にルールを変えることはできません。

規約変更?細則変更?必要な議決数の違い(特別決議と普通決議)

変更したいルールの内容によって、総会で必要となる賛成の数が異なります。これが「特別決議」と「普通決議」の違いです。

管理規約の変更使用細則の変更
変更内容の例・ペット飼育の可否
・飼育可能なペットの根本的な種類(犬猫→不可へ)
・共用部の移動方法
・足洗い場の利用ルール
・届出書類の書式変更
必要な決議特別決議普通決議
決議要件区分所有者数 **および**
議決権総数の各4分の3以上の賛成
出席した区分所有者の
議決権の過半数の賛成
法的根拠区分所有法 第31条第1項区分所有法 第30条第1項(細則制定の総会決議要件、規約で別段可能。第39条で執行権限補完)
(注)普通決議の要件は、管理規約で「総議決権の過半数」など、より厳しく定めている場合もあります。
(テキスト版代替: 項目 | 管理規約の変更 | 使用細則の変更 – 変更内容の例 | ・ペット飼育の可否・飼育可能なペットの根本的な種類(犬猫→不可へ) | ・共用部の移動方法・足洗い場の利用ルール・届出書類の書式変更 – 必要な決議 | 特別決議 | 普通決議 – 決議要件 | 区分所有者数および議決権総数の各4分の3以上の賛成 | 出席した区分所有者の議決権の過半数の賛成 – 法的根拠 | 区分所有法 第31条第1項 | 区分所有法 第30条第1項(細則制定の総会決議要件、規約で別段可能。第39条で執行権限補完)

このように、マンションの根幹に関わる「管理規約」の変更はハードルが高く、日常的な運用ルールである「使用細則」は比較的変更しやすくなっています。この違いを理解することが、ルール変更を提案する際の重要なポイントです。

【重要】すでに飼っている人への影響は?「特別の影響」の解釈

では、ペット飼育可能だったマンションが、総会の特別決議で「飼育禁止」になった場合、すでに飼っているペットはどうなるのでしょうか。

区分所有法には「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」という規定があります(出典:区分所有法 第31条第1項ただし書)。

この「特別の影響」に、既存のペット飼育が該当するかが争点となります。過去の裁判例では、一般的な愛玩動物の飼育は、飼い主の生活を豊かにするものではあるものの、生活に不可欠とまでは言えず、「特別の影響」には当たらないと判断される傾向にあります(出典:最高裁平成10年10月30日判決など)。

【専門家の視点】裁判所は、身体障害者補助犬のような使用者の生存に不可欠なケースと、一般的な愛玩ペットを明確に区別して考えています。そのため、規約が有効に「飼育禁止」に変更された場合、既存の飼い主であっても、原則として新しいルールに従う義務が生じると解釈されています(出典:最高裁判所平成10年10月30日判決;区分所有法第31条第2項の『特別の影響』の解釈)。ただし、個別事案によっては裁判所の判断が異なる可能性があるため、具体的な状況については、マンション管理士または弁護士にご相談ください。

申請から承認までの手続きフロー(飼育委員会の役割含む)

実務上、ペット飼育に関するルールを円滑に運用するために「飼育委員会」を設置する管理組合も増えています。飼育委員会の役割と、一般的な申請フローは以下の通りです。

  1. 飼育希望者: 管理組合へ「ペット飼育届出書」「誓約書」などを提出。
  2. 飼育委員会(設置している場合): 届出内容の確認、希望者との面談、近隣住戸への説明などを行い、意見書を作成。
  3. 理事会: 飼育委員会の意見を参考に、ルールの適合性を審査し、承認・不承認を決定する。
  4. 管理組合: 希望者へ結果を通知し、承認の場合は「飼育許可証」や玄関用の「標識プレート」を交付する。

重要:飼育委員会の意見は理事会の参考資料であり、法律的な決定権限は理事会(および規約で定める場合は総会)にあります。飼育委員会の否定的意見が出た場合でも、理事会が独立して判断できます。

ここで重要なのは、飼育委員会はあくまで理事会の諮問機関や合意形成のための組織であり、最終的な承認権限は理事会(または総会)にあるという点です。


もしルール違反があったらどうなる?管理組合の対抗措置と裁判例

ルールがある以上、違反者への対応も決めておく必要があります。ルール違反を放置することは、真面目にルールを守っている他の住民の不公平感につながり、マンション全体の秩序を乱す原因となります。

管理組合ができること:指導・勧告から飼育禁止命令まで

管理規約に違反してペットを飼育している住民に対して、管理組合は段階的に対応を取ることができます。

  1. 口頭または書面による注意・指導: まずは理事長名で、ルール違反の事実を伝え、是正を求めます。
  2. 勧告: 改善が見られない場合、総会の決議に基づき、より強く是正を求める「勧告」を行います。
  3. 飼育の差止め請求: 勧告に従わない場合、管理組合は訴訟を提起し、裁判所に対してその住民のペット飼育の差止め(飼育禁止)を請求することができます(出典:区分所有法 第57条)。なお、訴訟を提起する際は、区分所有法に基づき、事前に違反者に対して弁明の機会を与えることが必須とされています(出典:区分所有法 第58条)。これにより、一方的な手続きではなく、違反者の権利も保護される仕組みになっています。

実際にあった裁判例(飼育禁止の判決)

実際に、ペット飼育を禁止しているマンションで規約に違反して犬を飼い続けた住民に対し、管理組合が飼育の禁止を求めた裁判があります。

この裁判で、東京地方裁判所は管理組合の主張を認め、「(被告は)当該マンションで犬を飼育してはならない」という判決を下しました(出典:東京地方裁判所 平成19年1月30日判決)。

この判例は、管理規約が持つ法的な拘束力と、ルール違反に対しては裁判所も厳しい判断を下すことを明確に示しています。安易なルール違反は、最終的にペットを手放さなければならないという、飼い主にとってもペットにとっても最も不幸な結果を招きかねません。


ペットとの平和な共存のために!トラブルを未然に防ぐ3つの対策

トラブルは起きてから対応するのではなく、未然に防ぐことが最も重要です。マンションで報告されるペット関連のトラブルには、以下のような例が挙げられます。

  • 鳴き声や足音による騒音
  • 共用廊下やバルコニーでの排泄・臭い
  • エレベーター内でのマナー違反や、リードを付けずに歩かせる行為
  • 届け出なく飼育頭数を増やす「無断多頭飼い」

ここでは、こうした問題を未然に防ぎ、ペットを飼う人も飼わない人も気持ちよく暮らすための、具体的な3つの対策を紹介します。

対策①【予防】飼育開始時のルールを徹底する(誓約書・標識の活用)

トラブル防止の第一歩は「入り口管理」の徹底です。

  • 誓約書の提出: 新たにペットを飼い始める住民には、必ず規約・細則を遵守する旨の誓約書を提出してもらいます。これにより、飼い主の責任感を促し、ルール違反時の指導の根拠とすることができます。
  • 標識の掲示: 「ペット飼育中」のプレートを玄関に掲示してもらうことで、「この家はルールを守って飼育している」という証になります。これにより、ペットが苦手な住民の過度な不安を和らげ、無用な憶測によるトラブルを防ぐ効果が期待できます。
(誓約書の記載例)
私は、貴管理組合の管理規約およびペット飼育に関する使用細則の全条項を遵守し、他の居住者に迷惑をかけないことを誓約いたします。万が一、本誓約に違反した場合は、貴管理組合の指導に従うことに一切異議を申し立てません。
(テキスト版代替: (誓約書の記載例)私は、貴管理組合の管理規約およびペット飼育に関する使用細則の全条項を遵守し、他の居住者に迷惑をかけないことを誓約いたします。万が一、本誓約に違反した場合は、貴管理組合の指導に従うことに一切異議を申し立てません。

なお、ペット飼育者にはマンションのルールとは別に法律上の義務も課されています。特に犬の飼い主は、狂犬病予防法に基づき、市区町村への登録と年1回の狂犬病予防接種が義務付けられています(出典:狂犬病予防法 第4条・第5条)。これらは地域の保健所が管轄するもので、ルール遵守の基本となります。

対策②【ルール】共用部の使い方を具体的に明文化する

「迷惑をかけない」というような曖昧な表現だけでは、人によって解釈が異なります。「共用部分では必ずケージに入れる」のように、誰が見ても判断に迷わない具体的な行動レベルでルールを明文化することが重要です。

  • エレベーターではどうするか?
  • 廊下を歩かせてもよいか?
  • 専用庭でのブラッシングは許されるか?

これらの具体的なルールを「使用細則」に盛り込むことで、住民間の「これくらいは良いだろう」という認識のズレを防ぎます。

対策③【体制】苦情対応のフローをあらかじめ決めておく

どんなにルールを徹底しても、トラブルがゼロになるとは限りません。大切なのは、苦情が発生した際に、誰が、どのように対応するのか、そのフローを事前に決めておくことです。

  1. 受付窓口の一本化: 苦情は理事会(または管理会社)が窓口となり、匿名での相談も受け付ける体制を整えます。当事者同士の直接対決は、感情的な対立を招きやすいため避けるべきです。
  2. 事実確認: 理事会は、まず客観的な事実(いつ、どこで、何があったか)を確認します。
  3. 指導・改善要求: 事実確認に基づき、理事会からルール違反者へ改善を指導します。
  4. 結果報告: 対応の結果を、苦情を申し出た人へフィードバックします。

このフローを事前に共有しておくことで、住民は安心して相談でき、管理組合も迅速かつ公平に対応することができます。


まとめ:正しいルールの理解が、ペットと暮らす快適なマンションライフの第一歩

この記事では、マンションのペット飼育ルールについて、その法的根拠から具体的な運用、トラブル防止策までを解説しました。

  • ペット飼育ルールは「区分所有法」を頂点とする、「管理規約」「使用細則」によって定められる法的な拘束力を持つルールである。
  • ルールの変更には「総会決議」が必要で、規約(大枠)の変更は特別決議、細則(詳細)の変更は普通決議と、要件が異なる。
  • ルール違反に対しては、管理組合は指導・勧告から飼育禁止の訴えまで、段階的な措置を取ることができる。
  • トラブルを防ぐには、誓約書や標識による「予防」、ルールの「具体化」、苦情対応の「体制」づくりが重要である。

ペットは家族の一員です。しかし、マンションは共同生活の場であり、そこには多様な価値観を持つ人々が暮らしています。ペットを飼う人も飼わない人も、お互いを尊重し、ルールを正しく理解・遵守することが、すべての住民にとって快適で安心な住環境を守ることに繋がります。

まずは、ご自身のマンションの管理規約と使用細則を改めて確認することから始めてみてはいかがでしょうか。


■免責事項
本記事は、2025年11月時点の法令や情報等に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。その後の法律改正(例:区分所有法、マンション管理適正化法、身体障害者補助犬法など)および最新の行政通知が存在する可能性があります。最新情報については、国土交通省ホームページおよび該当自治体の公式情報をご確認の上、必要に応じて弁護士やマンション管理士などの専門家にご相談ください。マンションの管理規約や使用細則は各マンションで内容が異なります。具体的な問題については、必ずご自身のマンションの管理規約等をご確認の上、必要に応じて弁護士やマンション管理士などの専門家にご相談ください。

参考資料

【法令等の参照先(2025年11月時点)】

  • 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001570753.pdf
  • 建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令検索):https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000069
  • 身体障害者補助犬法(e-Gov法令検索):https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000052
  • 国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」:https://www.mlit.go.jp/common/001287431.pdf
  • 裁判例については、最高裁判所判例検索(https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1)でキーワード「ペット」「飼育」「規約」で検索してください。個別判決へのリンクは裁判所システムの変更に伴い更新される可能性があるため。

島 洋祐

保有資格:(宅地建物取引士)不動産業界歴22年、2014年より不動産会社を経営。2023年渋谷区分譲マンション理事長。売買・管理・工事の一通りの流れを経験し、自社でも1棟マンション、アパートをリノベーションし売却、保有・運用を行う。

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この記事を書いた人

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